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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME27-6】会心の雷撃!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑


 ☆①〔フルル(みのり) HP1100 手札4枚 EG⑤〕

 装備:《聖天使の盾》※使用不可

  ②〔レーミィ(レミ) HP800 手札5枚 EG⑥〕

装備:《フレイムチェリーアロー》※攻撃不可


 ★〔ジョロキア・スパイダー HP1600 手札1枚 EG0〕

 ユニット:【蜘蛛の女王―アラクネス・スパイダーⅥ世―】AP:500 DP:800


※《攻撃封じの糸》の効果により、みのり・レミの装備武器の使用が不可。

 

 ――ギリシャ神話の伝説で、トリカブトの汁をバラ撒いて蜘蛛に転生したと知られている『アラクネー』。


 その生まれ変わりだと伝えられているユニット、《アラクネス・スパイダーⅥ世》がジョロキア・スパイダーの切り札として君臨した!


 その威圧たるや伝説級、アラクネスの発した禍々しき紫の波動を浴びたみのりとレミはたちまち毒に侵され、アメイジングは最早長期戦に持ち込む事を拒んだ。


 よって今回を持って、2VS1のアメイジング決闘・遺跡戦は決着を迎えます! 果たしてどんなフィニッシュが待ち構えるのか! ――ではッッ!!


 ▶▶▶ GAME RESTART!▽


 〔レーミィ(レミ) HP800→700〕

 〔フルル(みのり) HP1100→1000〕


 二人に迫る毒の牙、ジワジワと削られるHPがゲーム戦士の恐怖心を煽り立てる。最早躊躇をしている場合ではない。


 〔ジョロキア・スパイダー HP1100〕


「――さぁ、二人のゲーム戦士の底力ってのを私に見せておくれ!!」


 ここが正念場と確信したジョロキアも、手足が八本に生え、金色の毛で覆われ眼も真っ赤に血走った本来の姿を顕に戦々恐々と二人に挑発していく。


「うぅ……ホントに蜘蛛女って感じね、本来のあんたって!」

「ビビってる暇は無いよレミちゃん! どっちにしてもあの《アラクネス・スパイダーⅥ世》ってのを倒さないと私達に勝ち目は無いわ。ここは私が……!」


 悍ましい姿と化したジョロキアに臆することなく果敢に立ち向かうのはみのり。溜まったEGと手札を消化させるべく3枚同時にカードスキャン!!


『パーマネント・ツールカード、【エネルギーウォール】、三重(トリプル)発動(アクティベイト)!!』


 遺跡の空間に発生した3つのハイブリッドな壁、実はこのカードはEGをプレイヤーに供給できるカードなのだ。


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈パーマネント・ツールカード〉

【エネルギーウォール】EG:②

 ・属性:無 DP:500

 ・効果:このカードのDPを100減らす事で

 プレイヤー1人にEG①を加える。

 ◎――――――――――――――――――◎


「レミちゃん、この《エネルギーウォール》でEGを分けてあげるから、ジョロキアに勝つヒラメキ考えて! それまで私はこの壁で凌ぐわ!!」


「……うん分かった! このあたしにまっかせなさいっ!!」


 レミはみのりの《エネルギーウォール》からDPと引き換えに、自分のEG供給に専念する事となった。

 3枚の壁から吸収出来るEGは、壁の維持を踏まえてDP100だけ残したとしても、最大でも12も確保できる。


 またプレイヤーは無限にEGを蓄積できる為、レミは最大限に《エネルギーウォール》を活用しあっという間にEGは18へとチャージした!

 当然それを観ていたジョロキアも黙ってはいられない。


「おっと? そんなにEGを蓄えて何考えてるか知らないけど、そろそろこっちから行くよ! 《アラクネス・スパイダーⅥ世》の攻撃!!」

「ひゃあ!」


 蜘蛛女王・アラクネスの口から放つ猛毒の大針が二人に襲う! しかし辛うじて二人の近くの《エネルギーウォール》でガードした事によりダメージは免れ、壁は消滅した。


「やっぱりしぶといね。でも……」


 〔レーミィ(レミ) HP700→600〕

 〔フルル(みのり) HP1000→900〕


 蜘蛛女王の攻撃は防げても、二人を蝕む[毒]状態は情け容赦無くHPを削る。みのりに至ってはHPが三桁まで迫った所。


(どうしよう……これじゃまた毒でやられてしまう。かと言ってあたしの今の手札じゃ、あいつを討てない……!!)


