【GAME21-3】立海の逆鱗に触れたとき!!
――シャッフル・会心、起死回生!!
人間加速装置の天野槍一郎が、神速のスピードを持ちまして立海遊戯戦団のフラッグを奪い取った!
これは予想だにしなかったでしょう、凄まじき執念が再戦リベンジ、ファーストポイントを獲得いたしました!!
『ファーー! すっごい試合になっちゃいましたね!! こりゃ弟に語り任せて観戦した甲斐がありましたよホント。ほら観てくださいよ、フィールドチェンジでもシャッフル7人の嬉しそうな様子!』
「やったな槍ちゃん!!」
「槍くん凄ーーーい!!!」
「先輩やっちゃったよ立海のフラッグ取ったよオイ!!」
「だから倭刀は落ち着きなさい」
「コイツァめでてぇや、帰ったらお赤飯炊かなアカンな」
「何で赤飯……??」
『普段ゲームで本来の力を謙遜してる槍一郎さんが、土壇場で勝利の活路を切り開いた。
だけどそれは立海にとっては触れてはならない引き金を引いた事になるでしょうね……』
▶▶▶ NEXT▽
「申し訳御座いません銃司様……迂闊でした……」
「あの槍のPASの青髪、速すぎるですの〜!!」
槍一郎にアウトになったフローレン、並びにレミに相打ちとなった桜が銃司に直に負け戦に対し謝罪する。
「気にするな、たかが1ラウンド取られた事で詫びる事では無い。切り替えろ。フローレン、お前は次のラウンド2で兄と共にPASを解禁しろ」
「……ハイですのッ!!」
ラウンド1を奪われ、王手状態にも関わらず冷徹沈着の銃司。だが素人には懐の大きい城主に見えますが、玄人から察するプレイヤーの心眼を見極めるならば、それはまさしく……
(あの役所人間が……ようやく張り合えるようになったか――!!!)
――――立海銃司、対戦相手に火を着けられたか、恍惚に駆られておりますッッッ!!!!!
▶▶▶ NEXT▽
――さぁ互いに戦場のポジショントレードを終えて、ラウンド2へ差し掛かろうとしております!
ラウンド1で使用したPASはこれ以降は使うことが出来ません。故に先程の過激な展開は夢幻の彼方に消えますが、残りのプレイヤーによるスキルからどのようなバトルが展開されるでありましょうか!?
「剣……」
っとここで槍一郎、PASの発動による身体の負担か、一瞬だけ身体がよろめきながら剣に近寄ります。
「……やっぱ無茶したんやろ槍ちゃん。去年のアメイジングウォーズがそんなに悔しかったんか」
「――――悔しかった。銃司にWGCの木偶人形扱いされたのが、僕の心の中にずっと引っ掛かってた。僕なりの意思をこのゲームで伝われば悔いは無いよ。だから僕が仲間に出来るのは……ここまでかも知れない」
「…………分かったよ。槍ちゃんの気持ち、いっぱい伝わった。だから……後は俺達に任しとけ!」
凄まじいPAS発動のリスクか、満身創痍を自ら申告した槍一郎が、先程までの活躍は出来ないと大将の剣に宣告致しました。
思えば一年前の立海と激突した『アメイジングウォーズ』も、彼にとっては満足のいかない事ばかりであったでしょう。
WGCの命令による義務の為か、己の意思の為か。この一年で彼が掴もうとする答えを、迫るオフィシャルプレイヤー選考試練で出してくれるのか。
いや、立海のフラッグを取った事がある意味彼に対する答えだったのでしょうか……?
『READY SET……』
〔『立海遊戯戦団』7-7『シャッフルオールスターズ』〕
◎――――――――――――――――――◎
・プレイヤースキル
【ミラープロテクション】発動!
見えない壁で敵の攻撃をガード!!
◎――――――――――――――――――◎
さぁ再び立海の守護者・瑠璃による鉄壁準備だ。PASは使えないがプレイヤースキルはラウンド毎に使えます!
だが槍一郎だけでなく、他にもPASを使った者が身体と精神が一体にならない、覚束ない調子。そんな中で剣が皆に指令を出した!
「なぁ皆、俺の予想なんだが……立海の連中、見た感じかなりキレてるんだわ。多分ラウンド2は取れへん。だから……PASとスキルは、絶対使うな――――!!!」
『SMASH! GO!!!!』
ラウンド2・スタート!! 投下するスマッシュボール、今度はシェイパー兄妹が2つとも獲得! からの……
◎――――――――――――――――――◎
・サーブルズ・シェイパーのPAS【フェンスソード・サーブル】確認。
PASスキル【クー・ドロア・アタック】発動!!
