【GAME27-2】蜘蛛が毒沼に巣を張る時!!
――TIPS――
【フルル(みのり)・アメイジングステータス】
・HP1700
・アバター装備によるステータス変化
・頭『魔除けのティアラ』【状態異常・無効率アップ】
・上半身『光天使のドレス上』【HP+700】
・下半身『光天使のドレス下』【ステータス低減・無効率アップ】
・装飾品『命の珠のペンダント』【即死効果無効】
・使用プレイヤースキル
【ライフ・スワップ】・【ド根性】・【癒やしの施し】
・PAS:なし
――ダンジョンの締めにはボスとの決闘! アメイジング勝負、みのり&レミVSジョロキア・スパイダー!!
〔レーミィ(レミ) HP1300〕
〔フルル(みのり) HP1700〕
〔ジョロキア・スパイダー HP1200〕
しかし開始早々ジョロキアから放つ波動からは陰湿な黒いオーラ、しかも蜘蛛の形をしたユニットスキルの凄まじさが物語っている。
はたしてこれは決闘にどのような影響を及ぼすのか。先ずは序盤構成、とくとご覧頂こう!
(一応あたしには既に《フレイムチェリーアロー》が装備されている。だけど使える矢は3本、火は蜘蛛の弱点とはいえ撃つには勿体ないわ。ここはみのりちゃんの力でガードを固めておこう)
対してみのりは、
(レミちゃんには炎の弓矢がある。多分温存するだろうし、私に出来る事はレミちゃんを守る事! これしかないわ)
レミの思惑にみのりも自分が何を行動するべき事か自然に理解していく。
仲良しこよしは、話さなくとも通じ合う以心伝心のようなものがあるのでしょうか。ともあれ先に動いたのはみのりだ!
「まずは私から! ユニットを召喚!!」
『ユニットカード、【ガーディアンエンジェル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈ユニットカード〉
【ガーディアンエンジェル】EG:②
AP:50 DP:300 AS:5
属性 白 ユニット/ヒューマン
・能力:なし
◎――――――――――――――――――◎
能力は無いがコストはお得でガードも高い。羽を生やして盾を持って主をお守りする《ガーディアンエンジェル》の登場だ。
「おっと、展開が早いじゃない。だけど私も負けてらんないよ!」
と負けじと応戦するはジョロキア、ユニットはブレスでカードを発動せず、浮遊するカードを掴んで詠唱する。
「アクションカード、【横暴な欲望】!!」
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【横暴な欲望】
・属性:黒 EG:②
・効果:相手ユニットのDPを200減少させ、
自分はHP200回復する。
◎――――――――――――――――――◎
「私は《ガーディアンエンジェル》のDPを200吸い取って、その分HPを200回復させるよ」
〔《ガーディアンエンジェル》DP300→100〕
〔ジョロキア・スパイダー HP1200→1400〕
「ユニットの防御力を吸い取って回復した……!?」
フィールド上のユニットはDPが0にならなければ破壊は免れるが、減少したDPはこの数値のまま留まる。
対してジョロキアのHPは初期数値を超えたのですが、実はアメイジングで戦うプレイヤーのHPに上限は無し。なので初期数値を超えて回復するのだ。
「まだまだ行くよ! ユニットカード、【縄張りの蜘蛛】!!」
◎――――――――――――――――――◎
〈ユニットカード〉
【縄張りの蜘蛛】EG:③
AP:100 DP:400 AS:5
属性 白 ユニット/ヒューマン
・能力:このユニットは攻撃できない。
◎――――――――――――――――――◎
続けてジョロキアが詠唱したのはユニットカード、それも同じ蜘蛛のユニットで《縄張りの蜘蛛》は自分の貼った蜘蛛の巣を盾でコーディングして守りを固めているではないか。何気に図々しい。
(そうでなくても私の《ガーディアンエンジェル》より攻守共にステータスが上、しかもDP弱体してるから思うように動けないわ……)
先程のアクションカードで防御力が低下したみのりのユニット。無闇に攻撃しては盾の意味が無くなってしまう。
「大丈夫だよみのりちゃん! あたしがユニットをパワーアップしてあげる!!」
名乗り出たのはレミ、温存したEGを消費させてカードスキャン!!
