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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME17-9】『正義』、とは……!?

 

 ――――異世界決闘場『4・D』フィールド、常闇の夜空にクリアーなネオンライトで彩られた摩天楼。

 時過ぎて夜の帳が上がると同時に、ネオンは消灯し高層ビルの隙間か眩しい日差しが差し込む。率直に言うなら『夜明け』の刻。


 先程まで魂煌めくゲーム戦士が、この上空にて刃時々盾を振りかざしての大激闘を繰り広げていたのもいざ知らず。ビルの上から見下ろす交差点では人々や車が行ったり来たりと、都会ならではの様相が伺えた。



 ――さて肝心の剣と龍牙は何処かしらと、私がビルの周りを探しても見当たった姿は無し。『じゃあさっさと探せよ!』というリクエストにお応えして調べたならば……ちゃんと居ましたよ!


 戦い終えて果てた二人既に『4・D』の空間を抜けて、その近隣にある休憩ベースの寝床に就いていた。()()()()()



「――――ッッッば!!!! ……はぁぁ、デッケェ剣山に身体串刺しにされる夢見ちゃったよ!!」


 意識明け早々になんて物騒な夢見てるんすか。そんな災難に会ってガバッと床から起き上がったのは桐山剣。

 寝ぼけた面で辺りを見渡せば、みのり達シャッフルオールスターズが心配そうに見守っていた。


「剣くん、お疲れ様!」

「急に起き上がったらお身体に触りますよ!」


 剣に問い掛けたのはみのりと穂香、こんな看護婦だったら2週間入院でもムラムラ……(咳払い)。それはともかく、ぼやけ頭が仲間の呼び掛けでシャンとなった剣はハッとしてある事を思い出した。


「あ、そうや!!! ゲームは!? 龍牙とオーブはどうなったん!!?」

 案の定ゲームの結果を真っ先に気になる剣は、ギャーギャー騒いで心労疲労もお構い無し。そこへ叫喚を遮るドスの効いた声、


「喧しいわクソボケェ……!! おちおち寝てらんねぇじゃねぇか」

 その声の主は剣の寝床の横に並んで寝ていた忍野龍牙。


「お前……」

「我ながら俺様も堕ちたと思うぜ。てめぇの女友達に看護させられたんじゃ恥晒しもいい所だ、畜生が……」

「別にアンタは摩天楼の上で野垂れ死にでも良かったんですけど!! い〜だ!!!」


 情けを掛けられた事にふて寝する龍牙に、不本意ながらに寝床に運んだレミが御冠。こーゆーのを()()()()の傾向と言うんですかね? ……ちょっと違うかな?


「済まないな、二人をここへ運んだのは私の命令だ。だがここに集まった皆が丁重にこの寝床まで運ばせてくれたのだ、礼はしっかりしておきたまえ」

 そこへベースに現れたのはスピリットプレイヤーのジャスティス様。主催者として自ら足を運んでくれたそうだ。



「私が用意した『4・D』のフィールドの謎を見事攻略し、全身全霊の勝負をここまで魅せた君達には称賛に値する。さて、肝心のオーブなんだが――」


「「どっちが勝ったんすか!!? えぇッッ!!!?」」


 同タイミングでジャスティス様が結を言う前にでしゃばる2人、そういう所も似てるんでしょうね。


「落ち着け、急かしたところでオーブは逃げん! ――今回のオーブビッグゲームを制したのは……こうだ!!」


 ジャスティス様が両手掌から編み出したのは赤い珠、正義を司る『義』の意を組んだ【ジャスティスオーブ】。


 それが何と……()()持っていた。



「……はぁ??」

「オーブが二つ……って事は――!?」



「―――オーブ獲得は剣と龍牙、つまり【引き分け】だ!!!」



 んな事急に言われたって剣も龍牙も、はたまた読者の皆様もちんぷんかんぷん。はてさてどうしてこうなったのか、私が口八丁ながらにゲームの結果説明を致しましょう。


 ▶▶▶ RESULT▽


 ゲーム最後に繰り広げた応戦、龍牙が怒り狂って繰り出したアクションカード《火遁の術》。


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【火遁の術】EG:⑥

 属性:赤

 ①相手フィールドのユニット・

 プレイヤーに500ダメージを与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


 こんな感じで対象に取らずに全範囲でダメージを与えるカード。対して剣が迎え撃ったのが例のPASスキル。


『エーススラッシュ……結晶斬りィィィイイッッッ!!!!!!』


 特訓強化によってパワーアップした剣の必殺技『エーススラッシュ』。新たに編みだした『結晶斬り』は、【相手が繰り出したカードのダメージを相手にも与える】という効果でした。


 謂わば反射技なのですが、肝心なのは受けるダメージは0には出来ず()()()()()()()()()()事。


 まだ未熟故の能力の為、既にHPも100以下となった2人は同時のタイミングでダメージを受けてダブルノックアウト。剣のプレイヤースキル【ど根性】も発動せずHPはそのまま0。


 よってこの勝負は両者同時にHPが0になった為、オーブビッグゲームの結果は引き分け・ドローとなったのでした!!



「『なったのでした』じゃねぇよ!!!!」

「結局白黒付けられんで決着は白紙に戻ったんか!? オイ!!!」



 そりゃ異議申し立てるのは分かりますけども……私審判じゃないし、解説兼語り役ですし……ちょ、胸ぐら掴まないで、助けてへールプ!!!



