【GAME22-4】分岐する戦いのロード!!
――TIPS――
【WGCとは……?③】
WGCには公式に公認した強豪プレイヤーの証として『オフィシャルプレイヤー』の資格を得られる。関東・関西・四国といった地域ブロック式で代表を決めていく。
この資格を持ったプレイヤーはゲームワールドのパトロールや治安を守る役割を果たす代わりに、大会でのシード権の無条件獲得や報酬の割増など優遇を得られるんだとか。
天野槍一郎もその一人だったが、一年前のWGC大改変によって全員が解雇となって資格も剥奪、解散された。しかし訳あって再び再建の為に試練が待ち受ける。さて、その真相は如何に……?
――シャッフルオールスターズのメンバー・天野槍一郎が、オフィシャルプレイヤーの試練に出掛ける為に旅立った跡先。残された剣たち残りの6人に、グズグズしてる暇はなし。
直ぐ様ゲームジム『ビッグウェーブ』にて、裏プレイヤーの討伐や3個目のオーブやらの話に乗り換えた。槍一郎の分まで、強くなれた自分を魅せるために……
「――よし、そんじゃ今後の攻略計画と、裏プレイヤーのミッションを皆で話し合おうぜ。槍ちゃんが居なくなっちゃった今こそ、俺たちはもっと頑張らなアカンからな」
「そうね、皆で考えましょ!」
チームのサブリーダーであり常に冷静で的確なアドバイスを送っていた槍一郎が離脱した今、リーダーの剣は以前より意気込んで指揮を取るようになった。みのりもやる気になって頼もしい限りです。
「まずは優先順位。社長さんの話を聞いたところ、第一に裏プレイヤーを討伐をすべきだとも言うてなかったし、そもそも俺らが目標に置いてるのはオーブや。だからオーブ→裏プレイヤー→別の案件、の順って所やね」
本宮社長と孔雀の説明から6人が分析してみても、一刻も早く討伐して欲しいといった、切羽詰まった感じもなく穏やかな対応であった。
という事は、剣たちはオーブを求めながらそれを阻む裏プレイヤーの成敗や説得に応じていくというのが、正当な行動と6人は考えたのでした。
「まぁ確かに、社長さんも急ぎっていうよりも確実な戦力を補充したかったって感じやったし、多分WGCの方も策は十二分にあるから余裕感じてたのかもな」
「となると、私達は二足のわらじで行動する事になりますが……どうしますか? 団体で動くか、別行動を取るか……」
倭刀も穂香も、各々で話を進めながら発案もしていく。
「……そしたらやる事は三つや。【オーブ獲得】【裏プレイヤー討伐】【討伐・攻略に纏わる情報収集】。これらを一つで二人ずつ、バディを組む形で行動するんや。だが独りの行動はNGやで、それこそ奴らに狙われる確率が高いからな」
ちょうど6人で偶数、それを三つの行動パターンに分けた豪樹は、チームを三等分にして同時進行で進める計画を企てた。
となると、次に決めるのは各々が三つのパターンで何処を担当するのかという所になる。だが意外にもすんなりと6人の意見は一致した。
「じゃ俺はオーブの獲得に専念するぜ。リーダーは常に強くなきゃいけないからな」
「あ、それじゃ私も剣くんと一緒に行く!」
オーブ獲得に重点を置いたのは剣とみのりの黄金コンビ。バディとあれば、ここまで安心できるタッグは居ないだろう。
「良かった〜! そんじゃ俺は心置きなく裏プレイヤーをぶっ飛ばしに行けるぜ!!」
「倭刀、そんな無鉄砲な……心配だからお姉ちゃんも行きます!」
何やら乱暴にも好戦的な意思を醸し出す倭刀と、それに心配になる穂香が裏プレイヤー討伐を選んだ。とはいえ、昔から兄妹のような仲として親しい二人にとっては、久しぶりのマルチ行動である。
「ほんじゃ、ワイらは残りモンって所か。福がありゃ別なんやが……レミちゃんも一緒でエエか?」
「あ、はい、あたしもそれで今は良いかな……なんて」
という訳で残りの情報収集は豪樹とレミのコンビ。こちらはあまり組んだ事は無いですが、それよりもいつもお転婆で明るい印象のレミが、今日ばかりは曇り顔を見せてるのが、ちょっと気になります。
何はともあれ、シャッフルオールスターズのやるべき事は決まった!
「……よし、じゃこのバディで進んでいこう! もし行き詰まったら俺や他のメンバー引っ張り出しても構へんから、臨機応変にな。槍ちゃんの分まで頑張ろうぜ!」
シャッフル・6つの魂が手と手を取り合って一致団結の硬い握手。離れた仲間を誇れるチームの器として受け入れる時までは、今は己が進む戦いのロードを進むだけでありました――!!
▶▶▶ NEXT▽
――今後の活動を決めた剣たちは一旦解散して『ビッグウェーブ』から帰宅の路に向かおうとした所、早速して進展の兆しが見えたのは、剣とみのりのコンビでありました。
「驚いたよなー、みのりから前々には聞いてたけど、まさかあの場面でお前のお母ちゃんに会うなんて。顔初めて見たぜ俺」
社長と孔雀と一緒に同行してたみのりの母・麗子と初めて会った剣は後からその風貌やら何やらに驚かされていた。
「ホントはこんな時に来て欲しく無かったけど……剣くん嫌な思いしなかった? お母さんがあんないい加減な事言っちゃって……」
「……正直めんどくさい感じはしたけどな。心配するのは良いけど度が過ぎらぁ」
「そうだよね。はぁ、もうお母さんったら……」
こればかりはみのりとて神経をとても使ったようで疲れ果てた様子。何の因果か社長の側近で雑用係をされている麗子は、今日も家にいる筈もなし。寧ろ居ない方がみのりにとっては気が楽だと言わんばかりの困憊ぶりだ。
「……本当は、お母ちゃんとしっかり話し合いたいって思うときもあるんちゃう?」
「…………うん。仕事だ急用だっていつも後回しにされちゃうけど、いつか絶対に私の本音をお母さんにぶつけてみたいの」
「大丈夫、みのりなら出来るさ! やらねぇよりやってみる方のが心は気持ち良いもんだぜ、ゲームも本音もな。俺応援してっから……!!」
「――――ふふっ、ありがとッ!」
――剣とみのり、他では言えない悩みも語り明かせる程その絆は堅く尊い。
握った手と手をまた引き離し、二人が戻るは我が家の処。先に剣の家に着いて、彼を見送って別れを告げて、気付けばみのりただ一人。
……と、剣を見送って直ぐにみのりは徐にプレイギアを取り出して、誰からか連絡すべく着信を掛けた。その相手は……?
「――――――もしもし? 桜ちゃん? ゴメンね急用で申し訳ないんだけど………………ホント? ありがとう!! 場所は――――」
なんと、みのりが発信を掛けたのは立海遊戯戦団のメイド・時実桜であった! これは一体どういう訳か? みのりが呼びかけた理由とは何でありましょうか!?
丁度読み終わりとなりました。本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




