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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME28-2】謎多き影と剣の想い!!

――TIPS――

【リロード樹海①】

森林エリア・『アドベンチャーフォレスト』より更に奥深くに位置する無法地帯。森林から発する特殊な怪電波でプレイヤーを惑わす危険なエリアな為、一般プレイヤーの突入は不可。


だが難関である為か、樹海には意外なレアカードも眠っているとの噂。ただし命の保証は当然無い。

 

 ――鬱蒼たる木々に包れた新緑の海・樹海エリア『リロード樹海』に迷い込んだ桐山剣。

 それぞれの因果に導かれて救出に向かい、樹海に突入した立海のメイド・時実桜と合流した事で一先ず安心のゲーム戦士。


 ……ところで、剣たちシャッフルオールスターズには待ち受けている幾多の苦難がある。槍一郎のオフィシャル試練や裏プレイヤー、勿論剣の遭難等も含めて多種多難で苦労が絶えない。


 そんな中で何故、立海は真っ先に剣とのコンタクトから先に優先する事になったのでしょうか?

 桜が剣を気に入ってるから? いえいえそんな浅い意味じゃ無いでしょう。


 実はちゃんと立海の城主・銃司と参謀長・史也の間で、考えがあっての事でありました。まずはその()()を読んでみましょう。



 ▶▶▶ PLAY BACK▽


 ――それは桜が有給休暇という名の外部出動を経て、彼女がバスター・キャッスルにて出城準備をしている時の頃。詳しく言うなら立海の仲間にアップルパイを貰い、旅立つ前の話ですな。


「――しかし銃司様、今剣さんらオールスターズがどのような苦難に直面しているかは存じませんが、我々のような部外者が助力するべきなのでしょうか」


 城主の銃司の命で出動を許可された桜でしたが、やはり立海の立場も踏まえると、準備しようにも躊躇いがあるようだ。


「気にする事はない。あのWGCの本宮若社長がみのりを気づかない筈は無いし、オールスターズの行動が予測出来ないとは限らない。早い話が若社長は奴の強さだけでなく、『ゲーム戦士としての強さ』を見極めてるんだと俺は思うのだ」


 WGCのトップ達が剣たちに何を頼まれたかもみのりから聞いた銃司。

 それを踏まえて己のチームが今何をすべきかも見極めた結果、先ずは桜をシャッフルのリーダーである剣とコンタクトする事からスタートしたのだろう。


「他の件はともかく、剣には類稀なる二つのPASを覚醒している。故に裏プレイヤーのような下郎も付き纏われるの目障りな事、だから奴を先に援護しようと考えた。俺なら真っ先にそうする」


