【GAME19-4】暗中模索・好敵手の戦法を暴け!!
――TIPS――
【スマッシュ・ブレイカーズ ルール】
ゲーム内で登録するプレイヤースキルは1つのみ。ただし試合前後のインターバル等で次の対戦相手に備えて、所持してあるスキルを入れ替える事はOKとなっている。
相手の特性を捉えて臨機応変に登録しよう!
――スマッシュ・ブレイカーズ公式大会。優勝を勝ち取って完全制覇の照合を得るためには、それを阻む対戦相手と5回戦っていかねばなりません。
優勝候補に匹敵される本当に強いプレイヤーというのは、1勝して『はー良かったホッと一息!』なんて安堵している場合じゃござんせん!
常に戦いにおける緊張感を保ちつつ、優勝を阻む壁である次の対戦相手の分析をして備えるのが、ゲーム戦士の心得でもあるのです。
……だがしかし、更に高い意識を持った強者というのは我々の予想を遥かに上回るものであります、それは誰か? 言わずもがな、シャッフルと立海の宿命組ですよ。
ま、今回はちょいと私Mr.Gとその両チームの様子を伺ってみましょうか!(弟のFにこーゆー話やると長ったらしくなっちゃう!)
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――デュエルフィールドのスタジアム内部は大変複雑なもので、試合会場は大勢のプレイヤーが入る事を推定して、一つのフィールドに飽き足らず別々の次元にて同じ刻で複数のゲームが展開出来るのです。
つまりA〜Hの8つのブロックで、同時に第1試合を始めていたこの公式大会。各々で試合の決着時間や長期戦などのタイムラグが生じる中で、次の試合を調整しながら大会は順調に進んでいく。
そこで休憩の時間を使って他のチームの試合を観戦・研究する為の場所が『控室』。もしくは『各ブロックのフィールド観覧席』の二つ。中には試合終了後直ぐに転送して観戦する者も居る。その見本が……
「ひぇえ〜!! ギリギリ間に合ったーー!!!」
息を切らしながら観覧席に着席するのは、シャッフルオールスターズの畠田レミ。丁度白熱のAブロック第1試合を勝利して間もない頃、お目当ての試合を刮目しようと急いでHブロックのフィールドに辿り着いた。
『SMASH! GO!!』
〔『クリスタリアン』7-7『立海遊戯戦団』〕
レミが観戦しに来たのは、好敵手・立海遊戯戦団のファイティングスタイルを偵察する為だったんですね〜。
今回はMr.Fは居ないから実況の様子を読めないのが残念で……おっとこれは何だ!?
〔『クリスタリアン』5-7『立海遊戯戦団』〕
「えぇ!? もう二人も当てちゃったの!!?」
何と開始早々から投下したスマッシュボールを瞬時に獲得したのは立海のシェイパー兄妹。目にも止まらぬ早業で正確に、かつ豪快に相手をダブルノックアウトした!
「やっぱりあのシェーバー兄妹、只者じゃないわね!!」
あのレミさん? シェーバーじゃなくて【シェイパー】ですからね。これじゃカミソリ兄妹になっちゃうよ。
「ご、誤字報告されなきゃ分かんないわよ!!!」
いや、その前に作者から指摘されてますって……
――などと私が茶番に付き合う暇は無し。この後も立海7人はそれぞれの個性、一長一短をカバーしながら何と2セット勝ち取り・どちらも7人全員アウトにならずのパーフェクト圧勝を勝ち取った! これで立海も第2回戦進出である。
「……大変、急いで剣くん達に知らせないと!!」
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立海の試合と偵察を終えたレミは、スタコラサッサと剣らの元へ戻ってきた。6人揃って控室で身体とスキルの調整中だ。
「おーレミ、どうよ立海んとこの試合は?」
「呑気に構えてる場合じゃないわ剣くん! 立海の方は私達よりもすんごい力持ってたのよ!!」
それを聞いた仲間たちもレミの元へ駆け寄り、偵察した情報を共有する事に。
「……それで、主なアタッカーはあのシェイパー兄妹だけって事だね?」
「そうなのよ槍くん。あの二人、受け取った球を全部相手に当ててアウトにしてるの! シェイパーがどえらいスナイパーなの!!」
……レミさん、シャレのつもりにしてはノリだけじゃないですか?