「――――戦いに白黒付けられない時もある。【正義】もそうだ、意志のぶつかり合いはゲームでは片付けられない複雑なものだ」

「「……あぁ??」」


 と助け舟に乗って静止したのは我らがジャスティス様! と、何やら二人に説教をするようですよ。(助かった……)


「ゲームは終わったが改めて二人に質問する。――お前達にとっての、()()()()()()()?」


『んな事急に言われたって……』ってな顔できょとんとする剣と龍牙。ありのままの意思で答えを出した。


「……世の中のルールを悪い奴から正す事?」と剣。

「自分が正しいと思ったことを貫き通す事」と龍牙。


 それぞれの性格に合わせた答えを正直に言った。


「……うむ、それがお前達の思う【正義】なのだな。どちらも間違っていないのだが……本当の所は、私も正義の真の本質は分からぬのだ」


 ジャスティス様も正義が分からないとは、ちょっと矛盾してませんかね?



「元々正義なんてものに『善』も『悪』も無いのだ。お前達プレイヤー達の()()()()()()の強さが勝手に正しいと錯覚して、それが【正義】と称されただけの事。屈曲とも言われがちな理論であるが」


「「…………」」



「今の時代で言える『正義』は、結局は強い者が言えるものに過ぎない。だがお前達はそれぞれの意思をカードと魂でぶつけ合い、己が持つ正義をこのゲームで証明してみせた。


 ――これからのこの時代で()()()()()()を示すためにも、このジャスティスオーブを二人に託そうと思う。受け取るが良い」



 ――友を守ろうとする想いが戦いに繋げた正義。

 ――絆を引裂こうと戦いで傷付ける事を選んだ正義。


 果たしてどちらとも正しいと言えるのか、誰が正しいか等誰も知る由が無い。

 誰もオーブを手を差し伸べられず、未練が残したような素振りで剣がジャスティス様に物申した。



「そいつを受け取る前に……龍牙(コイツ)に言うこと言ってから、オーブを受け取って良いか?」

「……俺様もだ。(あんちくしょう)に言ってやりたい事が一つだけある」



「…………良いとも。オーブは未練のある者を選ばん」


 それを望んでたかのようにジャスティス様は二人の対峙を認めた。

 剣と龍牙、互いに寝床から起き上がって立ち上がり相対する。そしてひと呼吸おいて……言霊を放つ。




「……龍牙、お前が本当に外道に成り下がった時は……」

「……剣ぃ、てめぇが目指す英雄とやらに成り上がった時ゃ……」



「「俺(様)が、この手で……!!」」



 その刹那、互いの利き手に拳を込めて思い切り相手に向かって振りかぶる。その拳は向こうの拳にガツンッと鈍い音をしながらぶつかり、両者の痛撃を神経の髄まで感じた所で…………本音が鼓動となって共鳴した。




「「お前を、ぶっ飛ばしてやるッッッッ!!!!!!!!!!」」




 その拳に秘められた()()は、如何に――?



 ◇――――――――――――――――――◇

 【ジャスティスオーブを獲得しました!!】


 ・オーブ獲得によりエリア・ゲームが複数

 アンロックされました!!

 ・『カード強化』・『カード進化』

 が開放されました!!

 ◇――――――――――――――――――◇


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――両者共々、ジャスティス様の権限に認められ、赤い宝玉【ジャスティスオーブ】を手に入れた剣と龍牙。


 オーブを渡された後、ジャスティス様は何やら用事を思い出したかのようにこの場から立ち去り、龍牙の方もあの後は、剣や仲間達に何も言わずにこのエリアから立ち去った。


 あとに休憩ベースに残されたのは剣を含む、シャッフルオールスターズ・7人のゲーム戦士のみ。



「あの様子じゃ、まだ和解には早いみたいだね」

「剣くん大丈夫? 悔いは残さなかった?」


 終止二人の戦いを見届けたみのりや槍一郎は野暮な質問はせず、分かりきったかのような言い方で剣をフォローした。


「……まだ決着は付いてないし、このゲームでアイツが変わんなかったのは正直辛いけど……でももう大丈夫や、悔いは残さんかった!」


 その仲間に振り向いた表情たるや輝かしい笑顔を魅せた剣。


「アイツにゃ、俺の散らばった旧友に直で頭下げて謝罪させなアカン。俺はそれを果たす為にまた戦うだけさ。これ以上変な気起さん為にもな!」


「えらいっ! 流石剣くん!!」

「イヨッ、切り札騎士!!」


 決意を固めたゲーム戦士ほど真に、芯に強い者はいない。

 憎しみを捨てて、闇に堕ちた旧友も今の仲間も全力で守り抜く意志を固めた桐山剣。今ここに剣・盾の双魂PASの力が授けられた!


 かくして【仁】【義】のオーブ二つもゲットしたシャッフルオールスターズ。残り6つのオーブは何処か、新たに待ち受けるゲームと決闘に備え――――



「――――見事だったぞ。切り札騎士・桐山剣!!」



 ……いや、もう既に新たなゲームへと誘われるようだ――!!



「お前……銃司(じゅうじ)か!!?」



 突如現れたのは『立海遊戯戦団』の団長にして剣の最大の好敵手、立海銃司! それに麗しき侍女の時実桜(ときざね さくら)。彼等の登場は一体何を示唆しているのでしょうか!?



 さぁここから先の新ゲームは来年2021年、年をまたいでの挑戦となります! 大晦日・正月に因んだチームを掛けてのビッグゲームの詳細はまた次回を挟んで申し上げましょう!!


 ――本日は【GAME17】、並びに第2章・2nd STAGE(セカンドステージ)はこの回を持って、読み終わりで御座いますッッ!!



 ▶▶▶ LET'S GO! NEXT STAGE!!▽

▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


さぁ次なるステージは特別版! 名付けて【BONUS STAGE】の大勝負!!


2020年→2021年を駆け抜けるシャッフルオールスターズ総出のビッグゲームの詳細は……次回を待て!!!


アメイジング・ウォーズ以来の大激突!

『シャッフルオールスターズ』VS『立海遊戯戦団』再び!!!!


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