【GAME17-5】光と影の摩天楼!!
――TIPS――
[プレイヤースキル講座]
【絆の盾】(桐山剣/ACEが取得)
AMAZINGにおいて、発動後フィールド上の自分ユニットの数分×200、自分ユニットのHPとプレイヤーの装備した武器のGP(防御力)が上がる。
――漆黒の夜空、生きる者の道標に照らされるクリアーライトのネオンの群れ。
そんなメトロポリスを生き抜く人々を眼下より見下ろす高層ビルの天辺に、刃を携え牽制しあう二人のゲーム戦士……!!
「剣ぃ、やっと会えたな。俺様の望んだ処刑所を良く見つけられたようで……嬉しいぜ」
「お前はロマンチストやからな。昔っから忍者に憧れてて、いつか大阪の都市を駆け回ってみてぇとかデッカイ夢持ってるのを今でも覚えてる。――今でもそうか?」
「……あぁ、変わんねぇよ。傍から見て、俺様がやさぐれてると思われようとも恍惚を求めるもんは何一つ変わんねぇ。変わったことと言えば……」
牽制し合う刃から一転のその刹那、相手のディスタンスから突き出し掛かってきたのは龍牙の忍刀であった!
「テメェの事が心底憎ったらしい、ブッ殺してやりたいって思ったくらいやあああああ!!!」
龍牙の右手に付き出す忍刀の《シノビブレード》。抜けば玉散る氷の刃……もとい、漆黒の刃の太刀構えは世辞でも決して綺麗とは言えない。
刀特有の殺傷に斬撃も刺突も使わず、ただ刀身を使って腕を振るい上げ力一杯叩きつける。品も風情も無い戦い方、あるのは敵への殺意のみ。
「良いぜ、イイぜぇ……! いざテメェと戦うとなりゃ、溜まった憂さもスカッとすらぁ!!」
「まーたイライラしてんのか? 殺るのが俺で済むんなら……相手してやんよ!!」
一方の剣、驚くことに恨みや怒りの意を一切見せずに龍牙の太刀をひょいと交わしてカードを引き、そのままスキャンさせた!
『カスタムツールカード、【ナイトシールド】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【ナイトシールド】EG:③
DP(防御力):500
属性:赤 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『カウンターブレイク』AP:100
・10%の確率で敵の攻撃を防いだ後に
その反動でダメージを与える。
◎――――――――――――――――――◎
何とここで剣が新たな戦法に打って出た! かつて剣も《ファイティングブレード》の剣一本で戦っていたが、今回の龍牙の戦法に防御を固めるべきと考えた剣は、西洋の騎士でお馴染みの逆三角形不死鳥の翼を広げたエンブレムが刻まれた《ナイトシールド》で攻守共に固める体制に入った!
「何だぁ……? でっけえ鉄板抱えて戦えんのかぁ!!?」
――ガキンッ!!
殴りかかった刀に剣は《ナイトシールド》をかざして、その打撃を受け止めたと同時にあるエフェクトが発動した!
◎――――――――――――――――――◎
・《ナイトシールド》必殺技
『カウンターブレイク』発動!
◎――――――――――――――――――◎
「ぐぉおッ!!?」
〔KUROSASUKE HP1100→1000〕
盾の衝撃、反動によって体制を崩された龍牙。更に剣の元に辿り着くまでフィールドのトラップによって若干ダメージを食らっていた、彼は初めて剣によってダメージを与えられた。
「……ヘヘッ! 初めて盾を使ってみたが、我ながら様になるもんやな!」
――騎士には剣のみならず『盾』も必要と考えた剣は、特訓も兼ねて防衛術を身につけた。実はこれが非常に戦力の幅を広げていった。
剣の今までのファイティングスタイルにおいて、武器の剣のみでアタックし、そのサポートとしてユニットやアクションカードで確実な攻撃を成功させた反面、防御面においてはどうしても隙が大きかった。
そこでもう一度自分の戦い方を見直し、少ないHPを守るためにガードを固めるスタイルを加えた事で隙の無い戦いが出来るようになったのだ。まさしく騎士道を尊重した攻守バランスの取れたスタイルだ!
「よーし、今のうちに!」
剣は再びカードを引いてブレスにスキャン!
