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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
BONUS STAGE―大激突! シャッフルオールスターズVS立海遊戯戦団!!―
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【GAME21-5】ゲーム戦士・更なるステージへ!!

 

 ――ラストアタックの結末は、実に紙一重のものだった。


 両チーム最後の一人、ラス1となった状態で一騎討ちを敢行した剣と銃司。

 剣のPASは【ロングソード】、銃司のPASは【マグナム】。即ち理論からして()()()では、どちらが有利に討てたかが勝敗を分ける事となった。


 フラッグを獲得して強制的にゲームを終わらせることなく、相手を全滅させて勝利を得ることを選んだ両者。


 結果、近距離でしか放てない剣のPASの特質からは銃司を討つことが敵わず、引き金一発・銃司のPASによるスマッシュボールのシュートに脇腹を討たれ、その僅かコンマ単位の差で銃司も討たれた。


 判定の結果、桐山剣が先にアウトと判定! よって……!!



 〔『シャッフルオールスターズ』0-1『立海遊戯戦団』〕



 〚WINNER【立海遊戯戦団】!!〛



 ――――『スマッシュ・ブレイカーズ』を制覇したのは、立海ィィィイイイイ!!!!!


 そして互いに精魂尽き果てた二人のゲーム戦士、覇気を奮い立たせた五体が、尾羽朽ち枯らしております!!

  己の全てを使い果たした両者に一片の悔いなし!!!!


「…………ッ、うぅ―――」


 あっ剣さん! 気付きましたか! 座ったままで結構です、今お話とか出来ますか……?


「あ……? 何やMr.Fのおっちゃんか。選手インタビューくらいならなんとか出来るぜ」


 ありがとうございます。……どうでしたか、アメイジングウォーズ以来一年越しの立海とのゲームは?


「いや……今回は俺らの完敗っすね。欠けてるもんが何も無かった感じでしたね、立海の奴等全員」


 あの、FINALラウンド辺りの仲間復活スキルの【慈愛の恵み】は、みのりさんが既に習得してたんですか?


「あれは銃司達に悟られる前に、二度目の決勝前で手に入れたカードでぶっつけ本番で習得させたんです。俺のPASとコンボさせるために」


 でもサザンクロスの邪魔の時はみのりさんと剣さんが【ど根性】使ってたと言うのは……


「不思議なもんで……あのカニ兄妹が邪魔入るってのをP()A()S()()()()()()()()感覚がして、それで最後の最後に取っといたんすよ」


 つまり勘で――!?


「らしいっす。多分俺だけじゃなくて、皆がPASの発動とかも悟ってたんかも知れません」


 で、そこから3回のラウンドで両者が怒涛のPAS合戦になったと。ホントにリーチがあれば、シャッフルの逆転もあり得たんじゃないですか……?


「そうですね……皆が『勝ちたい』って思って、FINALラウンドまで漕ぎ着けたのが奇跡だったんかも知れないすね……不甲斐なくてすんません!」


 とんでも御座いません。それでいても素晴らしいファイトでした!


 ――それで剣さん。今回のゲームから三日後にですね、メンバーの天野槍一郎さんが、数ヶ月に渡ってWGCが再建するオフィシャルプレイヤーの試練を控えて、一時シャッフルのチームを脱退する事になったそうですが……


「…………はい」


 このゲームの土壇場で、槍一郎さんが底力でフラッグを先取した事。それだけでなく剣さんや7人全員が()()を持って、このスマッシュ・ブレイカーズを挑もうとしたその動機というのは……リーダーである剣さんにとって、一体何なのでしょうか――?


「………いや、俺は……俺達はただ――――」


 自分の魂の中に、勝ちたい。或いは確かめたいものが?



「俺達は、【負けたくない】一心で……ゲームに挑むだけです――――!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――いや〜すっげぇ戦いだったぁ……と我ながら放心状態になりながらも、観戦を終えて語りに転々とするは私Mr.G!


