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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME22-5】シャッフル・立海・WGC! 巡る因果の糸車!!

――TIPS――

【WGCとは……?④】

 超次元ゲーム時代突入と同時にWGC発足から数十年の月日が経つが、1年前の大幅な大改変を起こしたのがあれが初めての事だという。


 何故、あのような事態になったのか? 培ってきた土台を崩してまで変えるような出来事にさせた遠因は何なのか?


 これから先の物語で少しずつ明らかになるでしょう……!!

 

 ――西の空に太陽沈んだ現実世界、変わって舞台はゲームワールドオンライン。電脳異世界のデータで作られた仮想現実の空には、まんまる満ちたお月様。


 そんな見上げた空からまた地上を見渡せば、血に浸ったような、真っ赤なおどろおどろしい城があるじゃありませんか。


 そうですここは紅蓮城、又の名を『バスター・キャッスル』即ち立海銃司率いる立海遊戯戦団の城。今宵もまた城中では、銃司が『マスターオブプレイヤー』の称号を手にせんと、野望に燃ゆる闇夜を過ごしている頃だろう。


 ……丁度その頃、紅蓮城の入場門にして鉄壁の扉を誇る『トライゲート』を守る守護者・立壁瑠璃が、入城しようとするプレイヤーに相応しいか否かの検問中。



 その相手とは、立海のメイド・時実桜。まぁこの方は同胞ですからオールOKとして、問題はもう一人のプレイヤー、()()()()()



「困りましたね……幾らみのりさんでも、銃司様の許可が無い者は入れるなって言われてますから。悪いですけど今日ばかりはお引き取りを……」

「それでも銃司くんに話したい事があるんです! どうか入城させて下さい、この通り!!」


 下手すれば下げた頭が地面に着くんじゃないかというくらい、深々と頭を下げて懇願するみのり。そもそもどうしてこうなったかと言うと……


 ▶▶▶ PLAY BACK▽


 ――現実世界にて剣たちと別れて家に帰宅したみのりは、何を考えたか立海に連絡しようと考えていた。

 一年前のアメイジングウォーズにて桜と連絡先を交換し合ったのをきっかけに、思い切って桜からのコネで繋げることにした。


 幸いにもその時の時刻は夜8時。桜もメイドの日課もほぼ終わって、一息付いた頃にみのりの着信が入り応答する事が出来た。その時のみのりからのお願いが、


『私をバスター・キャッスルまで連れてって! 銃司くんにどうしても話したい事があるの!!』


 と最初は桜も戸惑ったが、好敵手である立海に必死に頼み込んでまでお願いするみのりの心境を汲んだ桜は、単独でゲームワールドの『プレイヤーバザール』で合流し、現在のバスター・キャッスルのトライゲートに至る。


 そもそもみのりと桜は意外にも、時たまSNSでお話したりする程交流を深めていたので、このお願いを受け容れる結果になったのかも。



 ▶▶▶ RETURN BACK▽


「――瑠璃さん、みのりさんを通して差し上げて下さい。責任は私が取りますから」

「桜さんが? しかし銃司様は何と言うか……」


 するとその時、瑠璃に装着していた無線インカムから声がしたようでそれに応じてかしこまる。


「あ、銃司様……はい……はっ、承知しました!」


「――――銃司様の入城許可が降りたみたいですね」


 門からの懇願に城主も痺れを切らしたか、特例の入城許可を得てみのりは安堵、そして桜も無意識に溢れる笑み。


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――さて、用意周到で有名な立海が、シャッフルオールスターズの槍一郎が試練で離脱するのは先刻承知としても、まさかみのりが自分の城を訪れる事までは予期しなかったでしょう。


「いや……それも史也兄が既に予想してた通りの展開だ。試合が終わって早々にメンバーの誰かが俺に泣きつくと思ったが、貴様だったとはな。河合みのり」


 参謀長・大門史也の読みは預言者並みに鋭い。常に情勢を見極めて動く立海の行動力は、ひょっとすると彼の助言から来るのかもしれませんね。


「……それで? 我ら立海と好敵手の立場である以外に縁の無い貴様が、この俺に何を求めようとするのだ」


「私は……剣くん達とはライバルでも宿命である事も知ってるけど、それ以前に良い人だって思ったから……! ――――お願い! 剣くんや槍くんや皆を助けてあげて!!」


 それが、紅蓮城まで来てみのりの心の底から出した願いであった。


「裏プレイヤーの討伐も、試練の事も助けて何になるのだ? 剣らとて雑魚に食われる輩でもあるまいし、試練に水を指すのも野暮というもの。それで果たせなければ、それが奴らの力量だっただけの事だ」


「それだけだったら平気だけど……私、槍くんの出迎えにWGCが来た時、物凄く嫌な予感がしたの。思い出しただけでも震えが止まらなくなるくらい、怖くて怖くて……堪らなかった――!!」


 みのりは滅多に出さない涙を眼に潤ませて流す。以前の敵よりも計り知れない不安に、仲間の危機と自分では太刀打ち出来ない事を悟った彼女が、恥も捨てて好敵手の元に頼み込んだのは、これが起因だったのでした。


「それは直感に過ぎない。それにPASの覚醒していないお前では根拠に足りていないだろう」

 と横槍を入れる史也は鋭くも冷淡な指摘を入れた。だがその心の裏では、


(……だが理屈には十分当たってるがな。何を考えてるか分からないWGCの若社長と、ゲーム戦士唯一の権力者の鳳凰堂孔雀では……な)


