【GAME16-9】炎と雷の双剣!!
――アメイジング・無双モードも、いよいよ峠のクライマックス!
敵の最後の砦 《ガーディアンゴーレム》の壁に阻まれ苦戦を強いられていた桐山剣。しかし人間良い事をすれば必ず報われるもの。
左に《ファイティングブレード》なる剣を携えながら更に一本、命懸けで助けた城下町の住民から授けられたアメイジングカードを発動し、二本の剣の二刀流で構える桐山剣! 何かややこしいなぁ……
何はともあれその右手に握りし新たな剣は、稲妻の如し雷轟の切れ味を誇る名剣、《ボルテック・セイバー》なり!!
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【ボルテック・セイバー】EG:⑤
AP(攻撃力):300 PP(使用回数):10
属性:黄 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『稲妻閃光斬』EG:④ AP:400
・切っ先に雷の電流を蓄積させて
周囲円月に敵を切り裂く。
◎――――――――――――――――――◎
情熱の赤と弾ける黄色、今二つの剣に交わる混色の刃に炎と雷迸る。これぞ切り札騎士の二刀流、炎雷の刃が敵軍勢をも凌駕する!!
「くっ……幾ら騎士が刃を一つ加えようとも、我が砦を覆せると思うのか! それ掛かれーーー!!」
レジスター隊長、号砲一発かませばわーーっと群がる雑兵軍団。それにも屈せず剣は二刀流の構えを解かずに右腕上段・左腕中段。互いの刃を交じることなく相手に見せつける逆Z文字。
――敵がなだれ込むように迫る、その間合いは秒も立たぬうちに数ミリの距離に達した、その刹那ッッ!!
「でぇぇぃいいやァァァあああああ!!!!!」
構えた両腕両刀、それを目一杯左右に腕を広げて見切り先手必勝の二太刀!
これぞ切り札騎士・二刀流乱舞の始まりの合図となりて、斬れば飛び散る五月雨の火花。電流と火種とがあちこちに閃光を照らせば、敵もバッタバッタ倒れて、散らすは無念の線香花火!!
「すげぇ……! 敵を斬るごとに鞘の所まで電流がビリビリッて俺の心臓にまで来そうな刺激が来やがらぁ――!! こんな畜生倒すにゃ退屈はしねぇわな!!」
電流が心臓寸前まで来るって滅茶苦茶ヤバい事じゃないですかねぇ? しかし剣にとっては白けたゲームに刺激注入・発破掛けに丁度よし。怒りも制御しつつ非常にその剣筋が冴え渡っていた。
「えぇい、ならば数をもって制す、武器を収めてこのプレイヤーを取り押さえろ!!」
その令聞いて雑兵は身体諸共剣にガバッとのしかかり、それが10人20人と積み重なって騎士をも沈める人間屑山。完全に剣の行動を制圧していった……と、思いきや?
「必殺……『稲妻閃光斬』ッッ!!!」
――THUNDEEEER!!!!
屑山の中央に雷が直撃! その衝撃で山は吹っ飛び、避雷針の役割を果たした《ボルテック・セイバー》に電流に帯びた刃が光る。その電刃に円殺法、円の字描いて一刀両断!!
「「「ぐぬぉぉぉおおおおッッッッ!!!?」」」
雑兵飛び散って戦場は一掃。恐るべし稲妻の力を携えし《ボルテック・セイバー》!!
残る敵は威張り諂ったレジスター隊長に、最後の砦ユニットの《ガーディアンゴーレム》。
「ぐぬぬぬ、吹けば飛ぶ役立たず共め……もうこうなれば手段は選ばん! ゴーレムよ、この小童を潰してしまえ!!」
『ゴォォォオオオッッ』
主の命令に応じ、またしても轟くゴーレムの叫び。
これに対して剣はキッと鋭い眼をゴーレムに向けて、さっきとはまた異なる構えの体制に入る。
刃は後ろ側に後退し、代わりに身体の右側に両腕をクロスさせて身体は若干後ろ反り。そして左片足を前に向けて二つの刃に力を一点に全集中させる。
「居合いなんぞで気取りおって! それ潰せーー!!」
レジスター隊長の指令に、ゴーレムの正拳が地面目掛けて振り落とす!
凄まじい衝撃に波打つ振動、そのタイミングを測って剣は後方に後退るように回避し、振りかぶった直後に出来た大きな隙を見逃さなかった!
ドゴォォォォッッッ
――瓦礫の鉄拳振って窪んだ大地。これがちょいと窪みにめり込んで抜けない仕草をするゴーレムに、剣は構えを固めたまま小走りで急接近、そして胸元目掛けて双剣を振りかざした!!!
