【GAME18-4】ゲームワールドの新ナビゲーター!?
【Mr.Gからのご挨拶】
全国のプレイヤーの皆さま、新年明けましておめでとうございます! 謹賀新年・はっぴーにゅーいやー!!
2021年も皆さまの魂に響くようなゲームバトルをお送りしますゲーム・ウォーリアー、進化は続くよ何処までも!!
それでは今年一発目のゲートを開いて、ご唱和下さい!!
『オープン・ザ・ゲート』!!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――年末年始の騒がしい御時世を乗り越えて、新ゲーム【スマッシュ・ブレイカーズ】に備えてテストを行い、ベストポジションを決める所まで行き着いたシャッフルオールスターズ。
ホントなら、ある程度戦略が決まって特訓で身を染み込ませてから、翌日に備えて打ち上げに屋台ラーメンで解散……が、7人のゲーム特訓の流れなのですが。
「前衛組が槍ちゃんと倭刀にしたっていうのは、パワーとスピードの組み合わせ方でどんだけ相手を圧倒させるかって事なんよ。そこは二人の力量次第で大きく変わるで」
「あたしと穂香ちゃんはどんなポジションなの?」
「レミちゃん穂香ちゃんはトリックプレイやな。穂香ちゃんのプレイヤースキルは適材適所に使えるもんが多い。レミちゃんはそのサポートに付ければ……な」
(……ん? 豪樹さんあたしの時だけ目ぇ泳いでない??)
今回は下手な寄り道をせずにゲームジム・ギャラクシーにてゲームの特訓、挟んでチームのポジション戦略研究、それを繰り返しながら大会当日までに徹底的に仕上げる意気込みのようだ。
それもそうでしょう、何故なら目標点はチームにとっての好敵手『立海遊戯戦団』なのですから! 宿命の鎖で縛られた剣らゲーム戦士たちは、血眼になりながら勝利並びに完全制覇を視野に入れている。
「ほんで、後衛は豪樹さんとみのりと……俺か」
「切り札は最後まで取っとかんとな。後衛は主に防御と指令と、遠方射撃をメインに決めといたで」
スマッシュ・ブレイカーズにおいて、チームの敷居に立つコーチの豪樹が、各々のデータと能力で分析しポジションを確立させた。
その基準は運動神経のみならず、使用する『プレイヤースキル』と『PAS』も計算した上での事。
しかしそれが完璧であるかと言われれば、決してそうでも無かった。というのも、チームであるからして一つや二つの不安要素が付き纏う。
「私大丈夫かな……剣くんと豪樹さんと一緒の後衛なんて、足引っ張っちゃうんじゃないかな……?」
仲間の中で早くも不安に駆られたのが後衛陣のみのり。そりゃそうですよ、チームの中で唯一PASも覚醒していませんし、プレイヤースキルも能力もこっち向きでは無いのだから。チーム戦となれば責任重大ですよ?
「そうなんだよね……うぅ〜」
「テメみのりに不安煽らせるような語りやっとんじゃゴラァ、シバくぞ?」
……ごめんなさい。謝りますから無表情でこっちに顔寄せるの止めてください剣さん、怖いのでハイ。
「せやで、心配しすぎやみのりちゃん! 女性プレイヤーはハンデでアウト範囲を広げたプロテクター着けて戦うし、みのりちゃんにはこのゲームじゃ結構重要なプレイヤースキルがあるんや」
それを聞いて首を傾げるみのり。プレイギアのプレイヤーステータスをちょちょいと覗けば、指差すのは意外と使われているあのスキル。
「【ど根性】……?」
「コイツはアメイジングでもHPを1残して粘るスキルやが、このゲームじゃ30%の確率で、一度ボールに当たってもアウトが無効になる身代わりのスキルになっとる!」
へーこれは大した保険ですね! しかもこのスキルはみのりだけでなく、剣・倭刀も習得してる為、運が良ければ相当粘れるって事ですよ。
「そうだぜみのり! 一度やられたもんが無効になるって事は大チャンスなんやで。もしかしたらそれで勝ちが取れるかも知れへんって訳!!」
「……本当?」
それでもまだまだ半信半疑のみのり、そこへ波のように仲間のエールが押し寄せていく。
「ゲーム戦士は皆一長一短だよ、時には苦手なものくらいあるさ」