 そういえばみのりがWGCが来る前にブルブル震えていたのは、お母さんの麗子が来たというよりも、彼らの圧力故にでしょうね。


「……だが我々はお前達を見捨てるつもりはない。前々から穂香や倭刀とは交友がある縁だ。私達は間接的にだが彼女らの助けをするつもりだ」

「本当ですか……? あ、でも……」


 微かながらの縁で援助する事を約束した史也に礼を言いつつも、まだ言いたげなみのり。


「穂香ちゃん達だけじゃなくて、剣くんや槍くんも皆も、助けてあげて欲しいです……!」


「剣はともかく、槍一郎もだと……!!?」

「ッ!!」


 これに反応し、うっすらと額に青筋を立てたのは銃司。それに反射的にビクッと驚くみのり。

 そりゃそうですよ。ただでさえWGCのような管理機関を敵に回すも宜しく無いでしょうし、今までゲームに感情を示さない事で反感を買っていた槍一郎を今更助ける義理も無し。銃司の一番嫌いなタイプなんですから!


「……貴様何か勘違いしてないか? 俺は剣や槍一郎などの友達付き合いする程墜ちてはいない。この遊戯貴族の立海銃司にくだらん要求をするというのなら、貴様はどれ程の対価で俺を交渉しようというのだ!!」


「それくらいの覚悟ならもう出来てるもんッッ!!!」


 みのりは銃司の威迫にも屈せず、震える腕で自分のプレイギアを出してその対価に対する証明を示した。


「私の全財産、全カード、それに……私が手に入れた【ハートフルオーブ】!! これで立海銃司にシャッフルオールスターズの協力要請をするわ!!!」


 ふぇっ!? オーブも!!? みのりさん、それは幾ら何でもやりすぎでしょう!!


「断る。資金もカードも欲すに足りん。第一己の実力で制し手に入れたオーブを手放すなど何を考えてるのだ」


 ほら銃司にも呆れ返ってるじゃないですか! ……って、みのりさんってば全く引く気がしてませんよ……?


「それでも、剣くん達の命には代えられない!! 貴方も好敵手を失って後悔したくないでしょう!? だから……だから……ッッ!!!」

「…………」


 みのりのプレイギアを差し出す腕の震えが激しくなり、溜まる涙に頬が浸り流れて息も荒くなっていく。黙り込む銃司は何を想う。


「……弱い、弱すぎるぞ、みのり。己の未熟さ故に他力本願をしていく癖に、何故に貴様の心は揺らがぬ。貴様がそこまで動かすものはなんだ?」



「――――私は、弱いからって理由で何も出来ないのはもう嫌だから……! 私は剣くんも、皆が嫌いだって言ってる槍くんも、他の皆も大好きだから!! 私も大好きな皆の事を守りたいの――――!!!!」



 非力な自分に出来る唯一の事を果たしたいと願うみのり。銃司のような強者に蔑まれようとも構わない、今はただ、自分の成すべきことをする事を貫くみのりに銃司は……



「…………要は全て貴様の願望か。その為に我が立海の城の門を叩き、低級弱者である貴様が、見返り無しでこの立海銃司に動けと言うのか!!!!!!」


 ……もはやこれまで、みのりの健闘虚しくその願いは破れ――――



「気に入ったぞ」



 ………………え!?


「……!!」


(あ~あ……)


 銃司の好奇に満ちた眼光に、みのりから導かれた好機と、史也の手遅れな後悔などで交錯しながらも、銃司自ら口を開いた。



「全く貴様らのチームはどうして面白い奴ばかりなのだ? 歴然とした財力と力量の差にも臆せず、ゲームにも交渉にも心を折らずに我々に立ち向かおうとする。その勇気は何処から沸いてくるのだ!?

 ――その勇気はオーブ以上の対価に値する。実に素晴らしい! 故に俺はみのりの気概を買う事にしたぞ」


「あ……! ありがとう銃司くん!!」


 みのりの不屈の想いが実を結び、彼女に溢れる純真な笑顔。それにしても傲慢で有名な遊戯貴族が情に熱い御方であることは、案外皆さん気づいていたりして?


「慌てるな、俺からの礼は早急というもの。まだ裏プレイヤーも試練も動いていない以上は、我々とてどうする事も出来ん」

 そう言われてみれば確かに。では協力といってもどんな感じに?


「まぁ何分この時期は立海も忙しくは無いからな。いい加減メイド達にも有給休暇を与えても良い時期だろう。――それでも構わんか、桜?」


「―――はい、銃司様の頼みなら……!!」


 なんというサプライズか、なんという吉報か!

 まだ動けない立海に先に動き出すのは時をかけるメイド・時実桜。彼女が先立ってシャッフルにコンタクトを取ろうとしていた! ……といってもこの展開はまだ先の話になりますが。



 ――――みのりの捨て身の勇気が立海をも動かし、シャッフル・立海・WGCと、強大な組織で巡り紡がれる因果の糸車が出来上がった!!


 果たして、彼ら因果の中に展開する今後のゲームはどのような事が待ち受けるのでしょうか? そして槍一郎のオフィシャルプレイヤー試練は、裏プレイヤーは!?


 それぞれの場面でめくりめくられるプレイヤーの心・裏表、ゲーム戦士達の試練が今始まろうとしております!!!


 本日は3rdSTAGEのプロローグで【GAME22】、『ゲーム戦士激動・序章』を持ちまして、読み終わりで御座いますッッ!!



 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽

▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


幾多の場面で展開する3rdSTAGE、最初のゲームは穂香と倭刀ペアによる激闘!!


そして我々は見た! 裏プレイヤーの非道なゲーム三昧を!!!



この小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!!


更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!!!

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