目にも止まらぬ疾風のフェンシング攻撃!!!
◎――――――――――――――――――◎
◎――――――――――――――――――◎
・フローレン・シェイパーのPAS【フェンスソード・フルーレ】確認。
PASスキル【ボンナバン・アタック】発動!!
天を舞い、360度分身する幻惑攻撃!!!
◎――――――――――――――――――◎
いざとなったら魂を込めろ! シェイパー兄妹・血よりも深い絆のフェンシング攻撃炸裂!!
フローレンは天を舞い、レミ・倭刀・穂香・槍一郎を標的に円を描くように分身。ボールも持って約30人ものフローレンが四人を惑わす!!!
「こんなの……避けられないわよ――!!!」
レミが弱気に呟いたのも束の間、もう一つの刃がその手中を収めた!!
「「――――touche(突き)!!!!!」」
―――SMAAAAAAAAASH!!!!!
〔『立海遊戯戦団』7-3『シャッフルオールスターズ』〕
ああぁっと?!!! シャッフル・前衛陣全滅ッッ!!!!
フローレンが一個のボールでレミを狙い撃ち、更に残り3人をサーブルズが塊になった所をピンポイントに空中バウンドを狙ってのトリプルヒット!!
感覚と瞬発に勝ったシェイパー兄妹のコンビネーションが唸った!!!
「ヤバいな、ワイら後衛だけになっちまっ……」
「『時間停止』――!」
ボォォォオオオオン……!!!
突如フィールドに鳴り響いた古時計の鐘の音。そしてモノクロ模様に硬直した時と空間。これは立海の中でただ一人時空を操れるプレイヤー、時実桜のPAS発動の音だ!!
◎――――――――――――――――――◎
・時実桜のPAS【オールドクロック】確認。
PASスキル【時間停止・進行】発動!!
10秒間ゲームの時を止めて隙を狙う!!!
◎――――――――――――――――――◎
その際に豪樹が取ろうとした二つのスマッシュボールを停止時間に動ける桜が奪い取り、こう呟いた。
「今は恩人の剣さん達に恨みはありませんが……これも立海の勝利の為。ラウンド2は頂きますわ――!!」
――BASH、BANG!!
桜は停止し硬直したみのりと豪樹をボールに当てて、片方のボールを自陣に送って桜も元の配置に戻った。
「『時間進行』……!」
ボォォォオオオオン……!!!
鐘の音と共に再び動き出した時間の流れ。そして例のエフェクトも遅れて表記される。
〔『立海遊戯戦団』7-1『シャッフルオールスターズ』〕
「――たな……って何ぃぃいいい!???」
「何で私と豪樹さんがアウトになってるの!?」
桜の時間停止スキルに気づかず唖然とする二人。更に手厳しいのは剣たった一人が残されたという現実。更には残りのボールが銃司の元に手渡された。なんて残酷な詰み将棋か!?
「貴様ら平民の寄せ集めが……我が立海に通用すると思うなァァァァアアアアアアッッッ!!!!!!」
――SMAAAAAAAAASH!!!
恐るべし銃司のマグナム投法!! 時速160キロ超えだ!!!
〔『立海遊戯戦団』7-0『シャッフルオールスターズ』〕
〔『シャッフルオールスターズ』KNOCKOUT!〕
立海遊戯戦団、パーフェクト完封でラウンド2を勝ち取りました! 逆鱗に触れた貴族は手加減というものを知らない!!
これで両チーム1点勝ち取りのイーブン。次のFINALラウンドで、どちらかが泣こうが喚こうがこの決勝の勝者が確定いたします!!
「……貴様、PASはFINALラウンドでやる気か?」
「お前もそのつもりで温存してたんやろ?」
「……そうだ。俺も貴様も互いに追い詰められて初めて真の能力を発揮する。ゲーム戦士とは単純だが……諦め悪いのはお互い様だ!!」
「これで決着付けるぞ銃司。シャッフルか、立海か、どっちの切り札に勝るか――――!? 勝負だッッッ!!!!!!」
次回、スマッシュ・ブレイカーズ決着!! シャッフルVS立海・最終ラウンド、未来の勝利チームに幸あれッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