「んな事気にせんでも俺らが守ってやりますぜ?」
「みのりちゃんっ!! 貴方あんな良いスキル持ってるんだから自信持ちなさいよ!! あたしなんて調合術持ってるけどこのゲームじゃ皆無だし……」
「レミちゃんが泣いてどうするんですか!?」
「あ、ありがとう皆……あ、あはは……」
強い絆で結ばれたチームに何も怖いものは無いが、ただ過剰なまでの皆の優しさが怖かった。負担を掛けさせまいとする行為は、返ってみのりのプレッシャーを押す羽目になったのだった。
「……ま、まぁ、ともかく今度はプレイヤースキルを使ってもう一回実戦で試してみようや。飯食ったら始めるで」
今夜はギャラクシーに泊まってスマッシュ・ブレイカーズ攻略を目指してのブートキャンプ状態。豪樹の指導によって再びシュミレーションついでに腹ごしらえをしようとした所、無意識な癖かまた槍一郎が唸りながらの考え事に剣は反応した。
「……どないしたん、今度は何の考え事やねんな槍ちゃん?」
と剣は問いて、浮かない顔は槍一郎。
「厳しいかもね……チームで立海とやり合うのは」
「…………悔しいけど、俺もそれは薄々感じちまったよ」
口には出さぬが既に剣と槍一郎には、立海という壁が高い事を力量の差を持って、感付いてしまったようだ。
「ただでさえ僕らとやりあった立海の5人はハイスペック揃いなのに、新メンバー二人を伏せていたんじゃ対策の仕様が無い。……まずみのりちゃんやレミ辺りのネックを補わないと」
「……弱点を埋めるのもアリやけど、俺らが持てる勝算も広げときなよ槍ちゃん。ネガティブよりポジや。不安ばっか抱えちゃ勝てる運も逃げるぜ?」
理論と打算で分析する槍一郎に、剣は珍しく反論した。それを聞いた槍一郎も、満更でも無しに笑って返す。
「フフッ、なるほどね。君の豪運はそこから来るのかも!」
「久々の銃司との勝負なんや、粋に行こうぜ、粋に――!!」
かくして更に熱意に拍車を掛けるシャッフルオールスターズ、大会までにチームの個性・弱点を乗り越えた先に何が待つのでありましょうか!? 本日のゲーム、これま――――――
『ちょっとG兄さん!!! 紹介も無しに終わるなんてそりゃ無いでしょう!?』
――――あ、そうだ忘れてた!!!!
えーと実はですね、今回新年を迎えたのを境に、私語り役兼地の文担当のMr.Gは、ちょっとしたテストをしようと思ったんです!
口八丁名調子をモットーにやるのが私ですが、ゲームに付き物の実況を小説で展開するのはカテゴリーを超えてしまうんです。個性的にね。
そこで、今回のゲームは実況風に展開しようと考えまして、適材した新しいナビゲーターを用意しましたんでご紹介します。
おーい【Mr.F】、出てきて〜!!
「――――さぁやってまいりました! お兄さんのMr.Gに負けず劣らず口八丁に手八丁!! 小説内で展開するボキャブラリーのリミットブレイカーがついにこの『ゲーム・ウォーリアー』というVRMMO小説の凱旋門にて実況をする時がやってまいりました、初実装であります!!
担当は私、額縁メガネにインカム着けて、背広スーツに移動用ホバーで実況を致します。――Mr.Fがゲーム実況ナビゲーターとして務めさせていただきます!!! Mr.Fの『F』の字は古舘◯知郎のリスペクト、というよりもFIREの『F』、炎の実況スピリッツ――」
――はいそこまでッッッ!!!!! コイツ一度喋りだすと止まらないんだから全く……
そんなトーキングモーターのMr.Fは、私の弟で御座いまして、今回からゲーム実況の際はこの方に地の文兼実況を担当します!
皆様何卒ご贔屓の程を、因みにゲーム間の休憩等は通常通り私が担当しますよ!
それでは今度こそ本日のゲーム、これまでッッ!!
「――――得意な実況ゲームと致しましては『スーパーマリオ』、あのSASU◯Eのモチーフとなりました世界的有名ゲームはまさに適材適所と言わんばかりのトーキング認定十段のセン――――」
まだやってるよ……まぁ皆様宜しくね。
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