 弟による剣のインタビューを終えた後も、銃司は一向に目覚める気配はなく、彼が目覚め次第優勝の表彰に入る為、剣はそのまま控室へ転送・退場する事となりました。


 ……しかし、剣の足取りは重い。仲間の分も背負って戦った挙げ句に、惜敗した結果でどの面下げて謝るべきか、と考えた剣だったがそれは杞憂であった。



「剣、おつかれ! ナイスファイト!!」


 剣の帰りを暖かく迎えてくれたのは槍一郎だった。

 今回のゲームは、オフィシャルプレイヤー試練で脱退する彼の為、立海に勝って快く見送りたいと思った一心で挑んだゲーム。剣は沸々と湧く敗退のやるせなさに眼を潤ませる。


「槍ちゃん……ゴメン、ホンッッマにゴメン!! 掴んだチャンス無駄にしちまって……」

「僕は大丈夫だ、立海に一本取れただけでも満足だよ! 良く頑張った!!」


 槍一郎は嬉しそうに、泣きそうな剣に肩を叩いて励ましのエールを送る。勿論彼だけでは無い。


「落ち込むことないよ剣くん! 良く考えたら、私たち初めてのゲームで立海と戦って決勝まで行けたのよ。それだけ凄いチームなんだよ『シャッフルオールスターズ』は!!」


「せやで、みのりちゃんの言う通り! ワイら7人は極限の限りを尽くし、精一杯戦った!! この豪樹様もあの瑠璃と戦ってまたやる気が上がってしもうたわ、ハハハハ!!!」

「でも俺のPASでほとんど立海倒したのにさ、モノに出来なかったのは痛かったかな〜」

「倭刀、少しは剣さんを労いなさい!!」

「だってぇ穂香姉ちゃん……」


 やはり硬い絆で繋がった仲間同士、冗談も交えながらも温かいリスペクトが剣の心を癒やす……と思ったその矢先。


「……ぐ、ひぐっ、ぐすっ、うぇぇ……」


 シャッフルの中でたった一人、無念の意で咽び泣いていたレミに皆が気づいた。


「どうしたのレミちゃん!?」

「何で俺より先にお前が泣いとんねん……」


「だっで……あ゛だし……何も出来なかったから……それで剣くんが勝てなかったと思うと悔じぐで……うぇぇぇえええ〜〜ん!!!」


 今回のゲームはアクション故に苦手意識を持っていたレミ。案の定それに弱点を漬け込まれた事で情報収集以外何も出来なかった彼女には、余りにも不憫すぎた。

 大泣きのレミに急遽みのりと穂香が慰め、よしよしの応急処置に入った。


「皆、剣の事を心配してたし信頼してたんだよ。だけど剣も、今回のゲームは悔いは残してはないだろう?」

「……あぁ、今日は立海のが一枚上手だったからしゃーないよ。ただ――」


 ゲームではやり切ったと自覚する剣に、まだ別の躊躇いが残ってそれを吐き出そうとしたその時。



「――――剣ぃッッ!!!」



 弱者も毛が逆立ち、恐れおののくような怒号で剣を呼ぶ声は、立海遊戯戦団7人を従え嬉々と上機嫌の立海銃司。表彰を終えて彼の右手に持つのは見慣れないアサルトライフルのようなアイテム。


「……何や銃司、そのでっけぇ銃は?」

「馬鹿者、貴様表彰式を観てなかったのか」

「観てねぇから言ってんだよ」


 と、渋々となりながらも誇らしげに銃司はアイテムを語った。


「これはアメイジングの『カードスキャンブレス』から更に進化した新型カード召喚機、【ACS・マグナサモナー】!! このゲームの優勝商品としてWGCが新たに開発したものだ!!!」


『ACS』とは【アメイジング・カードサモナー】の略。従来のガントレット型のカードスキャンブレスと異なり、召喚に使えるだけでなく消費しない()()として扱う事が出来る新型アイテム。


 そして銃司がブレスに代わって手に入れた【マグナサモナー】は、ゲーム中100発も装填され連射攻撃が出来、トリガー前部のマガジン部分をリロードさせるようにしてカードをスキャンさせるのだ。



「お前……まさか、それを手に入れる為にこのゲームを……?!」

「ただ挑むだけでは味気無いだろう。だから貴様ら全員と競って、新型召喚機を持つ者に相応しいか試したかっただけだ!」


 己の賭けにシャッフルを出し抜こうとする怖いもの知らずの遊戯貴族、まさに()()に相応しいゲームのやり方だが、既に性格を知っている剣たちには呆れも覚えた。


「……って事は銃もあるなら剣のサモナーもあんのか?」

「知るか、それは自分で見つける事だ。それよりも……」


 銃司は剣の質問を跳ね除けて高圧的に威嚇する。その相手は……槍一郎だ。


「……何だい、銃司?」


「天野槍一郎、以前まで俺は貴様の事を感情を持たないWGCの道具扱いしてきたが……オフィシャルプレイヤーの資格を剥奪されても、それを諦めない貴様の本心は何だ?」


「――――僕はWGC(あそこ)に返しきれない恩がある。だから自分の居場所を取り戻す為、君らみたいな強いプレイヤーにも認められる為に、僕はもう一度オフィシャルプレイヤーになる」


 その覚悟はまさしく、槍のごとく鋭利で真っ直ぐな刃のような輝きであった――!


