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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME25-2】抗う嵐のゲーム戦士!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑

 ☆〔ゲイル(槍一郎) HP400 手札2枚 EG⑤〕

 装備:《トライデント》

 ・ユニット《スピーダーランサー》《自然の工芸人》《氷塊》×8

 ・パーマネント・ツールカード《絆を紡ぐエール》《上昇気流》


 ★〔ブリザードクイーン HP1100 手札2枚 EG④〕

 ・ユニット《霧氷輝龍―グレイシャー・ホワイトドラゴン―》


※《上昇気流》の効果により、全フィールドに存在するプレイヤー・ユニットは[フライヤー]を得る。

 

 ――いざとなったら魂をかけろ! 極寒の風に煽られ吹雪地獄に耐えきれなくなった槍一郎は、とうとう自分のプレイヤーの魂・PASを発動させるまでに至った。


 雪女・ブリザードクイーンが起こす風が絶対零度の冷気ならば、槍一郎のPASは荒れ狂う嵐の風。


 その暴風を彼の周囲に纏わせることによって吹雪をも遮断させるバリアの役割を果たす。これぞまさしく槍の魂から『嵐を呼ぶ男』! おいらはドラマ……ってちょっと古すぎますかね?


「なる程凄いじゃないの。PASの能力があれば風をも味方に付けて戦えるのね、友達はそんなに居なさそうな癖に」

 ちょっ……雪女さん、幾ら憎々しかろうとも最後のは我々にもダメージが来ますよ……


「あら失礼。でも幾らPASの力が強かろうとも()()()()()()()には縛られてくれるんだもの。私にとっては都合の良い遊び相手だわ。さぁ寒がってないでさっさと掛かってきなさい!!」

「言われなくても、そのつもりだ!」


 何はともあれPASのお陰で外部からの被害は免れた槍一郎。だがPASは強大なパワーを消費する為、長時間の使用は危険を伴う。それまでに今の危機的状況を打破する手立てを思考せねばならない。


「30秒経過で手札を1枚追加だ!」


 槍一郎のブレスのウィンドウ、雪女の浮遊するカードから時間経過によるルールで手札が1枚追加された。そして槍一郎はウィンドウから追加したカードを確認する。


(……このカードが来たか。だが、あのドラゴンによる凍結能力を使われたら使用の意味が無くなる……)


 槍一郎はカードの使用を躊躇う。何故なら雪女の切り札ユニット《霧氷輝龍―グレイシャー・ホワイトドラゴン―》の存在が、カードの展開を阻む事を危惧しているからだ。


 霧氷輝龍の効果、EGを③消費してユニット1体を対象にして30秒間行動・攻撃不能にする事は、時にカードの畳み掛けをも遮断してしまう恐ろしい効果。

 それを理解していた槍一郎は自然と警戒を強めながら、カードは使わずに攻撃の構えを取る。


「――僕は今からユニットで攻撃に入る。何かする事はあるか? ブリザードクイーン」

 それに対してブリザードクイーンは、


「ならばEGを③払って《霧氷輝龍―グレイシャー・ホワイトドラゴン―》の効果。《自然の工芸人》を30秒間凍結させるわ」


 ―――ヒュウウウウ…………ドサッ


 輝龍の翼の羽ばたきで空気凍結された《自然の工芸人》。すると行動不能になった事により[フライヤー]も無効になったユニットは真っ逆さまに地上に突き落とされた。


「………それだけかい? 残り①のEGでカードは使わないのか?」

「えぇ残りは温存ならぬ()()。万が一って事もあるし、さぁ早く攻撃してきたら?」


 などと冷たい冗談も混じらせ雪女は抵抗の意もなく相手に促す。と思いきや。


「いや、僕も攻撃は止めておくよ。ただし…………」


 攻撃コマンドを仕掛けない事に決めていた槍一郎はブレスのカードデッキから1枚引いて発動を試みるも、罠の疑惑にその手を止めて躊躇する。


(彼女がEGを消費した今ならカードを使う機会がある。……だが、EG①でも対応し得うるカードは幾らでもある。しかしそれもフェイクかもしれない。

 ただここで迷っても、次第に彼女のEGはまた増えて凍結能力を使ってくる…………仕方ない。危険な賭けは速い方が痛くない!)


 やらない賭けよりやる賭けに出るのが得策と考えた槍一郎、止めた指先に再びカードを引いてそのままブレスにスキャン!


『ユニットカード、【聖なる泉の僧侶】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <ユニットカード>

【聖なる泉の僧侶】EG:②

 AP:0 DP:100 AS:10

 属性:緑 ユニット/ナイト

 効果:①このカードはツール・アクション

 カードの効果を受けない。

 ②自分がツールカードを発動する度に

 デッキからカードを1枚引く。

 ◎――――――――――――――――――◎ 


 非力なステータスに反して自他のツール・アクションカードの効果に影響を受けず、更に自分がツールカードを発動する事でカードを1枚加えられる実に便利なユニットだ。それに加えてもう1枚スキャン!


