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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
1st STAGE ―大冒険!8つの宝玉を求めて!!―
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【GAME2-3】チェッカー激動!PASとスキルがゲームを変える!!

――TIPS――

【ゲーム豆知識】

チェッカーのゲーム理論は『二人零和有限確定完全情報ゲーム』。何かゴチャゴチャしそうな名前!


これは将棋や囲碁のように理論上は完全な先読みが可能なゲームの事を言うのだ!

 

 ――ボードゲームの街でレッド&ブラックフィールド・チェッカー勝負、剣VS服部!


 大広間のスペース程あるフィールド以外は、システムも外見も一見何の変哲も無いチェッカーゲームだが、このゲームを大きく変動させるのはプレイヤー自身。その意味は実際にゲームを一読して確めるのが一番だろう。


 ……しかし、それを外部で応援するみのり達、片や服部率いる伊火様(いかさま)の部下達の発言が、このゲームが非凡なものである事を示唆させていくのだ。


「へへへ……今までの服部様だと思ったら大間違いだぜ、桐山剣よ!」

「うむ、我々のボスは一年の間で著しいゲームの成長を見せてくれた。それを遺憾なく発揮するときなのだ」

「あんた達みたいな平凡ちゃんとは格が違うのよ、格が!」


「「何ですってッッ!?」」


 服部の可愛い部下達、A太・B太郎・C奈(別に名前に手を抜いた訳ではない)の煽りに思わずムッとするみのりとレミ。

 そしてそれにスルーして淡々と情況を語る槍一郎。俗に彼は陰の解説者なのだ。


「別に好きで解説してる訳じゃないけど……僕からは二人とも全身に同じエネルギーを持った()()を感じる。服部のあんちゃん、まさかとは思うが……」


 ほら、こうやって思わせ振りな解説は彼くらいしか出来ませんから話の都合上重宝するんですよこれが! ……ま、それは置いといて。


 それじゃ剣に服部、準備は出来たかッ!?



「「GAME START(ゲームスタート)!!」」



 チェッカーゲームの始まりを告げるコールが響いた。黒マスにセッティングされている自分の駒・計12個。剣が赤で服部は黒の駒、そして先行はデジタルジャッジで黒の服部に決まった。


「じゃ、まずは俺様から行くぜぇぇぇぇ」


 このゲームは初手の方が序盤は有利な位置に立てるのがちょっとした優越感を得て何となく心地が良いものである。


 チェッカーの駒の動きは前方に斜め右、或いは斜め左に動くのみで後退は出来ない。なので真っ直ぐ進まず()()()()()()()将棋の『歩』やチェスの『ポーン』と考えて良いだろう。


 先行の服部は交互する初期段階の駒の1列目の左の駒を更に左の端に置いた。

 続いて後攻の剣、こちらも防御の布陣を張るべく1列目中央の駒を斜め下の自分の駒を隣接させるように置く。


「……あんちゃん、チェッカーやったことあるんか?」


「はっ、バカにすんなや。お前を倒すためにカードだけでなく様々なゲームのテクを()()1()()()磨いて来たんや、ナメんな!」


 ゲームの利用時間をやり過ぎずにコツコツ鍛えたとは何と良心的な不良だろう。剣は服部の一手を見た上で、ある程度はチェッカーをやり込んでいる事を察していた。


 しかし戦況を別つ駒を温存させるためには、最低限のテクニックを備わなければチェッカーを攻略出来ない。


 まず駒を取られない為には、【両端】と【自分の他の駒が斜めに隣接している場所】と【自分の駒を飛び越せない所】にあらかじめ置くのが定石。

 ましてや斜めに交差している序盤の駒の位置からは斜めに列を並ぶようにして、敵に駒を取らせない防陣を固めていくのだ。


 そして先手後手と繰り返し、未だ両者駒は取られないまま時間は経過した。


(……とは言うものの固めてばっかじゃ勝負にならないわな。ここは一つ(おとり)を……)


 と何やら策を浮かび始めた剣は服部が一手で端に置いた駒を隣接させるように、斜め左に駒を進めた。まるで取ってくれと言わんばかりの差し出し具合だ。


「あっ剣くん、あそこに駒置いたら取られちゃうわよ!?」


 レミが慌てて剣にミスを報告しようとしたが、その心配は無用であった。


「違うわレミちゃん。あの動きは多分、()()――!」


 みのりは既にチェッカーのルールを存じていた様であるが、ここで補足をしておこう。


 自分のターンの時に相手の駒を取れる配置になっていた場合は、例え自分が取れる駒を今はスルーしたくても、別の展開をさせたくても【()()相手の駒を取らなければならない】。

