【GAME27-3】防御×道具VS毒×吸収!!
――TIPS――
【レーミィ(レミ)・アメイジングステータス】
・HP1300
・アバター装備によるステータス変化
・頭『分析メガネ』【敵のステータスの一部を見れる】
・上半身『アカデミックな服上』【HP+300】
・下半身『アカデミックなズボン』【状態異常発生率低下】
・装飾品『防衛の刻印』【40%の確率でダメージ半減】
・使用プレイヤースキル
【ステータススキャン】・【ツールの有効活用】・【アメイジング調合術】
・PAS:『ブラックボックス』
――さて、ここで読者の皆様に問題です。『上は蜘蛛糸、下は毒沼』な~んだ?
「なぞなぞ!?」
「てか呑気な事してないで、普通に語りやれば良いでしょ!?」
だってぇ、普通に語るのもつまんないですもの。たまには読者の皆様に洒落た会話の一つやふた――
「「毒沼に足突っ込んでるのに洒落てられないわよッッ!!!!」」
……確かに、そー言われてみればそうか。
まぁ早い話が、みのりとレミが相手しているユニット『ジョロキア・スパイダー』が、フィールドカード《ヴェノムプール》なる毒沼フィールドを張った為に二人は動揺してるという話。そのカードの効果はと言うと、
◎――――――――――――――――――◎
<フィールドカード>
【ヴェノムプール】EG:④
属性:黒
効果:10秒に1回、フィールドの
全プレイヤー・ユニットに
HP・DP100ずつ減少させる。
◎――――――――――――――――――◎
じっとしてればジワジワと体力を削ぎ落とす危険な毒沼フィールド。
これでは小型のユニットは出してまもなく墓地送り、プレイヤーもモタモタしてたら御陀仏南無三。なんて言っている側から……
〔レーミィ(レミ) HP1200→1100〕
〔フルル(みのり) HP1600→1500〕
〔《炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―》DP300→200〕
十秒経過で二人とそのユニットの体力が削がれていく。しかしここで疑問が一つ。
「ちょっと待って? ジョロキアとそのユニットの体力は減ってないよ!?」
レミの仰る通り、クリアーウィンドウに記されてるのはみのりとレミのステータス変動。
対して《ヴェノムプール》は敵味方関係なく全体に影響を及ぼす効果で、何故ジョロキアだけ影響されないのか……?
「……恐らくあの空中で張り巡らした蜘蛛の糸のせいかも」
みのりが指し示すのは空間の壁・空中に張っている無数の蜘蛛の巣。これはジョロキアのユニットスキルの一つだ!
◎――――――――――――――――――◎
・ユニットスキル【蜘蛛の領域】発動!
フィールドに蜘蛛の巣を張って
フィールドカードの効果を無効、回避率アップ!
◎――――――――――――――――――◎
毒沼の床は宙の糸に登って、軽々スルーしていたジョロキアとそのユニット。自分だけ糸登っている為に劣等感を感じたレミがまたまた怒る。
「あー! こんなスキルで毒沼をスルーするなんてズルい!!」
「何言ってんの。自分で仕掛けた罠を自分もハマるほど私も間抜けじゃないわよ。悔しかったら自分で這い上がってみてよ!」
「言ったな! 見てなさいよ、こんな糸あたしも登ってやるわ!!」
軽い煽りを諸に受けて自分も糸を登ってやろうと躍起になるレミ。
「ぬーーー、むぎゅッッ」
だが哀しいかな蜘蛛と人間では張り合いが合わず、細い糸でバランスは取れずに即座に転倒尻もち。
「止めといたほうが良いよ、この糸は蜘蛛ユニットしか渡る事が出来ないんだからプレイヤーは使えない仕組みになってるの!」
「なにぉぉおおおお!?」
『それなら早く言えよ!』と言わんばかりに苦虫を噛むレミ。そこへようやく喋る暇あって割り込んだのはみのり。
「レミちゃん! こうなったら私達のカードで毒沼を脱出するしかないよ!!」
みのりの鶴の一声にようやく冷静さを取り戻したレミ。更に二人のステータスも再び毒地獄によるHP削減が進行中!
〔レーミィ(レミ) HP1100→1000〕
〔フルル(みのり) HP1500→1400〕
〔《炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―》DP200→100〕
「ヤバッ、ユニットももうすぐ墓地送られんじゃん! やられる前に効果を!!」
「分かった!!」
みのりが咄嗟にユニットのコマンドでEGを③支払い、効果を発動させた!
「《炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―》の効果! 相手のAP100以下のユニットを一体破壊する! 対象は《縄張りの蜘蛛》!!」
対象に取られたジョロキアの《縄張りの蜘蛛》。丁度APは100、それにワーウルフの口から放つ火炎弾が直撃し、破壊された。
「そのままジョロキア・スパイダーにダイレクトアタック!!」
《フレイム・ワーウルフ》は飛びかかり、獣の鋭い爪がジョロキアに容赦なく引き裂かれた!
〔ジョロキア・スパイダー HP1400→1000〕
「いてて……ワーウルフの除去効果の事すっかり忘れてたよ。でももうこれで力尽きたかな」
十秒経過の《ヴェノムプール》の効果……
〔レーミィ(レミ) HP1000→900〕
〔フルル(みのり) HP1400→1300〕
〔《炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―》DP100→0 KNOCKOUT!〕
毒沼の効果でみのりのユニットはとうとう力尽き、墓地送りとなった。
「おっとユニットの心配してる暇は無いよ! カード詠唱、アクションカード【エナジー・ドレイン】!!」
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【エナジー・ドレイン】
・属性:黒 EG:⑤
・効果:相手プレイヤーかユニット一体を対象にし、
対象にしたプレイヤーの手札の枚数分
×100ダメージを与え、自分はその分HPを回復する。
◎――――――――――――――――――◎
「つまりは私が選んだプレイヤーの手札の枚数分、私のHPを増やすカードだよ! 対象は、畠田レミちゃん!!」
「あたし!?」
ジョロキアがレミを対象にしたのは、二人の中でHP数値が低い事に加えて、手札の枚数の多さで判断した事だ。何故ならレミの現在の手札枚数は6枚! したがって……
「《エナジー・ドレイン》の吸収量は600! その分HPを吸い取らせてもらうよ!!」
――すると刹那に我々には予想だにもしない事が起こった!
ジョロキアの腹部背面から蜘蛛の触手が出たかと思えば、その矛先をレミの身体に突き刺し、そこからレミの養分を吸い取っているではないか!
「ひぃッ!? ……く、ううぅ……ッ!!」
「レミちゃん!!!」
〔レーミィ(レミ) HP900→300〕
〔ジョロキア・スパイダー HP1000→1600〕
《エナジー・ドレイン》によって勢い良くエネルギーを吸収されて苦悶の表情を浮かべるレミ。
そして吸収し終わった頃には、急激な体力消耗でガクッと腰を降ろした。これが俗に言う『リョナ』って奴でしょうか!?
「さて……後は毒沼のダメージで絶えるだけだね。レミちゃんが倒れた後は……みのりちゃんの番だよ」
(――――レミちゃん……!)
容赦ない毒と吸収の連鎖にレミは翻弄され、それにみのりが戦慄の表情を浮かべる。このままでは毒沼でHPが尽きるのを待つしかない。
〔レーミィ(レミ) HP300→200〕
〔フルル(みのり) HP1300→1200〕
刻一刻と毒の魔が迫る! 危うしみのりとレミ!! 本日のゲーム、これまでッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