『カスタム・ツールカード、【防色の魔法陣】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【防色の魔法陣】EG:②

 AP(攻撃力):100 PP(使用回数):10

 属性:黄 装備:ユニット

 ・効果:このカードに装備したユニットは

 自分が選んだ色の属性カードに対する

[セーフガード]を得る。

 ◎――――――――――――――――――◎


[セーフガード]とは対象になるものに対して三つの付加能力を得る。

 ①能力や装備の対象にならない。②ブロックされない。③受けるダメージを全て0にする。

 三つの保険を適用する最上級の防御を得られる能力なのだ。


「これを《スピーダーランサー》に装備! 僕はこのツールに【氷青】属性を選び、霧氷輝龍に対して防御効果を得る!」


 なる程これなら霧氷輝龍の凍結も受けない! 現在戦力となる《スピーダーランサー》にそれを装備させて『氷青』属性の[セーフガード]を得た。

 更に《聖なる泉の僧侶》の効果で槍一郎はカードを1枚ドローする。


「粘り強いのねぇ坊や。――――でも残念ね」


 抗う槍一郎に雪女はその牙を研ぐ。宙に浮かぶカードを1枚手に取って詠唱する。


「EG①でカードを唱えるわ。――アクションカード、【雪崩】!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【雪崩】

 属性:青 EG:①

 ・効果:フィールド上の『氷塊』

 の数×100ダメージをユニットに与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


「な、3枚目!??」


 何と今まで雪女が小型のユニットなどを出さなかったのは、初手から火力カードの《雪崩》を3枚も待機させていたからであった! 何という積みゲー……あ、いやいや何と運に憑かれた手札であろうか!?


「《雪崩》で《スピーダーランサー》にダメージ・破壊!!」


(マズイ……! 《雪崩》の属性は()、装備したカードは()()だから対象にならない!!)


 ブルーとアイスブルーでは色合いはエライ違い。その死角に刺された《スピーダーランサー》は、何故か空中から大きな雪崩に巻き込まれてそのまま破壊された。


「だけど同時に墓地に送られた《防色の魔法陣》はツールカードだから、《自然の工芸人》の効果でカードを引くよ。ユニットの永続効果は凍結されても起動するからね」


 破壊されても連携し合う保険で1枚の宝札が槍一郎に宿る。……しかし『空中で雪崩』とは、リアルに書かれるとこうもシュールな描写だねこりゃ。


「そんな冗談言っている場合かしら? 見なさい、坊やの盤面を」


 あ、そうでした! 主なアタッカーやディフェンスを失った槍一郎、残すは《聖なる泉の僧侶》と8つの『氷塊』が浮かぶだけ。

 そして雪女のEGは丁度③を回った所………あ。


「気付いたかしら? 霧氷輝龍の効果! EG③消費して《聖なる泉の僧侶》を凍結!!」


 これまた思わぬ死角。アクション・ツールに影響を受けない僧侶だが、ユニットの効果には通る弱点が付く。それを掻い潜っての冷却凍結、僧侶もまた白い地面にドサッと叩きつけられた。と言う事は……



「残るは綺麗な氷塊と……坊やだけよ♡」

「ッ!!」


 嵐吹き荒れる力を持ってしても吹雪の威力にまたしても劣勢、槍一郎の危機迫る!!


「《霧氷輝龍―グレイシャー・ホワイトドラゴン―》の止め!! ――『アブソルート・フリーザー』!!!」


 霧氷輝龍の口から放つ−273℃の絶対零度ビームが槍一郎に迫る!!!



「…………まだ、『氷塊』が残ってるぞ!!」


 ―――バシュンッッ!!!


 極寒に輝くアイスクリスタル、氷塊が冷凍ビームの行く手を遮断・ブロックし、槍一郎はその陰で攻撃を守り、代わりに氷塊が崩れ落ちた。


「あら……意外としぶといのね、嵐を纏ったゲーム戦士は」


「…………僕は、オフィシャルの時の過去とか、栄光を取り戻したいとかで戦っているんじゃない。

 そんなもので割り切れるような問題じゃないんだ。僕の槍の魂が抗うのならば、僕もこの嵐が止むまで戦うよ!!!」


「――良いわ。ならばその嵐の魂も、お前の義務とやらも止む前に氷漬けにしてやるまで!!」


 ……吹雪か、嵐か。決闘の中で吹き荒れ、時に抗う二つの風の便りに問う。



 ―――この戦いに、勝利のビジョンは現れるのだろうか……!? 本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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