「うるさいわね!! とにかくあのシェイパー兄妹には皆注意した方がいいわ。お兄さんの方がパワー、妹のはスピードに長けているけど、コントロールは二人ともずば抜けてる」
これを聞いた剣ら6人、全員渋い顔して思惑に更ける。その中で際立った鋭さを見せたのが剣・倭刀・槍一郎の三人。通称『シャッフル3剣士』だ。
「……剣さん、槍一郎先輩。何か立海の戦法にひっかからないすか?」
「奇遇だな倭刀。俺も同意見だ」
「僕もだ。シェイパーは良くても残りの5人が何もしないのが不気味すぎる」
確かに……と我々も関心しちゃいそうですが、あの試合で動いたのは本当にシェイパー兄妹の二人のみ。大将の銃司を含めた残りメンバーは、スキルもアタックもせずに相手の分析と指令を下すだけであった。
「一年前のアメイジング・ウォーズで僕らは彼らのPASと戦闘スタイルは経験済みだ、共有もしてある。
だけどあのプライドの高い連中が同じ手で向かう事はまず無いとしても……スキルも攻撃手段も明かさないのは、おそらく僕らに戦い方を悟られない為!!」
槍一郎の分析・予想において殆ど外したことが無い事を仲間が一番知っていた。そしてそこから、剣の判断へと促されていく。
「……これ以上奥の手を晒すのは危険だな。立海にバラすことになっちまう。残り3試合、出来るだけこっちも悟られずに最低限の力で勝ち抜こう!!」
「凄い縛りゲーになっちゃったね……」
「大丈夫ですよみのりちゃん、素でも戦えるように特訓したじゃないですか」
「たまにはスキルに頼らんゲームってのも、乙なもんやがな! 上等上等!!」
等など他のメンバーもその作戦に肯定した所で、いつの間にやらAブロックの第6試合。つまり勝ち残ったシャッフルとその対戦相手との勝負にシフトアップした!
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シャッフル・第2回戦、初陣と違って感覚が身体に染み込んできたシャッフル7人は順調なペースで進んでいく。
・1セット目〔WIN『シャッフルオールスターズ』6-0『ベルトボンドV&V』〕豪樹の豪腕アタックにて相手チームを全滅。
・2セット目〔『ベルトボンドV&V』2-4『シャッフルオールスターズ』WIN〕前衛・倭刀&槍一郎のヒット&アウェイ戦法からのフラッグ奪取により勝利。
よって第2回戦もシャッフルオールスターズの勝利を飾った!
その様子を今度は、立海遊戯戦団も観ていた……!!
「――どうだ、史也兄?」
「勘付き始めたなシャッフルの連中。あれから一度もプレイヤースキルを発動せずに、自分の力で勝ち進んでいる」
「そうか、それでいい好敵手共。幾ら切り札を温存しようが、最後は力量が物を言う事を思い知らせてやる――!!」
またしても銃司によって掌の上で踊らされている剣達。だがそんな傲慢も何かで伝わってくるのか、バカにするなと奮起するシャッフルオールスターズ。
それぞれの意地が試合に勝ち抜き、互いに近づくにつれてボルテージが上がっていく……!!!
「ナメんなよ銃司……!! テメェ等がどれだけ強かろうとも、俺等にはシャッフルの旗で繋がった絆と闘魂がある事を、決勝で証明してやる――ッッ!!!」
――――龍虎相打つ宿命の決闘、激突まで刻一刻と迫る!! 本日のゲーム、これまでッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




