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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME23-3】裏プレイヤー接近! 怒れる新緑の魔導師!!

――TIPS――

【裏ゲームについて……】

その本質の全ては未だ明かされていないが、現在確認されている情報によると、公式で曰く付きと称された『裏プレイヤー』達のルールによって、仮想・現実世界の舞台と、理不尽な条件付きで行う暴虐・破壊・殺戮を目的とした死亡遊戯の事。


勿論WGCでは一切公認されていない犯罪に等しいゲームであり、もし行った場合は処罰は避けられない。

そのデスゲームをも厭わない荒んだ魂で『裏ゲーム』を平然と行うプレイヤーを絶対に許してはならない! 戦え、ゲーム戦士!!

 

 ――通天閣を核とし、辺りに複数の細い道を辿って人々に娯楽を与える『新世界』。

 その繁華街の存在を良しとしない裏プレイヤーによって、その平穏は()()()()()と共に打ち破られた。


 早い話が大胆不敵にも、新世界をゲームフィールドに剛速球でボールを転がして、人々諸共この街を潰そうと企む者の仕業。その張本人が巨大砲台でボールをぶっ放す“キャノンボールの鉄(36)”。


「ふぃい〜撃て撃て〜〜! 通天閣も劇場も横丁も、皆ボールに潰れて崩れてしまえ〜〜!!」


 あいも変わらず呂律回らぬ口から、傍若無人な無差別攻撃。キャノンボールの鉄が何故にここまで新世界を憎むのかは本人の口からじっくり聞かせることにして、特筆すべきは二人のゲーム戦士。


「ほら早う急いで急いで! 新世界抜けて出来るだけ遠くだけ逃げぇ!! ――また来やがったな玉ッコロボケェ!!」


 修羅場と化した新世界に一人でも犠牲を出させまいと必死に避難を勧告しながら、迫りくる剛速球を自慢の《轟竜刀》でズバッと切り裂く。これぞ倭刀の侍ハート怒りの一太刀であります!


 そしてほぼ全員が横長の新世界区域を避難したのを確認するや否や、倭刀の向ける眼差しは、巨大玉の放つ方向に向ける。


「さて……避難もさせたとこやし、ここで姉ちゃんを守ってやらな、弟分の名が廃らぁ!!」


 親愛なる姉貴分、穂香を助けんと志高く倭刀は加勢の意で恵美須東へと突き進む!


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――さて、噂をすれば何とやら。孤高にも果敢に敵へと単身乗り込もうとするのは大森穂香。

 倭刀のように無鉄砲に突き進むのではなく、彼女はボールの奇襲にも警戒しながら建物を使ってジリジリと周りを見渡しながら進んでいく。


「……現実世界がゲームのフィールドになったとはいえ、攻略の糸口は同じ。常に周りを見て、戦うアイテムは常に備えて、敵に悟られずに接近して先手を打つこと。新世界のルートは目を瞑ってでも把握できます」


 穂香はオールマイティにゲームのセンスに長けているが、特に得意とされているのは『ローグライクゲーム』。つまり俯瞰(ふかん)視点で、階ごとにランダムで構成される迷路を攻略するゲームが、穂香の真骨頂と言われている。


 一度死んだら全てリセット、ターン制による重要視される一手、ランダムな環境、といったゲームシステムがプレイヤーの臨機応変な適応力を養うと言われており、穂香はこのゲームで実力として吸収した事で、一つ一つの行動に一切無駄のない完璧なタクティクスを磨き上げていったのだ。


 シャッフルオールスターズの中でも特に慎重、かつ大胆なタクティクスに長けた大森穂香。敵との触発前に更に保険を掛けるべくカードスキャン。


『カスタムツールカード、【メイプルリーフ・バリア】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈カスタムツールカード〉

【メイプルリーフ・バリア】

 ・属性:緑

 ・能力:木枯らしで吹き飛ぶ

 木の葉のバリアを身に包み、

 攻撃を5回まで無効に出来る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 寒い冬に飛び交う木枯らしの風が、突如穂香の周りに舞い上がる木の葉を舞い上がらせて、自然のバリアを創り出した《メイプルリーフ・バリア》。

 これで敵の巨大ボールなどの攻撃を防いでおく戦法、備えあれば憂いなし。


「……あ、居た!」


 穂香の遠方、北北東の方向にて裏プレイヤー・キャノンボールの鉄を発見。直ぐ様2枚目のカードをスキャン!


『カスタムツールカード、【マジェスティック】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタム・ツールカード>

【マジェスティック】EG:④

 AP(攻撃力):100 PP(使用回数):20

 属性:緑 装備:プレイヤー

 ≪必殺技≫

『エレメントマジック』EG:③ AP:150

 ランダムな属性を持つ広範囲の魔力弾を打つ。

 ◎――――――――――――――――――◎


 右手に魔導杖、覆うは木枯らしのバリア。攻守共に抜かり無しの状況の穂香。うちに秘めた怒りを込めて、その距離30メートル敵に向けて必殺技コマンド!!