『ツールカード、【レベルアップバトン】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈ツールカード〉
【レベルアップバトン】
・属性:無 EG:⑤
・効果:ユニット1体を対象にする。
対象にしたユニットのEGが②上の
ランダムなユニットに変化させる。
◎――――――――――――――――――◎
レミが召喚したのは何とも杖先のデザインが奇抜で妙ちきりんな《レベルアップバトン》。
これをみのりの《ガーディアンエンジェル》に対象にする。
「強くな〜れっ! えいッッ!!」
杖を一振りユニットに煙を撒かせてどうなったか、目を凝らすならばあーら不思議!
天使ユニット転じて、炎の狼に早変わり!! こりゃどうなってるんでしょ!?
◎――――――――――――――――――◎
〈ユニットカード〉
【炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―】EG:④
AP:400 DP:400 AS:10
属性 赤 ユニット/ウルフ
・能力:EG③:相手ユニットのAP100以下の
ユニットを1体破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
「ふっふーん。みのりちゃんのEG②の天使を、この杖で更にEG②上げたランダムなユニットに変身させてやったのよ! 別のユニットになれば、ダメージで低下したDPもリセットされるもんね。
――これぞレミちゃんの、ユニット変形マジックで御座ーい!!」
「レミちゃんスゴーーイ!!」
ご自慢のツールカードですっかり得意気になっちゃってるレミ。しかし防御転じてパワー型に変身したことで二人が断然リードに立った!
(ありゃ〜こりゃ参ったわ。みのりちゃんがユニットでガードを固めているうちに、後衛で控えているレミちゃんのツールカードでサポートするスタイルか……こりゃ二人共本気で勝ちに来てるね。
特にみのりちゃんの方は、友達を勝たせたい気持ちで一杯のようだし)
ジョロキアは人よりも心の内を見透かすのが上手いようで、戦いにおいて二人各々の心境を分析しつつ改めて意思の表れを知る。そしてジョロキアは言った。
「スゴイね二人共! まだ一分しか経ってないのに抜群のコンビネーション。あんたらの仲の良さは充分分かったよ。プレイングもセンスもキャラの構成力も並大抵のプレイヤーなんかよりも格上だ、甘く見ていたのは私の方かもしれないね」
ゲームが始まったばっかりだと言うのに、いきなり相手を称賛するジョロキア。これにはみのりもレミも目が点になる。
「あ、ありがと。一応二年くらい主人公やってるし……」
「なぁに、急にそんな事言うなんて。観念してサレンダーする気にでもなったの? 滅茶苦茶早いけど」
「うんにゃ? そんな訳ないじゃない。私だって十二分くらい勝ち目がありそうだからね。アメイジングで勝負を決める要素なんざ、数え切れない程あるだろうけど私のはズバリ単純明快。
――――あんたら二人を餌食にするには相性が良さそうだもの……!!」
「「―――!?」」
お気楽な言動から隙間を掻い潜って二人に見せた黒い感情。その間にジョロキアは3枚目のカードを詠唱した!
「フィールドカード、【ヴェノムプール】!!」
詠唱唱えたその刹那、暗く湿っている窮屈なフィールドから、徐々にグツグツと煮えたぎるような音がしてきたと思いきや、辺りが苔の色から毒々しい紫の沼を発生させた!
これではダンジョンの遺跡があっという間に毒沼になってしまうでは無いか!!
「そうだよ、このカードは毒沼を呼び起こすフィールド!! その証拠にほら……!」
何かを示すようにジョロキアの指す指先には突然現れたクリアーウィンドウ。その内容は、
〔レーミィ(レミ) HP1300→1200〕
〔フルル(みのり) HP1700→1600〕
〔《炎のたてがみ ―フレイム・ワーウルフ―》DP400→300〕
((私達のHPが減っている……!!?))
何と沼地の毒に足を踏み入れているみのりとレミ、そしてユニットの体力が減少しつつあった!
しかし、ジョロキアとそのユニットは影響を受けていないようだが……!?
「フフフフ……毒沼に巣を作った蜘蛛は、プレイヤーが苦しむ姿を前菜にして頂くのがグルメってものさ!!」
毒沼に一切触れず、いつしかその上に網目状の蜘蛛の巣を張り巡らせて二人がジワジワ受けるダメージを傍観するジョロキア。黒い蜘蛛の毒地獄は、もう既に始まっていた……!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