「……そうか。ならば貴様の誇りと居場所が戻ってきた暁には、俺と勝負する権利を与えてやる。勝てば貴様への卑下な扱いも取り消してやろう」

「――――良いとも」


 己の力の限り戦う銃司と、義務の為に本音を押し殺した槍一郎との、(わだかま)りが少しだけ綻んだ気がした。



「――貴様らがこの先オーブを勝ち取るも、槍一郎の帰りを待とうとも、俺達は立ち止まらんぞ。我々立海は遊戯貴族の誇りを守るために【マスター・オブ・プレイヤー】、この一点に絞るのみ!!


 それでもまだ俺達を好敵手(ライバル)と呼ぶのなら、俺達に勝ちたいと願うのなら……その意地で俺達を超えてみよ!! シャッフルオールスターズッッッ!!!」


 この銃司の主張が、シャッフルオールスターズも立海に負けじと、新たなステージに立つための引き金となった!


 ある者は好敵手への度重なるリベンジ、ある者は未熟からの脱出、更にある者は誇りの奪還とそれぞれの願いが執念となって、戦意高揚・ゲームに挑むアドレナリンへと変換された!


 だが再び彼らに迫りくる平穏からの侵攻、ゲームで命を奪おうとするプレイヤーキラー、謎のベールに包む組織『サザンクロス』により残虐で狡猾なプレイヤー達。

 彼らが阻む数々の壁が、今回のような頂上決戦を妨げる事になるのでしょうか。



「では、また逢おう我が好敵手共よ!! 次の戦陣までにせいぜい鍛え上げるが良い!!!」



 また二つのチームが競い戦う時はいつの日か、必ず第3陣の戦いをする約束をしつつ、二人の大将の意志が拳となって風を切り、それが語った。


 ――――ガツン……ッッッ!!!


「剣!!」

「銃司!!」




「「絶対生き残れよ。次のゲームで、俺に勝つまでは……!!!!!」」



 剣と銃司、互いの挨拶に握手は要らない。要るのはぶつかり合う拳のみ。

 更にシャッフルと立海の他のメンバー達も挨拶を交わし、時に煽ったりとそれぞれが認め合いながら再戦を誓い、立海遊戯戦団は会場を後にした。



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――残されたシャッフルオールスターズ7人。常に上に立つ立海の信念を目の当たりにした剣たちにネガティブの意は何処にも無い。

 もう迷う事の無い剣に、みのりが話しかけた。


「ねぇねぇ剣くん、銃司くんと初めて出会った時と比べてさ、だいぶ仲良くなったんじゃないっ?」



「何言うとんねん。俺は銃司とは仲良くなってねぇよ。――――今はな……!!」



 宿命の対決・第ニ陣、それを終えてシャッフルオールスターズは立ち止まる事なく新たなステージへと突き進むことになります!



 次のステージ、新たな章である『3rd STAGE(サードステージ)』では、天野槍一郎のオフィシャルプレイヤー試練がいよいよ開始される事を皮切りに、新たなゲームと新たなゲーム戦士、更には『アメイジング』の新要素と続々と展開して参ります!


 はてさてこれからゲーム・ウォーリアーの物語は、どのように行くので御座いましょうか!!?


 比例形式で益々面白くなる『極限遊戯英雄譚 ゲーム・ウォーリアー』、引き続き御一読下さいませと言ったところで、



 ――本日は【GAME21】、『シャッフルオールスターズVS立海遊戯戦団 第2陣』並びに幕間・BONUS(ボーナス) STAGE(ステージ)はこの回を持って終結、読み終わりで御座いますッッ!!



 ▶▶▶ LET'S GO! NEXT STAGE!!▽

▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


ネクストステージ突入!

【3rd STAGE】は槍一郎脱退からのシリアス展開!?


更にWGCより展開するGWマスター・プレイヤーの登場に暗雲が立ち籠もる……?!


今こそ強くなる時だ! 桐山剣、シャッフルオールスターズ!!


この小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!!


更には後書きより下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!!!

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