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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME23-2】裏ゲームを阻止せよ!!

――TIPS――

【ゲーム豆知識・スマートボール】

スマートボールの由来は1777年、フランスのバガテル城で開かれた国王ルイ16世が出席してのパーティで、ピンが立てられたビリヤードの台を傾け、キューを右下に固定したゲーム盤が披露された。当時は“バガテル”というゲームの名で成り立っていた。


日本へは昭和初期にピンボールゲームの一種を“コリントゲーム”の名で紹介し、流行をもたらした。


現在スマートボールの置かれている店は、新世界、江ノ島といった観光地・温泉街を中心に専門店が置かれている。しかし東京では2020年1月に唯一残された浅草の専門店を最後に、惜しまれながらも打ち止めになったという。

 

 ――ここは大阪・新世界。道頓堀、千日前に次ぐ歓楽街として名高いこの地域も、光ある所に影があり。


 スマートボールから引っこ抜かれながらもバディを組んで、古びた街並みを探索するのは倭刀と穂香。前よりダンジョンやらアクションゲームやらで鍛えた二人の探索の勘で裏プレイヤーを探すも、裏も表もそれらしき情報は何一つ得られなかった。


「……アカンわ。どこ見渡してもガタイの悪いオッサンばっかでプレイヤーの雰囲気すら出て来ねぇ」

「元々ディープな地域で有名なのは私も知ってるし、新世界は行き慣れてはいるけど……」


「裏はともかく、表のプレイヤーにもちょっかい出される場所やからな。アメイジングの起動はスタンバってた方が良さそうだぜ」

「そうね。でも過度な警戒は逆に向こうを刺激してしまうわ。平然を保ちながら進みましょう」


 ――プレイヤーは皆、個性が豊か故にゲームの向き不向きで自分の特徴も垣間見える。


 例えば穂香の場合は『ドル◯ーガの塔』『不思議の◯ンジョン』とダンジョン型ゲームを得意とする為に慎重かつ冷静な判断に長け、

 倭刀の場合は『モンスター◯ンター』『鬼◯者』を得意としたアクションゲーム型。大胆だが捨て身で荒い部分が多い。



 そんな二人の足りない部分、一長一短な弱点を綺麗に補っている事から、当時ゲームワールドでは名の知れたゲーム戦士コンビと言われていた。

 特に穂香は、“パニッシャープレイヤー”という悪質なプレイヤーを退治する資格を持ったゲーム戦士でもあるのだ。……前作読んでた方は覚えてるかな?



「確かに穂香姉ちゃんはパニッシャープレイヤーとしても超一流だけど、そのスイッチが入るまでが危ねーってか……退治人にしちゃ優しすぎる所があるんだよな」

「そうかしら……? 優しさを持つことはゲーム戦士の弱さとは比例しないと私は思うけど。それに私が何かあったら、倭刀が守ってくれるんでしょ?」


「あ、当たり前やん! 俺の大事な姉ちゃんだかんな!!」


 丁度年も年で反抗したい時期ではあるが、なんやかんや言っても本当の姉と弟みたいで良い関係。


 剣とみのりのように、穂香と倭刀、相性の良いパートナーは互いの良い所も悪い所も理解し合って出来る特別な関係。

 思春期寄りの反抗期なのは分かってるけども、お姉ちゃんの話はちゃんと聞いときなさいよ倭刀さん!


「ッさいな、語り部に言われんでも分かっとるわ!!」

「倭刀!!」


 ……倭刀さん、まだまだ難ありな所はいっぱいありますな。


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――変わって場所は通天閣を中心に北側の『恵美須東』通り。

 地下通路での決起集会を終えて、人目に付かない所へ移動して辿り着いたこの地に現れたのは、未だ謎のベールに包まれた“裏プレイヤー”と呼ばれし者。


 彼の右腕に装備されたカードスキャンブレス、その内部のCPUからミクロのビットチップをセットして改めて戦闘態勢の構えを取る。


「――――裏ゲーム【新世界スマートボール】、開始ィィィィイイイイイ〜〜」


 不気味にも呂律の回らぬ口調でゲームの開始を宣言するや否や、ブレスによって展開するアメイジングVRフィールドによって、半透明で薄い膜に覆われた新世界。

 このVRフィールドに入った瞬間、アメイジングカードの実体化が可能となり、現実世界の情景が一気にゲーム戦士達の戦場と化す。


 ――丁度その頃、『新世界国際劇場』付近にて裏プレイヤー探索中の倭刀と穂香。

 空が紫のモヤに掛かった事と、カードスキャンブレスの中央のコアが赤く点滅しているのを反応した。


「!? ――姉ちゃん、VRフィールドが!」

「えぇ、ブレスが空間を察知してるわ。でも肝心のプレイヤーが見当たらない……!」


 穂香は見通しの良い道路や、外部を見下ろしてもそれらしき者を見つけられない。何故なら、

 ブレスによって半径200メートルまで展開するアメイジングのVRフィールドを、裏プレイヤーが先程のビットチップの効果で更に範囲を広げたのだ。その距離、10倍拡大の半径2キロ!!