『ユニットカード、【隼剣士・ファルザー】!!』
畳み掛けるように新カード登場! 今度はユニット、な、何と二刀流の構えを取った美形の騎士が推参した!! イラスト書いていたらファンできそうだ。
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【隼剣士・ファルザー】EG:④
AP:100 DP:300 AS:10
属性:青 ユニット/ナイト
効果:このユニットは1回の攻撃宣言時
に2度攻撃できる。
◎――――――――――――――――――◎
(2回連続攻撃……か)
龍牙はそのユニットに対しリアクションを取らず、相手に悟られないようカードを引いて、そっとスキャンさせる素振りを取った。剣は気づいてなくとも私はちゃんと見てますよ!
だがこの際にブレスの発動音声は流れない。これは相手に知らせずに構える【トラップカード】の仕掛けを意味する。剣に対して龍牙はどんな罠を仕掛けてくるのか?
「今度はこっちから行くぜ? 《隼剣士・ファルザー》で攻撃!!」
発令されたユニットへの攻撃コマンド! 二つの剣を携えて連続攻撃に向かう隼剣士、二刀流十文字斬りが龍牙目掛けて炸裂する……
――――と思いきや!?
「……!? 龍牙はッ!!?」
ファルザーの前に龍牙の姿は無い。あるのは忍び装束を着せられた藁人形のみ。実態は……上だ!!
『トラップ・アクションカード、【変わり身の術】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクションカード>
【変わり身の術】EG:③
属性:黒
・効果:【トラップ】ダメージ付加時
自分の受けたダメージ・攻撃を無効にする。
◎――――――――――――――――――◎
「バーカ!! 自分に詰めが甘いって事が、まだ分かんねぇのかァァァ!!!」
天空に飛び出した龍牙に振り落とされる手裏剣の雨。一手取られたかと思われた、次の瞬間!
『カウンター・レスポンス発動』
「――!??」
カウンター・レスポンスによって止められた反撃の刻。その最中に剣はカードを引き出してスキャン!
『アクションカード、【ビハインド・ムーブ】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【ビハインド・ムーヴ】
属性:青 EG:②
・効果:相手フィールドのユニット
またはプレイヤーの背後を瞬時に移動する。
◎――――――――――――――――――◎
その刹那宙を舞う龍牙の背後、更に宙空に瞬間移動した剣の姿が!!
「詰めが甘いつってるお前が、一番詰めが甘いと思うぜ!!!」
――斬ッッ!!!
〔KUROSASUKE HP1000→900〕
更にもう一撃……!!
「《ファイティングブレード》必殺技! 『ソニックブレード』ッッ!!」
「おおおぉぉぉぉお!!!?」
ダメ押しとばかりに撃ち放たれた斬撃の衝撃波! その圧に押されて重力の法則によって、龍牙は空中から高層ビルの地に叩きつけられた。
〔KUROSASUKE HP1000→900〕
前回の初戦に比べ、圧倒的に剣の優勢に立ったこの勝負。地面から立ち上がった龍牙がこの変化に少なからずも動揺を覚えた。
(あの野郎……前に戦った時よりも立ち回りが迅速にスピードを増してやがる。いや、それどころか俺様の動きを読んでいるような動きだった! たった二回の交戦で、学習ってのか!?)
いや、これは更にプラスして過去の龍牙の行動・性格を読んでの剣の畳み掛けた戦法であった。長いこと付き添った経験が戦いの中で、リスペクトされている様にも見える。
「ガキの頃俺と忍者ごっこする時ゃ、騙し討ちからの空から奇襲。お前が一番好んでた戦い方やんか? 癖ってのは中々直せねぇもんだよな!」
剣に先を読まれた事が、本心ながら刺激となり苛立ちの方向へと進んでいく龍牙。
「……昔話はもう沢山や。こっから先は二度と思い出話出来んようにしたる。――俺様の忍者ユニットを持ってして!!」
龍牙の応戦ターン、カードを引いてユニットを召喚!
『ユニットカード、【爆炎の忍者】!!』
「!!」
遂に出てしまった。桐山剣を徹底的に痛めつけられた忍者ユニット。フィールドと手札を行ったり来たりして翻弄する忍術の大盤振る舞い、これによって再び剣は彼等の前に跪く事になってしまうのだろうか? ……いいや、そうでは無かった!!
(来たな忍者野郎。お前らを超えないことにゃ……龍牙に俺の刃は届かねぇ! 始めたるか、切り札騎士の知恵比べを!!)
忍者を前にして知性を張り巡らせる切り札騎士・桐山剣! 果たして忍者ユニットを攻略する方法は見つかるのか!?
その続きは、また下がって次回にてお魅せしましょう! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