「必殺技コマンド! 『エレメントマジック』!!」


 杖先の魔宝玉より出でし魔力の弾、それが紅蓮の赤の色を醸し出して、そのままキャノンボールの鉄に直撃した!!


「―――うぁッッ?! あちぃ〜〜!!!」


 〔キャノンボールの鉄 HP2000→1850〕


 必殺技コマンドが決まり、ウィンドウに表するように鉄のHPが150減少した。体力の多さと見るからに重そうな鋼のボディからして、敵は防御に特化したタンク型と見た。


「うぅ〜……誰や、俺に不意打ちなんざ仕掛けたやつぁ〜!?」


 この男不意打ちを食らって立ち上がっても、神経が疎らで足取りも覚束ない。


 何しろこのキャノンボールの鉄、無類の酒好きで朝酒、日中酒、寝酒と年がら年中酒呑んでばかりいたものですから、それが祟っての無様な風情。

 ようやく疎ら眼に焦点が合った所で、穂香の煌めく金髪とキッとした眼が鉄へと注がれる。だがしかし彼の目に付いたのは顔よりももっと真下な所。


「おぉ〜!? こりゃグラマーな姉ちゃんやな! ちょいと裏ゲーム終わったら晩酌付き合えや! 月とおっぱいで焼酎でも――」

「ふざけないでください! 貴方自分が何したか分かってるんですかッ!?」


 いつもの穂香の巨乳いじりだが、今回ばかりはそんな戯れに付き合う暇はない。穂香は理不尽な裏ゲームによって、危うく無関係な人を巻き込んだ事に相当腹を立てているのだ。


「あぁ〜? この俺に説教か、ガキの女がしゃしゃり出やがって〜」

「今すぐその暴動を止めなければ私が決闘で制止させるまで。もう既に裏ゲームのターゲットの人々も避難してる所です。さぁ観念しなさい!!」


 裏プレイヤー相手にも臆せず、《マジェスティック》の魔導杖片手に威嚇する穂香。これがキャノンボールの鉄に刺激させた。


「てめぇえ〜! 俺の嫌いな説教に限らず裏ゲームまで邪魔するたぁ許せねぇ!!」


 怒りに身を任せて戦闘態勢に入る鉄、ブレスからカードを引き抜きそのままスキャン!


『カスタムツールカード、【ブラストランチャー】!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタム・ツールカード>

【ブラストランチャー】EG:④

 AP(攻撃力):200 PP(使用回数):10

 属性:緑 装備:プレイヤー

 効果:発射反動は凄まじいが、

 広いダメージ判定範囲を持った爆裂弾を放つ。


 ≪必殺技≫

『チャージシュート』EG:⑥ AP:500

 弾のエネルギーを溜めた特大爆裂弾を放つ。

 ◎――――――――――――――――――◎


 大筒のような銃火器にして、長距離型攻撃大砲の《ブラストランチャー》を腰元担いで構える鉄。


「お前なんざコイツでバラバラに吹き飛ばしたる! そこを動くな!!」


 ――――ドォォォオオオン!!!


 動くなって言われたってそりゃ無理だ! 大型大砲を相手にしては、流石の穂香も軽やかな動きで爆裂弾を交わす。ところが。


「ッ!? きゃあああ!!」


 砲弾が着弾して広がる爆風は半径20メートル。危険極まりない花火と化し、さしずめ回避した穂香は爆風に煽られながらもVRフィールド後方に吹き飛ばれた。


(何てこと……あんな弾と爆風を一度に食らったらひとたまりもない――!)


 ダンジョンで切り抜けた危険管理能力の勘が、嫌というほど反応する穂香。ランチャーの破壊力に反撃しようにもその隙を伺う事すら敵わない。


「そらもう一発――――」


「ちょっと待ったあああああああああああああああ!!!!!」


 倒れる穂香をターゲットに追撃しようとした鉄に降りかかる正義の一太……



 ――――というより石頭激突(パカーーーン)ッッ!!!


「おぅ……ッ☆」


 酒乱の頭にガツーンと喰らった頭でっかちの大激突。頭上にピヨピヨヒヨコが舞ってバタンキューの鉄、それを食らわせた救世主が……


「―――倭刀!!」


「待たせたな! 穂香姉ちゃんの頼れる用心棒、池谷倭刀のお通りだいッッ!!」


 やっと出た出た負けん気たっぷし龍の侍・池谷倭刀! ゲーム戦士二人揃えば敵は無し、彼等の快進撃は次回のお楽しみに!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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