 レミには5枚の手札と膨大なEG、だがこれらを用いるだけでは、残念ながらジョロキアを討つ事は出来ない手の内。

 ならばプレイヤースキル【アメイジング調合術】で混ぜようかと思ってみても、今の手札で混ぜられるカードが何なのか全く知らない。

 こりゃ参った、手詰まりだ。そんなレミの心境を鋭く見破ったジョロキアが再び動く。



「どうやらレミちゃんは私を倒せる方法が見つからないと見たね。だったらもっと悩ませてやろうか!? EGを⑤支払い、《アラクネス・スパイダーⅥ世》の起動効果を発動!!」


 悩むレミに追い打ちを掛けるとはお人が悪い……いや()()()()が悪いジョロキア。しかし決闘は情け無用の修羅場、そんな事などお構い無しに《アラクネス・スパイダーⅥ世》の起動効果。


 その効果は『毒のダメージを2倍にさせる』。よって毒に侵されたみのりとレミのダメージは更にエスカレートする!


 〔レーミィ(レミ) HP600→400〕

 〔フルル(みのり) HP900→700〕


「くうぅ……!!」


 ゲーム演出とはいえリアルな毒の苦痛に悶える二人。毒ダメージでも厳しい中で蜘蛛女王による攻撃が下されれば力を振り絞って《エネルギーウォール》でガードする。これの繰り返しだ。


(もうあたし達……ここまでなの――――?)


 ――ギュッ……!!


(み、みのりちゃん……!)


 レミよりも毒状態の苦痛に朦朧(もうろう)とするみのりが、必死に彼女の服の裾を掴んで離さない。



 まるでレミに対し、必死に【諦めないで!】と訴えていくように……



(――そうよ、諦めたって頑張りも成果も0になるだけ……あたしが絶望しちゃったら、みのりちゃんも大事な仲間も守る事が出来なくなるじゃない!!)


 〔レーミィ(レミ) HP400→200〕

 〔フルル(みのり) HP700→500〕


 毒の侵攻により二人のHPが残り僅か、特にレミはあと一回毒ダメージを受けた時点でノックアウトとなる!


(……ん、レミちゃんのPASの波動が強くなっている――?)


 ジョロキアの察する通り、レミの黄色いオーラを放つPASの波動が徐々に上昇していく。

 みのりのオーダーメイドでレミのアバター衣装を刺繍した『電子回路とヒラメキの光』をイメージしたエンブレムも、それに共鳴するように輝いている……!



「大好きなみのりちゃんと、剣くん達を今度はあたしが守るんだ……! 仲間を守る為にも、二度と『役立たず』なんて思わせるもんかああああああああ!!!!」



 ――いざとなったら魂を込めろ! 畠田レミ、黄色い波動を司る未知の頭脳回路PAS【ブラックボックス】発動!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 レーミィ(レミ)のPAS【ブラックボックス】確認。

 PASスキル【フューチャーBスキャニング】発動!!


 勝利へ導く理想の手順を脳内に映し出す!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 PASスキル発動から僅か0.005秒の出来事、レミは焦りと不安を打ち破った先に悟った無機質な思考回路へと誘われる。

 そして彼女の脳内思考に今現在の手札、プレイヤースキル、フィールド状況を高速分析した上で、自分が何をすれば勝てるのか。その未来をビジョンして答えを導き出していった!


「……分かった、これだ!!」


 毒のダメージ処理まで残り5秒。疾風の如くレミはプレイヤースキルを発動。


 ◎――――――――――――――――――◎

 プレイヤースキル【アメイジング調合術】発動!

 ◎――――――――――――――――――◎


 5枚の手札のうち《メディスンチェッカー》と《癒やしの清水》をミックスさせて出来上がったカードを迅速にカードスキャン!


『アクションカード、【アブノーマルシュウセイ】!!』


 レミを中心にスキャンソナーの周波が広がった、そしてその直後に劇的な変化が二人に起こった!


「……あ、あれ? 身体が楽になった!」


 みのりも先程まで苦しがっていたのに、その痛みが嘘のように消えて呆気にきょとん。

 それもその筈、二人のステータスに[毒]状態は消えていた!


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【アブノーマルシュウセイ】

 ・属性:無 EG:④


 ・効果:自分と他の味方プレイヤー・ユニットの

 状態異常をリセットする。

 ◎――――――――――――――――――◎


「まだまだ、とっておきはこれからよ!!」


 レミは残り3枚の手札のうち1枚を再びカードスキャン!


『アクションカード、【エクスチェンジ・サモナー】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【エクスチェンジ・サモナー】

 ・属性:無 EG:⑤


 ・効果:自分の手札を任意の枚数に墓地に捨てる。

 その後自分の捨てたカードのEGと同じ数値のカードを

 デッキから発動する。

 ◎――――――――――――――――――◎


「あたしが手札に捨てるカードは2枚。《ステューパー・ハンド》のEG③と、《プロテクターベール》のEG④、よって合わせてEG⑦のカードをデッキから発動するわ!!」


 《エクスチェンジ・サモナー》によって手札から墓地に捨てた2枚のEGを合わせたEG⑦のカードをデッキから呼び寄せたレミ。そのままEGは支払わずに三度カードスキャン!!


『ユニットカード、【雷を司る者―ライディー・カヅチ―】!!』


 発動コールが鳴り響いたその刹那、


 ――――SMAAAAAASH(ドォォォォォォォン)ッッ!!!!