「切札騎士剣武術・十二の陣!! ――『十字二刃裂斬』!!!!!」
――――SLAAAAAASH!!!!
上段・横一文字で渾身の力で振り切り裂く二刀の必殺技! そのクロスに交わる剛剣二本の快進撃は、瓦礫を集めた砦など苦にもしない。
〔《ガーディアンゴーレム》 KNOCKOUT!〕
十字の型で頭も胸も五体満足をも綺麗に引き裂かれた斬れた跡、風の圧力で重点は狂い、終いには身も御霊もボロボロと崩れていった。
残すは派手な赤軍服を着ていながら、頼るものが何も無くなったレジスター隊長。先程の威勢も何処へやら、へなへなと腰を抜かして、往生悪くも桐山剣に土下座で命乞い。何とも情けない。
「ひ、ひぃぃぃ……た、頼む、命だけはお助けををを……町を襲ったのも宝庫を強奪したのも謝罪するから……な? この通りだッ!!」
「謝って済むなら警察も会見も要らねぇんだよ。住民達に危ねえ真似させやがって……!」
と武器で一発止めを刺そうとしたが、PPの使い果たしで《ファイティングブレード》が消滅したのを気づいた剣。さらに思い立ってレジスター隊長の無様な姿を見れば、虚しさ余って戦意は薄れた。
「………止めた。お前斬った所で俺の剣の錆になるだけや。早くどっか行っちまいなぁ」
「ありがとうごぜぇます、ありがとうごぜぇますだ……!!」
田舎もんみたいな言語になるまで成り下がっちゃって。警戒解いて剣も武器を収め、レジスター隊長に背中を向けたその時――!
「――――バカめ、後ろがガラ空きだ素人騎士! 死ねぇぇぇ!!!!」
レジスター隊長の懐に隠したジャックナイフが握られ、丸腰の剣の背中目掛けて突刺そうとする! 万事休すか!? いや……!!!
――――ガキィィィン…………!!
……剣が後ろへと振り向きざまに、左手を前にかざしたその時。
【盾】の形をしたPASの波動が、不意打ちのナイフの刃を砕いた!! そして……!
「こんのッッ、ボケェェェェエエエエエエエッッッ!!!!!!」
真剣勝負に反した行為に怒りの一太刀、卑劣なレジスター隊長の身体を大往生とばかりにカッ捌き……その場で仰向けに倒れた。
〔チャレンジャー7・エース 無双モード CLEAR!!〕
脅威は消えて、真っ黒な雷雲は晴れて……
アメイジング・無双モードの大乱戦は、切り札騎士・桐山剣に軍配が上がった!
「…………」
だが試練を伴うゲームとはいえ、人情を確かめられたこの結末に何を思うか、剣の口からは問う言葉が出てこなかった。
そんなこんなで繰り広げた大無双。長い戦いでありましたが、皆様はもう御承知の事でありましょう。これでゲームは終わった訳ではない事を。
次なるゲームへの誘いは、オーナー兼スピリットプレイヤーのジャスティス様がアナウンスで知らされた。
『よくぞ1000の軍勢を乗り越え、生き残ってきた栄えあるゲーム戦士達よ。この無双ゲームで生き残ったプレイヤーは2名!
エース殿と、KUROSASUKE殿だ。これよりオーブを賭けた次なるゲームへのステージへと誘う!! 両者心して掛かるがよいッッ!!!』
(龍牙……!!)
さぁ皆さん、ここからが本題ですよ……!!!
桐山剣と忍野竜牙、旧友の仲にして因縁の仲である二人が再びアメイジングの戦地でリベンジマッチ、雪辱戦に挑むことになります。
悔しさをバネに強化された烈火の魂、叩き潰してたいという渇望から力となる漆黒の魂。これらが全身全霊ぶつかっていく運命になる訳で御座いますが、続きはまた次回のお楽しみという事にしましょう!
本日の所は【GAME16】、『アメイジング・無双モード』の激戦を持って……読み終わりで御座いますッッ!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽
さぁゲーム・ウォーリアー2020年最大の見せ場!!
桐山剣VS忍野竜牙、オーブを賭けてのリベンジマッチ!!!
まさか!? 予測不可能の連続、予期せぬ番狂わせ!!
剣と龍牙に交わす【誓い】とは……?
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最近Twitterでの読了ツイートが来なくて寂しがってる作者なのでございます……
剣『懲りねぇ作者!!』