 それを知らずに警戒する二人を他所に、裏プレイヤーは指定した位置にてその場を動かず、カードを引いてブレスにスキャンさせる。


『ツールカード、【キャノンボール・バズーカ】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【キャノンボール・バズーカ】

 ・属性:無 AP:500 DP:2000 PP:25

 ・能力:時速150キロの超巨大ボールを撃つ。

 プレイヤーの操作次第でカーブも

 スローボールも変化球も撃てる。

 ◎――――――――――――――――――◎


 召喚したのは超特大の発射台。どっしりとした土台に大きく開いた砲口、更に砲台後方には極太のスプリングで巻かれた発射レバーだ。

 まるでスマートボールを撃つ為に引く発射台のよう…………ってちょっと待った。裏プレイヤーさん、アンタまさか……?!


「もう分かってんだろぉ〜? この新世界全部が()()()()()()()()()()だよぉ!! 一球目発射〜〜ッッ!!」


 ――――バスッ!!!!


 《キャノンボール・バズーカ》より剛速球で飛び出した巨大玉、スマートボールで使われるビー玉を3メートルをも巨大化させた玉が左のカーブを描いて、倭刀たちのいる新世界国際劇場へ突っ込んでいく!!


「姉ちゃん危ないッッ!!!」

「きゃあ!!」


 間一髪施設の中で緊急避難した二人は急速に転がる玉を逃れたが、その先に待つ者にとっては地獄が待つ。


『『キャアアアアアアア!!!!!』』


 ――――ドカアアアアアアッッ


 遠方より聞こえた悲鳴、程無くして鈍い衝撃音を耳にした二人は、血筋も凍るような想像に(おぞ)ましさを感じた。


「……倭刀!」

「分かってるって! 助けるッ!!」


 急いで玉の行き過ぎた先へと進む倭刀と穂香。その先には急激な右カーブに曲がれずに店へ衝突した玉と、それにニアミスした被害者の怯えきった顔が戦慄を注ぐ。


「大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ……辛うじて。何やねんあのデッケェ玉ッコロは!?」


 アメイジングのカードによる攻撃は、倭刀たちのようにブレスを装着していないプレイヤーが受けると致死に値するダメージを受ける。死亡も免れない惨事に幸いにも軽症で済んだ住民達。


 ……だが、第2球はその逆方向に急接近!! 罪なき住民に襲う!!!


「ひぃいッッ?!!」

『カスタムツールカード、【轟竜刀】!!』



「だぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」



 ――――斬ッッ!!


 轟竜一閃! 倭刀の繰り出した龍の刀《轟竜刀》を召喚して、巨大玉を真っ二つ!! 斬鉄剣も真っ青の居合斬りは、倭刀のパワー極振りと負けん気の根性の賜物か!!


「……さぁ、今のうちに避難を!」

「た、助かった! 二人ともおおきに!!」


 穂香は住民達に避難を促し、倭刀は敢然と玉の襲来に立ち向かう。そこへ名乗り出て前に出たのは、穂香の方だった。


「倭刀、貴方は他の皆の避難をさせて。ここは私が裏プレイヤーを探すわ」

「はっ!? ちょ待てや姉ちゃん! 言うて姉ちゃんに何かあったら俺―――」


「良いからお願いっ! ――幾ら裏プレイヤーでも、関係無い人を巻き込むなんてどうしても許せないの……!!」


 弟分の倭刀にも、久しく見せなかった穂香の憤る怒りの眼差し。これには流石の倭刀も抗えきれなかった。


「……分かった。でも何かあったら連絡せぇよ!」

「ありがとう。倭刀も気をつけてね!!」


 互いに無事を祈りつつ、戦場と化した新世界を駆け抜けるゲーム戦士・倭刀と穂香。

 そんな彼等を尻目に、蔑むように《キャノンボール・バズーカ》を発射させる裏プレイヤー!



「潰れろ、潰れろ! 潰れろぉ〜!! 俺に汚えツケ回しやがった新世界なんざ俺、“キャノンボールの鉄”が破壊してやらァ!!!」


 新世界に恨みを持つ屈曲した思考とだらしない面が目立つ中高年裏プレイヤー、キャノンボールの鉄による『新世界スマートボール』の裏ゲームを阻止する事が出来るのか!?


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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