「「きゃあ!!」」


 突如遺跡の天井を貫通し、稲妻の爆音と共に現れたユニットにみのりもレミも飛び上がって驚いた。しかしもっと驚くべきはレミの召喚したユニットの姿。


 その出で立ち見るならば、黒い雷雲に乗り筋骨隆々のボディと二本角を生やし、その背後には半円に連なる太鼓をかざしたその姿はまさしく『雷様』。


【GAME15】でレミが入手したハイパーレアカードは、雷神の力を司る強力なユニットだったのだ!


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ユニットカード〉

【雷を司る者―ライディー・カヅチ―】EG:⑦

 AP:800 DP:500 AS:15

 属性:黄 ユニット/エレメンタル/ヒーロー


 ・能力:このユニットが召喚した時、

 全ての相手プレイヤー・ユニットは[麻痺]

 状態となる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「AP800だって!? なんて馬鹿力なんだい、それに……」


 ジョロキアが驚く間もなく《ライディー・カヅチ》の召喚効果が発動された。


「《ライディー・カヅチ》の効果! あんたと《アラクネス・スパイダーⅥ世》を[麻痺]状態にする!!」


 ――バチバチィッ!!


「うっ……!」


 雷神ライディーの手先から放つ電磁波が、相手とユニットの動きを縛る[麻痺]状態にさせていった!! これによりプレイヤーはカードの発動・攻撃は制限され、ユニットは行動そのものを束縛される!


「これで蜘蛛の女王様にブロックされる心配も無くなったわ! さぁ覚悟しなさい!!」


 《ライディー・カヅチ》に下す攻撃コマンド、貫通して穴の空いた遺跡の天井から吹き抜ける空が突然暗くなり、ゴロゴロと鳴り響く雷雲がその攻撃の前兆を顕にする……!


「脳天も吹っ飛ぶ雷をくらえーー!!! 『イエローサンダー・ライディーン』!!!!」


 黒い空に(へき)(れき)をも呼び起こす黄色い雷が、木漏れ陽を指すように天井突き抜け遺跡に降り注いだ!!



 ――――THUNDEEEER(ズガァァァアアン)!!!!



「ああああああああああああああああ!!!!!!」



 〔ジョロキア・スパイダー HP1600→800〕


 強烈な雷撃に燻ぶるジョロキア。吸収したエネルギーが彼女を命拾いさせたが、[麻痺]状態になった身体でカードは振るえずユニットも行動出来ず、形勢は一気に逆転された。


「うぅ……なんてこった、あっという間に劣勢じゃないか……だが!」


 王手の状況になっても不敵な笑いを込めるジョロキア、その理由は1枚の手札にあった。そのカードとは……


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【メガエナジー・ドレイン】

 ・属性:黒 EG:⑥


 ・効果:全ての相手プレイヤーを対象にする。

 対象にしたプレイヤーは500ダメージを与え、

 自分はその分HPを回復する。

 ◎――――――――――――――――――◎


(これは《エナジー・ドレイン》の全体対象版だ。これでみのりちゃんもレミちゃんも纏めて吸収し尽くす事が出来る! あとはEGが②溜まれば詠唱、私の勝ちだ。さぁこれで今度こそお終いにしてやる!!)


 既にフィニッシュカードを控えていたジョロキア。このままでは二人が危ない…………と、思いでしょうが。



 ―――皆さん、肝心な事を忘れてませんか?



 戦いの瀬戸際でカードや状況の説明をした時は、【フラグ】で有る事を!!!




「……EG⑥で発動! アクションカー」



「《フレイムチェリーアロー》必殺技!!!」



「…………え!??」


 ジョロキアがアクションカードでフィニッシュを仕掛けようとしたその刹那、レミは《攻撃封じの糸》で封じられた筈の武器カード《フレイムチェリーアロー》の必殺コマンドを既に発動していた状態であった!!



(……しまった、もう発動から2分経過してたか!!)



 時間経過で使用が解禁された炎の弓矢を逃げようとするジョロキアだが、[麻痺]によって身体が動けない状態であった。そして……


「……うん、完敗だ! やっぱりゲーム戦士は凄いよ!!」


 逃げる事を諦めたジョロキアに、炎の矢がフィニッシュをもたらす!!


「知恵比べはあたしの勝ちね、ジョロキア・スパイダー!! ――――『紅蓮狙撃(クリムゾンスナイプ)!!!」


 ――――バシュュュュュン!!



 〔ジョロキア・スパイダー HP800→0 KNOCKOUT!〕



 炎の貫通必殺が、ジョロキアの腹部に貫き通して弱点かつ決め手のジャストキルを達成!!

  今回もグッドゲーム、際どさ転じてシャッフルオールスターズ・みのり&レミの勝利!!!



「――――や、やったぁぁぁぁぁ……!! あたしが、みのりちゃんを守ったんだあああああああああッッッ」



 ▶▶▶ REMI HATAKEDA WIN!!▽

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