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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME27-4】友情のハートペンダント!!

――TIPS――

【ジョロキア・スパイダー/アメイジングステータス】

・HP1200 属性:黒 弱点:赤


・ユニットスキルによるステータス変化

【蜘蛛の領域】

 フィールドに蜘蛛の巣を張って

 フィールドカードの効果を無効、回避率アップ。

【蜘蛛の執念】

HPが500以下の時、『スパイダー』属性のユニットのDPが300アップ。

【免疫力】

自分は状態異常になりにくくなる。

 

 〔レーミィ(レミ) HP200〕

 〔フルル(みのり) HP1200〕


 〔ジョロキア・スパイダー HP1600〕


 ――毒沼フィールド《ヴェノムプール》の魔の手が、みのレミコンビに迫る!


 更に言うなればHP吸収カードの《エナジー・ドレイン》を受けてしまったレミは瀕死寸前。

 対してみのりは、それを目の当たりにした事で戦慄もするが、それよりも何よりも先にやるべき事は唯一つ。


「待っててレミちゃん、今回復してあげるから!!」


 とみのりは疾風の如くにカードをスキャンした!


『アクションカード、【メガリカバリー】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【メガリカバリー】

 ・属性:桃 EG:④


 ・効果:プレイヤー1人を対象に

 HPを700回復する。その後自分はカードを1枚引く。

 ◎――――――――――――――――――◎


「対象は勿論レミちゃん!!」


 躊躇いも無く、即座にみのりは暖かな桃色の回復エネルギーを手のひらに蓄積させ、そのままレミにぎゅーっと抑え込むように、彼女の身体に回復エネルギーを埋め込んだ。

 するとどうだ、膝を落としていた身体は嘘のように軽くなり再び毒沼の地から立ち上がったレミ。

 例えるならこの回復エネルギー、お母さん特製のお味噌汁を飲んで元気になった感覚に似てるんだとかとか。


 〔レーミィ(レミ) HP200→900〕


「ふぅ……助かったぁ、ありがとうみのりちゃん!」


 レミの感謝にみのりの親指サムズアップ。それを傍観するのは体力有り余って有利になったものの、EGが尽きて出すカードが無く、往生していたジョロキア・スパイダー。


(うーん……中々粘るね、特にみのりちゃんの方。ダンジョン踏破の報酬よりも、よっぽど友達を勝たせたいみたいだし、こうなると私もちょっとやりづらい気がするけど……これもダンジョンの番人の役目だから仕方無いかな)


 報酬目当てでダンジョンに挑む為でも、アイテム収集の為でもなく、ただ純粋に勝ちたい気持ちで戦っているみのり達を察してジョロキア。何を考えたか一旦アメイジングの決闘の刻を魔力放って一時的に停止した。


 〔アメイジング・バトル 一時停止〕


 みのりとレミは宙に出現したクリアーウィンドウを確認し、半ば目が点になりながらジョロキアに問い質す。


「……どうして決闘を止めたの?」

「そうよ、まだゲームは終わってないのよ!」


 説明を求めんとする二人にジョロキアは応えた。


「いや大した事じゃないよ、二人共何処ぞの欲まみれなプレイヤーよりも芯がしっかりしてて、何となく気になったからさ。それとレミちゃんも!」

「……あたし?」


「あんた、私に煽られてムキになって戦ってるようだけど、心の底じゃ仲間に『役立たず』と呼ばれるのが嫌で躍起になってるだけじゃない?」


「……!!」


 またしてもジョロキアに見透かされたレミの本心。『スマッシュ・ブレイカーズ』での不甲斐なさがトラウマになっている故に、ユニットにはその心の弱さを指摘されやすいのか。


「仲間を持って協力プレイとかになるとどうしても責任持つからね。だけどあんたはそれにドジって失敗に過剰に敏感になってる。今の仲間は違うだろうけど、あんたは多分前の友達関係でいじめにでもあったんじゃないの?」