 先程みのりが『誘導』って言ったのは、()()で剣の駒を相手に取らせてからの反撃を意味していたのだ。


(……チッ、相変わらず生意気なプレイをしやがる)


 服部もこれには渋々と囮となった剣の駒を取って番を終わらせる。そしてその直後に剣が誘導させた訳が明らかになった。


「――へへっ、あんちゃんよ。へちゃむくれてる所悪いんだが、フィールド見て何か気付かねぇかい?」


「あ?何をほざいてやが……!!?」


 服部は盤面の状況を見て気付かないほど単細胞な不良では無い。服部サイド中央付近に1マスおいて2つ配置してある服部の駒、そしてそれに隣接している剣の駒…………まさか!?


「ダブルジャンプ&ゲ〜ット!!!」


 剣の駒1つがホップステップと飛び石を渡るが如く、服部の駒を2()()()()に奪取した!


「お前……最初からそれを狙って囮使うとったんか!?」


 服部は強面の顔で尋問するも、剣はそれに怯まずドヤ顔で返す。


「防陣、ルール習得、大いに結構! だが先の先を読めねぇんじゃまだ甘いぜあんちゃん!!」


 先読みといったって預言者とか占い師までやれなんて事じゃない、二手三手をシュミレートするくらい剣にはチョロい話なのだ。


「剣くんってカードも得意だけどボードゲームも得意なんだよ~!」

 みのりが一番剣の事を知ってるんですもんね。さすが親友!


 ――はてさて、ダブルゲットによって真ん中辺りががらんどうとしたフィールドにポツンと置かれた剣の駒。

 ……チェッカーを知らない読者の皆様も疑問に思っているでしょう。ジグザグに進んでいく駒が相手の陣の終点まで進むとどうなるか? それをここで説明しましょう!


(よーし、今の俺の駒に遮るあんちゃんの駒は無し。このまま行けば“プロモーション”も出来る――!)


 何と【プロモーション】! チェスで言うところの()()、将棋なら()()に等しいシステムだけど、チェッカーはどんな感じなのか?


「それじゃ私が教えてあげる!」

 と、直ぐ様みのりが取り出したのは万能スマートフォンプレイギア。

 その中のアプリを起動したのはゲームの知識や単語が詰まった辞典アプリ『G-バイブル』だ!


 ■――――――――――――――――――■

 【プロモーション(チェッカー版)】

 最も奥の列に駒を進めることによって、「成る」、即ち『プロモーション』が出来る。


 成った駒は「キング」と呼ばれ、斜め前進だけでなく、以後斜め後ろを合わせた4方向に進むことができるようになる。


 ―G-バイブル『この小説を読んでアナログゲームをもっと知ろうぜ』より抜粋―

 ■――――――――――――――――――■


 そうでした! みのりはこのG-バイブルを使いながら、一年間色んなゲームの知識を蓄え、剣や仲間達をフォローしていった訳なのだ。

 と言ってる間にゲームは進み、いつの間にやら剣の駒は終点直前まで進んでいった!


「よっしゃこれで……『プロモーション』ッッ!!」


 剣の駒、いよいよ終点! 次の瞬間自動的に剣の駒がひっくり返り、赤い駒から一転して『キング』の証である王冠のマークが現れプロモーション完了、パワーアップだ!


 …………と、思いきや――!??



(――――――ニヤリ)


 服部のあんちゃんの不敵な笑いと共に、デジタルウィンドウがフィールドに表記された!!



 ◎――――――――――――――――――◎

 ・『ハットリ様』のPAS【シーフナイフ】発動!

 相手プレイヤーの駒を強奪しました!!

 ◎――――――――――――――――――◎



「!? ―――え、何ッッ!!!?」


 突然のウィンドウで驚く剣は、フィールドに目線を合わせた途端に更に驚いた!!


 先程『プロモーション』した剣の真っ赤な駒が()()()!服部の駒として転移されてしまった! そんなバカな、そんなのチェッカーのルールに無いぞ!!?


「……それがあんちゃんのPASか!!」



「フハハハハハ……! その通り!!これがパワーアップした俺様の魂の能力なのだッッ!!!!」


 プレイヤーの魂で生み出す超能力『PAS』の力で平凡ゲームも天地開闢、ぶっ飛んだゲームに早変わり。

 一筋縄じゃ行かないチェッカーゲーム、どうなる事やら!? 続きはまた次回申し上げる事にしましょう!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽



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