【GAME22-2】WGCと孔雀の眼!!
――TIPS――
【WGCとは……?】
数十年前に遊びに枯渇した時代に世界政府の一人の科学者によって、創生された電脳異世界『ゲームワールドオンライン』。
だが不慮の事故によってゲームワールドに消滅した生みの親である科学者の代わりに、管理と異世界を使った組織的運営を建てる為に政府が設立したのが『WGC』という訳なのです!
引き続きTIPSにて詳しい説明をしますよ〜♪
――オフィシャルプレイヤー試練に出発する槍一郎を出迎えたというよりは、何やら永遠の別れを予感させてしまいそうな不吉な、いや威厳たる威圧を醸し出すWGCのお偉方。
その一人がWGCにてゲームワールドの副管理者を務めているというゲーム戦士、鳳凰堂孔雀。
「お前だったんか、スマッシュブレイカーズで窮地ん時に、俺と銃司にカードスキャンブレスを渡してくれたんは!」
「……えぇ、ご高名は一年前からお聞きしてますから!」
華奢な身体の剣と比べて、孔雀は半ば背は低めでみのりくらい。何しろ副管理者たる高位なお方は剣たちと同じ年の17歳。今をときめくゲーム戦士は、花のティーンエイジャー達が世代を担っているのだ。
「はぁい☆ はじめまして読者の皆様、以後お見知り置きを〜♪」
なんと、温和なスマイルで律儀に読者の皆さんに深々とご挨拶をする孔雀。ここまで気を配るのが、管理者故の礼儀というものでしょうか?
だが槍一郎を迎えに来たのは彼女だけでは御座んせん、もっと凄い人がお二方。
「お初にお目にかかるわね、剣くん」
と何やら近くにいるだけでも真面目オーラをピーンと張り詰めそうな黒い艶のあるロングヘアー。見た目年齢は30代のように見えて、実は40代の美貌溢れる『美魔女』のような女性、この方何を隠そう……
「私がWGCでセキュリティや保安、そしてオフィシャルプレイヤーの再設を担当する雑用係の“河合麗子(47)”。――みのりの母よ」
「ふぇ!? みのりのお母ちゃん!!?」
これまた意外、剣は長いことみのりと仲良くしてるのに、みのりの母とは一度も会ったことが無かった。というのは、WGCの仕事で剣はおろか、娘のみのりですら接する機会が少ない。
そんな貴女はWGCのセキュリティ・治安を管理する責任者であるが……自分から雑用係と自虐気味に言うのは如何なものか。
そして最後、どんじりに控えし殿方が……
「WGC代表取締役社長兼ゲームワールド管理者の“本宮マサト(30)”だ」
その風貌は一言で言うなら若社長と言っても過言じゃない。黒い背広に端正な顔立ち、それとは対照的にきらびやか金髪が一般市民である剣に刺激を与えると同時に、剣はある違和感を覚えた。
(あれ、外崎社長じゃない…………??)
