【GAME20-2】奴らの奥手を玉砕せよ!!
――TIPS――
【スマッシュ・ブレイカーズ ルール】
スマッシュボールのアウト判定は、顔面・頭部、肘・膝といったプロテクター部分の接触は無効となる。また地面へのワンバウンドでの接触もアウトとならない。
ただし地面にノーバウンドでアウトになって跳ね返った球への接触、或いは取りこぼしはWヒットと判定される。
――さぁシャッフルオールスターズ、迎撃の時来る!!!
スマッシュボール二個纏めて温存するレッドゾーンのシャッフル陣営。両方一気に投げて攻撃に極振りするか、残りは保留し隙を狙うのか。
そのゴーサインは大将の桐山剣の指示に掛かっていた!
(……やっぱり二個持ち構えは立海とはいえキツイか。そりゃそうだ、まだ六人相手じゃフラッグは取りにいけねぇってか……!?)
剣の鋭い眼が微かに挑発を仕掛けているのでしょうかアイコンタクト、無意識かパチパチとハイテンポな瞬きが立海にとっては目障りなのか。
(焦らしているのか、我らの動揺を狙っているのか剣め。俺とて六人相手にフラッグを取ろうというような早とちりはせん。……だが1セットに定まれた時間は有限ではないのを忘れたか?)
このゲーム、武器を温存して好機を待てるほど懐の大きいゲームではありません。制限時間は5分。
その時間内にアライブしていようとも、その生き残ったチームの人数で自動的に勝敗を喫してしまう。まさに勝敗総決算、狂いなきシビアな裁定。先に動くのは果たしてどっちか……?
「…………倭刀ッッ!!」
おっとここでぇ! 大将権限で所持したスマッシュボールを倭刀に伝達された!!
「了解や剣さん!! 吹っ飛ばしたらぁ!!!」
◎――――――――――――――――――◎
・プレイヤースキル【精神集中】発動!
感覚を研ぎ澄ました百発百中の一撃を込める!!
◎――――――――――――――――――◎
ここで特攻侍・倭刀が気合を充填からのプレイヤースキルの構えだ! これで相手の動きを見切った攻撃を仕掛けるつもりか倭刀。
「……フン、何かと思えば単純な願掛けか。フローレン、サーブルズ! 撹乱だ!!!」
「「承知しました銃司様!!」」
◎――――――――――――――――――◎
・プレイヤースキル【分身の舞】発動!
アバターを分裂させてトリック戦法!!
◎――――――――――――――――――◎
◎――――――――――――――――――◎
・プレイヤースキル【蜃気楼現象】発動!
相手に偽りの幻を見せるトラップ!!
◎――――――――――――――――――◎
対してここでも独走を進めるのかシェイパー兄妹!? 二人のプレイヤースキル。妹フローレンが分身し、更にそれを畳み掛けての蜃気楼を出して錯乱させる兄サーブルズ。まさにクリティカルヒットへの2段階認証だ!!
「キャハハハハ!! どれが本物か分かりますの〜??♪」
「我が主と同胞には指一本触れさせん、蜃気楼の幻覚の果てで彷徨うが良い!!」
煽りに威圧と、精神にも2段階認証を構えるのかシェイパー兄妹。しかし倭刀にこのような戯言は馬耳東風と受け流す。今は己の腕で活路を切り開くのみ……!!
(世迷言に振り回されるな俺。俺は俺の信ずる力で討てば良い。フェイクだって分かってる。あの兄妹が煽るのは立海に武器を回収させる為だって。――剣さんの期待に応えられるような俺の一撃、ターゲットは…………!!!)
精神を高めた倭刀の眼がくわっと見開いた!! そして振りかぶるボールの矛先は、
……ビュンッッ!!!
「――――【鏡】だ!!!!!」
なんと、狙ったのはシェイパー兄妹ではない!! その先の前衛にて所々に設置されている瑠璃のプレイヤースキルによる鏡の壁だ!!!
ボールの向かう壁には左上がりの角度で壁が屈曲している、その慣性に従ってボールは宙に屈折して角度を変える! その先には……
「危ない瑠璃!!」
「え――――?」
――――BASH……!!!
〔『シャッフルオールスターズ』6-6『立海遊戯戦団』〕
己の仕掛けた【ミラージュプロテクション】の壁によって跳ね返ったスマッシュボールが、己の背後から直撃してしまった!! 守護者・玉砕!!!
そして瑠璃が敗退した事で【ミラージュプロテクション】も消滅、これにはシェイパー兄妹も迂闊に死角を突かれた!
「嘘……!??」
「お前、まさか僕らよりも瑠璃さんが狙いだったのか!?」
「お前らなんか元々眼中にねぇよフレンチ兄妹! 完璧なフォーメーションを崩すなら、壁から崩すって前から決まってたんや!! それに……」
◎――――――――――――――――――◎
・プレイヤースキル【パワーショット】発動!
スマッシュボールの攻撃力を大幅アップ!!
◎――――――――――――――――――◎
おっとぉ!? 更にプレイヤースキルの応酬だ!! このスキルの保有者は、
「この豪樹様やでぇ!! これで思う存分、暴れられるぁああああぁあぁぁあああッッ!!!!」
ゴリラアームのビッグバァァァァァァン!!!!!!
――――BACOOOOOON!!!!!
またしてもシェルター破壊!!! 敵陣という名の城壁をこれでもかとぶち壊すのかキングコング豪樹!!
これで防御力を削ぎ落とされた立海、たつ……あら?
立海陣営、敗退した瑠璃以外に誰かが居ない……
銃司、史也、奈々子にシェイパー兄妹。計5名……おかしいな、あと一人は何処に??
「……貴様らの目は節穴か? 俺と同胞がいつ如何なるときも我が陣営に待機していると誰が錯覚した!?」
戸惑う剣たちにせせら笑う銃司。その雑言に更に動揺した彼等の誰か、その背後に…………
「一人の刺客を仕留めたくらいで浮かれてるなんて……滑稽ですわ、池谷倭刀!!!」
――SMAAAAAASH!!!
〔『シャッフルオールスターズ』5-6『立海遊戯戦団』〕
「え……マジかよ!!?」
あぁーーっと!!? 池谷倭刀、音もなく忍び寄った立海の侍女・時実桜に背後からの不意打ちを喰らわれた!!!
「さ、桜……!? いつの間に俺らの陣地に……」
「簡単な事ですわ。自陣地とは言えども決して安全とは限らないという事。――我が立海の第2の攻撃は、既に始まっています……!!」
城壁崩れてまた一難、立海の更なる驚異がシャッフルオールスターズを襲う!! ラウンド1終了まであと2分……
――――今回はここまで!! 次のゲームまでゲーム戦士達に幸あれッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




