【GAME2-1】ボードゲーム・イン・ワンダーランド!!
さて大きな夢を抱いてゲートの中に飛び出した剣たち7人、ゲームの世界観溢れる最初のエリアのヒントは……
≪卓上に描いた遊戯、己が駒となりてボードの世界へ誘わん≫
このゲートの扉に書かれた文字がエリアの全てを物語る。
テーブルに囲むのがゲームならば、更にそれを覆うのはプレイヤー達。このエリアで【ライバル】が剣たちを待つ!!
さぁゲートを開いて、未知のエリアへ飛び立とう!!
オープン・ザ・ゲート!!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――――さぁさぁ、読者の皆さんご覧くださいな!!
プレイヤーバザールから北西の方向、これが市場を抜けて旅立つプレイヤー達を待ち受ける最初の街エリア。
【テーブルトップシティ―TABLE TOP CITY―】だ!!
このエリアをイメージする世界観は、近代ヨーロッパの街並み。最先端の世界ながらも何処か懐かしく、テーブルにチェスを並べて紅茶片手に一戦交えたくなるようなそんな街。
……でも、ちょっと皆さんの足元見て下さい。
黒白に交互するゴシックな床、何となく『チェスボード』に似てませんか? それに手前の大きな塔のオブジェ、頂上が球体でチェスの駒の『ポーン』のよう。
――――それもその筈、だって私や貴方達が立っているのは大きくなったチェスフィールドですもの!!!
どうですかこの迫力、ビッグスケール! 私達はチェスの世界で立ち往生しているアリスの様!! そして作者はロリコンではない!!!(重要)
チェスだけでは御座いません、道路が双六みたいになっていたり、床に穴が空いてると思いきやダイヤモンドゲーム用のフィールドだったり。
まるでゲーム自体が我々を踊らすかのように、ボードゲームがごちゃ混ぜな街を創った。
ゲームの世界に入ってプレイヤー達の気分はワンダーランド、そんな世界に剣達シャッフルオールスターズ7人は降り立った!!
「やっと俺らの出番か、語り手のオッサン一人で盛り上がってくれちゃって! 紀行番組かっ」
そんな事言わないでよ剣さん! ゲームワールドのエリア紹介はナビゲーターの仕事なんだから!!
「まぁまぁ二人共落ち着いて……それよりも私達の探す8つのオーブは何処にあるのかしら……?」
みのりは携帯プレイギアのアプリを開いて、探り探り攻略のヒントを見つけ出そうとしますが、残念ながらそこには正解はありません! 実際に見て聞いて探してみないと!
「えー、掲示板とかにも無いの?」
ありませんよ、前回の話で倭刀さんがお手上げムード出してましたからね。……あ、でもプレイギアならこのエリアの詳細がアプリで見られますよ!
「どれどれ、おー確かに沢山ゲームがあるわ!」
そうでしょう! リニューアルも兼ねて色んな新ゲームも追加したんです!! このテーブルトップシティだけでも規模は幕張メッセ3個分、ゲームも50種類以上。このエリアだけで制覇しようものなら一日じゃ足りない。
「それじゃしらみ潰しにオーブ探せないじゃねぇか。他のエリアも行って探したいのに」
そんな心配も余所に槍一郎がしっかりと提案を持ってきた。
「剣、何のために6人も仲間がいるんだ。そこは二手に別れてオーブの情報を探しだすのが効率的だろう」
「あ、そうだよな。じゃ話の潤滑から見て4:3に分けてみるか」
「話の構成とか余計な気は回さんで良いから」
そんな訳でプロット……じゃなくて、オーブの情報を掴むためにオールスターズは分担して探索する事となった。今回ピックアップするのは剣、みのり、槍一郎、レミ。この四人でストーリーを進めることにしましょう。
他の倭刀、穂香、豪樹さんのお話はまた後程という事で。当面の間は無言になっちゃうが勘弁してね。
「「「そんなんアリかよ!!?(ですか!!?)」」」
▶▶▶ NEXT▽
さてさて、四人になれば対等に台詞が回って丁度良い感じになりました。剣たちが徒歩でエリア探索しているなか、みのりはあることに気になっていた。
「……ねぇ、探索も良いけどまず何かゲームしない? プレイヤーステータスのレベルアップもあるし」
咄嗟に彼女から出た『レベルアップ』の言葉に一同ハッとした。
「そーいや、あの鳩山のバトルで何か得たんじゃねぇか? 例えば経験値とか金とか……」
「見てみよう」
四人はプレイギアを開いてみると、マナーモードになってて気付かなかったが画面左上に通知を知らせる緑の点滅ランプが光っていた。
◇――――――――――――――――――◇
・決闘勝利により 経験値100 獲得!
・勝利賞金 1000円 獲得!
エースは LEVEL2 にレベルアップしました!!
◇――――――――――――――――――◇
「オイいつの間にかレベルアップしてるぞ俺!!」
急いで剣は自分のプレイヤーステータスの変化を確かめるべくプレイギアを開いた。
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:ACE(桐山剣) ♂
・プレイヤーレベル:1→2 LEVEL UP!
・ジョブ:『ナイト』
・PAS:『ロングソード』
[プレイヤーステータス]
・アクション:10→13・シューティング:10→11
・ロールプレイ:10→12・タクティクス:10→13
・スピード:10→11・ブレイン:10→12
・ハート:10→13・ミュージック:10
・ラック:110→113
[プレイヤースキル]
・【精神統一】
☆――――――――――――――――――☆
とまぁレベルアップするとこんな感じでステータスの数値が上がってるのだ。
そしてその数値は各ゲームにおいて有利不利の影響を大きく別けていく大事な成長過程でもある。謂わばアイデンティティの確立的な。
勿論剣だけではない、槍一郎もみのりもレミも仲間全員がレベルアップしている。それ故にステータスの変化も十人十色、どんな感じかはゲーム内にてじっくり見ていくことにしよう。それを喜んでいる間に剣はゲームの勘が働き始めた。
「……まてよ? ひょっとしたらゲームをやって、こうしてプレイヤーレベルを上げていけばオーブの手掛かりも見つかるんじゃないか? 力も得られてオーブに近づいて一石二鳥だ!!」
ゲームの基礎は大半は、自分のレベルをバトルや決闘で経験値を貯めて上げる事で新たな道が開かれる。
剣はゲームを重ねてレベルアップしてオーブに近づこうと考えたのだ。
「そうと決まったら早速何かやろうよ! あたしまたみのりちゃんとジェンガやりたいし!!」
「あれ楽しかったよね~☆」
何でか女子二人でキャッキャと盛り上がっているが、剣と槍一郎は己のゲームセンスを試したくてウズウズ。
このエリアではチェスを初めとして、リバーシやバックギャモン、ドミノ等々一癖も二癖もあるボードゲームがプレイヤーを待っている。はてさてどんなゲームをやっていくのか……と思いきや。
「見つけたぞ、剣ッッ!!!!」
いきなり飛び交った怒号に剣はビクッと背筋を張らせながら反射した。
その怒号の正体は、黒い制服と学ラン帽を被ったザ・不良番長全開のコワモテアバターとその部下三人。
何やら良からぬ因縁を付けてこっちに向かってきているが……剣たちが脳裏に浮かぶ半透明な既視感、アイツらに面影があるような、無いような。
「…………誰や、お前――?」
続きはまた一旦引きまして、次回に読み語り致しましょう。――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