「なる程……、銃司様は本宮社長の事は信用していらっしゃるのですね」

「情と貪欲に現を抜かすより、冷徹かつ公平無私なくらいがトップには丁度良いと思っただけだ。俺は嫌いではないがな」


 公平無私、要は自分で決めたルールを感情抜きで白黒付けるタイプの事を言います。今の政治統制に少しぐらいは必要な要素なのかもしれませんね。


「……それでは今度は、逆に()()()()()()配下の話もしておこう」


 そこにしゃしゃり出たのは参謀長、頭キレキレの大門史也。

 気まぐれを起こした銃司に頭を痛めながらも、情景と組織体制を踏まえた上で桜に助言をする。


「先ずは、鳳凰堂孔雀。副管理者の肩書背負って、槍一郎のオフィシャル再入を阻止してるようだが、その敵は一人とは限らない」


 みのりですらも恐怖するほどの威圧を放つWGCの副管理者・鳳凰堂孔雀。

 彼女の存在はシャッフルのみならず、立海にも及んで危惧しているが、その他にも彼らを阻む存在がいるという。となると孔雀の強力な刺客か、或いは……


「もう一人、河合麗子(かわいれいこ)にも気をつけろ。それらを踏まえて護衛対象は桐山剣をメインに気を配るんだ」

「河合麗子……確かみのりさんのお母様で、槍一郎のオフィシャル再入の後見人のような人ですから、寧ろ味方ではないでしょうか?」


「だからこそ、だ。貴女はみのりに溺愛している上、過去の体制に考えを縛られてるようで正直気持ち悪くてな」


 気持ち悪いって貴方……一応お偉いさんですし。しかしそう言われると孔雀も麗子も、第三者から見ればどちらも胡散臭い感じはしますけどねぇ。


「とにかくああいうポーカーフェイスの面を被るタイプは、目標の為なら側にいる人間をも捨て駒に利用されないとは限らないのだ」

「……利己的な方なのですね、孔雀さんも麗子さんも。欲に誠実と言ってしまえばそれまでですが」


 それを踏まえた上で史也は『第三者』で『立海の後ろ盾付き』である桜を導入することで、これらの危惧を抑止するだろうと考えた訳なのです。

 だが孔雀も麗子も具体的に何を考えているのかは分からない。その証明になるものは、その考え方に“気に入らない”という感情だけでありました。


 ▶▶▶ NEXT▽


「――――と、言う訳なのです」

「…………」


 これらの回想を桜は具体的に剣に説明した。これには人一倍仲間想いである剣もうーんと首を傾げて深く考え込んだ。


 仲間の槍一郎の父から継がれたオフィシャルプレイヤー復権への『試練』。

 それが無事果たされて再びその資格が認められれば、過去に寄りすがる河合麗子等は喜ぶのであろうが、果たして槍一郎にとっては本当に幸せなのか……?


 それをゲーム戦士トップクラスの知識を持つ大門史也は、既にこれらの疑問を持っていたのでした。


「私も史也様の考えには同感ですわ。オフィシャルプレイヤーとは、彼にとってそれ程必死に守る価値があるのでしょうか」


「……さぁな。だが立海のブレインである史也さんとやらが言うなら、それも間違ってねぇのかもな」

「えぇ、史也様は陰で銃司様の代の立海を支え続け下さった方です。私が保証致しますわ」


 剣は立海側の考えを否定せず受け止めつつ、自分への想いに更ける。

 その時剣の脳裏に浮かんだのは、一年前のアメイジングウォーズにて親の呪縛に縛られていた時の穂香の事。


 穂香の父・大森賢士郎はPASの人体実験の影響で人格が暴走し、PASの力を蓄えねば生きれない身体になっていた。

 そんな父を救うべくゲームワールドの大いなる遺産『G-パーツ』強奪といった罪まで犯し、幾多の因果で生み出したジレンマに陥る姿は、まさに()()()()のような様であった。


 ――その情景を脳裏に焼き付けた剣、そこにまた槍一郎に廻る因果が重なり合って離れなかった。



(そう言えばそうだった……あの時穂香と戦って、勝つだけでもこんなに心が苦しい思いをした事は無かったぜ。


 ――やな経験値貰っちまったよな、穂香の親父よりもヒデェ奴が他に居ると思うと性根おかしくなりそうや……だが…………!)


 例えこの死闘が忌々しいものであったとて、剣は前よりも成長出来た事は確か。それを噛み締めて彼は桜に思いの丈をぶつけた。



「……お前んとこの参謀の言いたい事は分かった。みのりのお母ちゃんでも肝に銘じて注意はしとくぜ。


 ――だが槍ちゃんは親父からの責任とかじゃなくて、()()()()()()()()試練に挑んだんや。アイツはオフィシャルを剥奪された一年間、ずっとその思いで頑張ってきた」


「…………珍しいですわね。天野槍一郎が任務以外で熱心になられるなんて」

「何でかは俺にも教えてくれねぇけどな。それでも俺らはアイツが気が済むまで見守る事にした。それも一種の友情だって俺は思うとるからな」


 剣は史也の考えも一理ある上で、今はこの際孔雀や麗子の存在は置いて、槍一郎の試練達成を心から信じる事にしたのだった。



「だから桜、お前ももしも何かあったら……槍ちゃんの事を守ってやって欲しい。俺の大事な仲間なんだ、頼む…………ッッ!!」


 桜に向かって思い切り頭を下げる剣の、魂からの願いであった。



「…………私は貴方に恩義のある身です。剣さんがそこまで仰られて、無碍にするようなこの時実桜では御座いません。―――今度は私が剣さんの“約束”を致す番です。私の魂に賭けて……!!」


 時実桜の美しく優しい笑顔と共に、桐山剣との約束をここに誓う――!!


「……ありがとうな桜、ホンッットにありがとう!! いやぁ、こんなに頼もしい事は無いぜ……!!!」


 心からの感謝に剣は桜に硬く握手を交わす。となれば『リロード樹海』で右往左往している暇は最早無いはずだ。


「そーゆーこった。さっさとこんな迷い森抜けちまおうぜ」


 約束誓い合って意気揚々、剣と桜はリロード樹海脱出に向けて探索を始めようとしたその時――!



「はぁ〜どうしよう……私のプレイギア、何処にも見つからないよ……」



 剣らの眼前にて、森の奥から姿を現したのは緑のロングヘアーにブルーベースの巫女服を纏った女性プレイヤー。

 つまり新たなゲーム戦士が、とうとう剣たちの前に現れた!!



 果たして彼女は一体何者なのでしょうか!? 気になる所ですが、丁度読み終わりとなりました。

 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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