▶▶▶ BREAK TIME▽
――――えー、ここから先へ行くと混乱を招いてしまうので、ちょっとWGCに纏わる話で整理しましょう。
実はさっき登場した本宮社長は、前作の『極限遊戯戦記』の時点では社長ではありません。
まだ剣たちがアメイジングウォーズで激闘していた時は、外崎博行(62)さんという貫禄あるお偉いさんが数十年もかけてトップでゲームワールドを管理してきました。
ところが、剣らが戦った『G-1グランプリ』でのテロ事件や、先程アメイジングウォーズによる遺産・Gパーツの強奪、天変地異による不十分な対応がプレイヤー達の不信を買うことになり、その責任を背負う為に定年を待たずして退陣されてしまったのです。
これによりWGCの責任者の9割は辞退或いは左遷の憂き目に会い、並びに槍一郎を含む全オフィシャルプレイヤーの解散とゲームワールドの一年間の運営起動停止という大事態。
みのりの母・麗子もWGCのトップクラスの管理者であったが、辞めるまでは行かずとも左遷されてこの始末。
――そこで次期WGCの最高責任者と名乗りを上げたのが、本宮マサト。彼が2代目WGC社長として任命された際には、こんな演説を述べていた。
『もうテロや理不尽な戦いに怯える時代は終わった。我々もゲームと共に生きるプレイヤーとして、戦う力を持たねばならない。戦う先に絶対の平穏あり!!』
……とまぁ、何か別の戦争でもおっ始まりそうな革命ある演説でしたが、これをきっかけに正式にカードゲーム『アメイジング』がゲームワールドの決闘システムとして採用され、一年の歳月でWGCの新組織でゲームワールドを再稼働させたのです。
▶▶▶ NEXT▽
(おじいちゃんが一年の間にWGCが大改変したって話は聞いたけれど……前の時と比べて温かみ皆無ってゆーか、殺伐としてる感じがすらぁ)
前に剣の祖父・矛幻のコネで外崎社長とは面識があったんですが、本宮社長を目の前にしては、ちょっと近寄り難い雰囲気が剣に醸し出されている。
その時例のゲーム戦士・鳳凰堂孔雀が急に剣の前に近寄った。
「……ところで剣さん、お友達の忍野龍牙さんとは今どんな認識を持ってますか?」
「!? お前、龍牙の事も知ってんのか!?」
「えぇ、知ってるも何も……放浪していた龍牙さんをスカウトしたのは私ですから」
「――――!!!」
これを聞いて剣の脳裏に離れていた推察が繋がった。
『俺の闘いの本拠地は京都、そして所属先は……WGCとだけ言っておくぜ』
以前【GAME11】にて剣が龍牙に所属チームの事を示唆していましたが、その答えはなんと鳳凰堂孔雀が指揮する京都のゲームチーム『鳳凰超勇士』の事だったんですね! いや何がどう廻っての因果でしょうか!?
「ふふふ……! 貴方って近くで見ても評判通り、面白い方ですね。龍牙さんから良く話は窺ってますよ」
「そうか……まぁアイツいつもキレてるけど、頭も回る意味でキレてるし、一方から縁切ったつってるけど俺はその気じゃないから。そんな感じかな」
すると、何やら孔雀のぱっちりとした目が急に瞳孔が見開き、まるで鳥のような眼を一瞬だけ魅せてそのまま瞼を閉じる。ひと呼吸おいて……
「…………えぇ、仰る通りで。龍牙さんはチームでもとても優秀なゲーム戦士ですから。融通が効かないこともありますけど」
「あ、あぁ……」
剣は気付いていませんでしたが、私には見えてましたよ孔雀さんの鳥の目! ……いや鳥目つったって夜盲性の事ではありませんが。
その一瞬だけ魅せた鳥のような目こそ、鳳凰堂孔雀がWGCの副管理者まで登り詰めた“切り札”と言っても過言ではありません。
それはともあれ、肝心な事を忘れる前に槍一郎が遮った。
「あの、すいません。剣の事で話題になってる最中ですけど、僕のオフィシャルプレイヤー試練の事。どうして本宮社長自らお出迎えを……?」
やっとの事で本題に戻した槍一郎、その問いに本宮社長は。
「……本当ならプレイヤー全員は自分の足で試練場まで向かわせるつもりだったが、君の場合は特例でね。と言うのも、私が出向いたのにはシャッフルオールスターズにお願いがあって来たのだ」
「……お願い、というと――?」
「強豪名高いゲームチームとしてWGCから依頼したい。――このゲーム時代に潜む【裏プレイヤー】を討伐してほしい!!」
「…………はい???」
これまたなんの因果かどういう流れか、槍一郎の送り迎えで来た筈なのに、WGCからシャッフルオールスターズ全員に依頼を頼まれる事になろうとは!?
果たして『裏プレイヤー』とは如何なる存在なのか、そしてWGCの真意とは……!?
今回は説明多しで謎多しな展開した所で本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