「そ、それは……!!」


「ジョロキアさん」


 レミの忌まわしき過去を掘り起こそうとするジョロキアに、真摯かつ心做しか圧の掛かった声でみのりはそれを遮った。


「話の途中で申し訳ないけど、停止時間暫く伸ばしてくれない? 今度は私がレミちゃんと話したい事があるから」


「……良いよ、認める。でも最大でも3分ね」

「ありがとう、それで充分」


 ジョロキアの話を中断させたみのり。今度は彼女がレミと話をしたいと停止延長を承諾し、内に秘めた本心を暴露されたレミに寄り添う。


「……何よ、みのりちゃんもあたしの事『役に立たない』って思っ――」

「そんな事、私も剣くんも他の皆も言わないし、誰も思ってないのはレミちゃんが一番分かってるでしょう?」


「…………うん」


 心が混乱してネガティブになったレミを落ち着かせるみのり。すると彼女は、プレイギアから何かのアイテムが取り出された。


「……レミちゃん、このペンダント覚えてる?」


 取り出したるアイテムはハート型のチョーカー、ピンクの小さなハートに、ブリリアントカット型にコーデされた煌びやかなデザイン。


「……忘れるわけ無いよ! 一年前の『ハートフルジェンガ』で貰った【ハートフルペンダント】!!」


 そう言ってレミもプレイギアから全く同じのペンダントを取り出し証明した。

 二人共お揃いのペンダント、特別にゲームで効果があるアイテムでは無いが、実は……



 一年前、レミがシャッフルオールスターズに加入して間もない頃、みのりはレミと仲良くなりたいと思い、一緒にやれるゲームを見つけたのが『ハートフルジェンガ』。


 ブロックを抜いて、合コンさながらのお題をパスして積み上げるジェンガに二人はすっかり意気投合。

 同時にレミもいじめの過去から克服し、友達と仲良くゲームをする楽しさを再認識されたのでした。


 ※『極限遊戯戦記』EX-STAGE③参照。読者の皆様方から大変高評価を得た名作なので是非読んでね!



「――レミちゃんと私でジェンガやってた時物凄く楽しかったでしょ? 『役立たず』とか『使えそう』とか打算的な事なんか一切抜きで、友達になりたいって思ったから楽しい気持ちになれたんだよ」

「…………」



「私だって、今でも実力不足で剣くんや皆に散々気を遣われてるよ。それでも私は、私に出来る事を精一杯やって貢献できた。

 ――もしレミちゃんがこのままじゃ嫌だって思うなら……レミちゃんは()()()()()()()()()()?」


「………………あたしは――――」


 レミは我々やジョロキアには内緒に、みのりだけ耳打ちで本心を打ち明ける。そしてみのりは満身の笑みで応えた。


「……うん! それでこそレミちゃんだよ!!」


 みのりとレミ、二人きりの話し合いは終わった。3分どころか1分しか経っていない話であったが、レミの表情からは、迷いから完全に吹っ切れた清々しい顔になっていった。


「終わったみたいだね。じゃ決闘再開するけど、準備はいい?」


「「……いつでもッ!!」」


 準備万端、気合も万端。みのりとレミの意気込みがスタートの合図となりてアメイジングの刻が動き出す……!


 〔アメイジング・バトル 再開〕


 アメイジングのリアルタイムバトルは再起動。それによって再びみのりとレミの足場の毒沼がジワジワと蝕んでいく。

 だが丁度両者にカードを1枚手札に加える時間になった所で、真っ先に動いたのは、


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・レーミィ(レミ)のプレイヤースキル

【アメイジング調合術】発動!


 手札のカード達をミックスミックス!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 みのりの鼓舞で明らかに動きが変わったレミ! 手札に温存していた《クリアーステータス》《フィールドスキャナー》とアクションカードなる2枚を消滅させて、新たな1枚が加わった。

 その加えた1枚を、レミはそのままブレスにスキャン!!


『アクションカード、【フィールド・リターン】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【フィールド・リターン】

 ・属性:無 EG:④


 ・効果:場に展開するフィールドカードを全て

 消滅し、本来のフィールドに戻す。

 ◎――――――――――――――――――◎


 すると摩訶不思議、毒々しい紫の毒沼から瞬時に消滅し、元の遺跡の湿った空間に元通りとなった。これにはジョロキアも一驚する。


「毒沼が消えた……!? レミちゃん、あんたそんなカードをデッキに入れてたの!?」



「入れたんじゃないの、()()()()()()()()!!!」



 さぁさぁ、迷いを断ち切った畠田レミにもう誰も止められるものは無し!! 自分らしく戦う為に、ブラックボックスは戦場に閃く!!



 ――本日のゲーム、これまでッッ!!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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