【GAME17-3】本当の戦場は何処? 4・Dの導き!!
――――――――PLAY GAME――――――――
[オーブビッグゲーム 2ndSTAGE]
☆アメイジング特殊ルールその⑤☆
【4・D ―DEFERENCE・DATA・DUEL・DUNGEON―】
・ジャンル:カードアクションゲーム
・プレイヤーレベル:45
概要
灼熱地獄・針山地獄など幾多の地形を凝縮させた異次元空間『4・D』を舞台に挑む1VS1のアメイジングバトル。
各空間に設置されたゲートで移動をしながら、敵プレイヤーと合流し、フィールドとプレイヤー同士の心理を駆使して戦う。
★勝利条件★
2名のプレイヤーいずれかのHPが0になった時点でゲーム終了。生き残ったプレイヤーがオーブ獲得となる。
※ただしそれはアメイジングでの決闘以外でのダメージも含む。
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『オーブビッグゲーム・2ndSTAGE、【4・D】開始ィィィィイイイイイ!!!!!』
スピリットプレイヤー・ジャスティス様の天地をひっくり返す程の大号砲、そして高音で耳もキーンと来そうなスタートコールの大喝采。これが二人のゲーム戦士の闘志を着火させていった!
「もう着いてるから!! 闘志の炎云々よりも嫌でも燃やす気でいるから!!! あ゛つ゛ううううううッッ!!!!」
着火どころかボヤ起こして火事寸前の状態にいるのは桐山剣。何しろゲーム開始から既に灼熱地獄に飛ばされたのだから、こんな殺生な事はない。
「ゲートゲートゲートゲートゲートゲーゲートゲーゲートゲトゲートッゲー?!!?!?」
一刻も早くこの場から離れたい、そんな感情が脳内で大乱闘を起こしている剣の心情。溶岩の池・火柱・火炎玉をも乗り越えて極限の限り突き進む剣! これが本当の『火事場の馬鹿力』って言うんですかね?
「イッテルバアイカァァァァァ!!!!!!!」
どうやら私のユーモアも聞く余裕も無いようで……ちょっとガックリ来ましたが剣はようやく次の空間へ誘うゲートへ手が届き、迅速の速さで扉を開いた。さて次なる空間は……
「………………嘘やん」
剣を誘ったゲートがいつの間にか背後に消えて、熱気に襲われ焦燥した顔した剣が一転、冷めきった顔して茫然自失。いや冷めているのは剣だけではない。
――フィールド全体が氷河絶頂期、白銀の雪景色なのだから!!!
「すんません、水風呂何処っすか?」
ツッコミ放棄してサウナ感覚でボケるの止めてください。
▶▶▶ NEXT▽
さて、こちらは龍牙の針山地獄。先端恐怖症の方は閲覧ご注意下さい(2回目)。
(針ばっかで戦いづらい、刺すなら俺の刀で刺したほうが良い……場所替えや)
ギャーギャー騒いでいた剣と対照的に、常に冷静に場を見極めながら忍び足で針山を駆け抜ける龍牙。それに加えてどの場でどんな風に剣を傷めつけようか良からぬ事を交錯中。龍牙、恐ろしい子!
そして同じくゲートへ向かい扉を開いた龍牙。次なる舞台は、
「……尖りの次は丸みか?」
何とゲートの先に待っていたのは球体の世界。これなら先端が怖い人もホッと一息、しかし色とりどりに地面に壁に宙に丸いものが散らばってると無性にアイス食べたくなっちゃいますね。
「……何考えてんだかこの空間は」
これまた思い通りの空間に辿り着かず、呆れ余って多少苛立つ龍牙。
しかし妙におかしいですね……炎と転じて氷の世界、針が転じて丸の世界。これじゃあべこべ、一体どんな仕組みになってるんでしょうか、4・Dの世界は?
▶▶▶ NEXT▽
ちょっともう一度剣の元へ戻りましょう。ゲームの世界だから多少エフェクトで反映されども、温度の急激な変化に風邪引かないか心配になりそうな剣。だって作者さんもそれで若干体調崩したんですから。
「ブルブル……俺ぁ寒いの嫌いなんだよ、はぁぁ温かいコーヒー飲みたい、風呂入りたい、龍牙シバきたい……」
欲望願望に多少の暴言をスパイスに愚痴る剣。すると……何やら吹雪の白い弾幕から人の姿をした影が薄っすらと見えた。
「……!? アイツは――!!」
黒装束に殺気立った眼をしたアバター、まさしくその実態は忍野龍牙!
「メッケたぜ、喧嘩の続きや龍牙ァァァァ!!!」
直ぐ様剣はプレイヤースキル【騎士剣 招来】を発動し、《ファイティングブレード》を片手に龍牙に突っ込む剣。それに気付いたか龍牙ひらりと身を交わして間合いを広げていく。
「逃げんなテメッ……戦う気あんのかッッ!!?」
剣を振りかぶろうとも回避する龍牙。何故か彼から殺意どころか戦意すらも感じない動きに憤る剣。
それも道理、今の彼の状況は傍観するギャラリーだけが知っている。
「剣くん……? どうしちゃったの!?」
「こんなとこでシャドウ剣術してる場合ちゃうやろが!!」
みのりも倭刀も剣の奇行に戸惑う。外観モニターに映ったその実態は、剣が勢いあげて振り上げるブレードの先に敵の姿も形も無し。
つまり、幻影に惑わされていた。
「いや、おかしいのは剣だけちゃうで」
豪樹は剣とは別に龍牙の様子をモニター伺うも何と、彼もまた同じように実態の無い幻影に惑わされ憤りの限りに武器を奮っていた。
「……なんだか、二人ともこの空間で敵意とか焦ってる気持ちを見抜かれて、弄ばれているみたい……」
更にはレミまで核心ついた言葉を漏らす。そんな時客観的にゲームの本質を、或いは剣と龍牙の心境を分析しながら4・Dの解析に浸っていた。
(『弄ばれている』か……確かにフィールドの変換といい、幻影を出してる時といい、まるで二人の意志を通じて空間が変貌してるような、そんな連想が浮かび上がる。もしやと思うが……)
剣が灼熱地獄で暑がり、涼しい所へ向かいたいと思ったが氷河の世界に行き、龍牙が白けて針山を変えれば、今度は逆の丸みに帯びた世界に飛ばされた。
そして今幻影と戦っている二人の心境は、
『『早く、アイツと決着を着けたい……!!!』』
その修羅場で駆り立てられた焦燥が幻影を呼び、彼等を更に惑わせていく。曇りの見えた心境に『4・D』はその決着への血路を切り開いてはくれない。
(……焦るな、迷うな、恐れるな剣! 君の志した意思は残影で迷うものでは無いだろう? 落ち着け、落ち着いてその信念を貫き通せ――――!!!)
暗に願う、親友・槍一郎の剣への想い。4・Dを舞台に出会う事が出来るか真の好敵手の元へ!!
この続きはまた一度この場を下がって再び申し上げましょう! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




