【GAME16-8】切り札騎士・ゲームに賭けたその信念!!
[アメイジングカード・解説]
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<ユニットカード>
【サラ・チャンドレイユ】EG:⑥
AP:500 DP:400 AS:15
属性 赤 ユニット/ヒューマン/ヒーロー
・能力:このユニットが場に出たとき相手のユニット全てに300ダメージを与える。
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※桐山剣がアメイジング初陣の頃より愛用しているエースカード!!
赤い長髪と露出多めの装甲を携えた烈火の戦姫。敵の雑兵をサラマンダーの炎で焼き尽くす! それとどことなくみのりに似ているような……??
――殺気血走る漆黒の中の眼、忍野龍牙の立ち回り。
北西の宝庫エリアにて辿り着いた龍牙は、忍刀片手に血飛沫吹き出し殺生三昧。ゲームだからと容赦しないのが彼の恐ろしさ。
そして一方の北東エリア、一般住民を危険に晒した城下町エリアには何もしなかったのかと尋ねれば、決してそうではない。事前にトラップカード《針剣山の檻》を発動させ、敵の侵攻を侵さぬうちに街の牢屋を作り出して、住民の逃げる隙を作って事無きを得た。
これぞ龍牙のニ兎追いの戦略。住民も守って宝庫強奪も阻止する。苛立ちで頭に血が登りつつも冷静な判断は相当なキレ者と見た。
「……ケッ、テメェ等下郎が二度と『偽善者』とかほざくんじゃねぇ。まだ腹の虫が収まらん、次は牢の敵切り刻んでやる!」
龍牙にとってNGワードを言ってしまったばかりに、逆鱗に触れた龍牙に八つ裂きにされた宝庫エリアの敵軍勢。センシティブ案件。
しかしこれによって敵の戦力は低下の一途を辿り、勢い途切れた所で敵の全滅を狙える機会。オーバーキルもお構いなし、獲物を狙いに北東・城下町エリアへと喰らいに行く龍牙。
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さて、今回の注目は桐山剣にあり。前回悲鳴と共に城下町の住民の危機に颯爽と参上し、その身をかけて守り抜いた剣。
だがしかし宝庫エリアをユニットに投げた事が仇となって、予期せぬ事態へと突入してしまったのだ。それを証拠に……
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・《ヴァルキリー・フレア・ドラゴン》除外。
・《シールダーナイト》破壊。
・《太陽の騎士》破壊。
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「ユニットだけじゃ防衛出来なかったんか……!」
過去に遡って確認される状況ログ。これを観るに剣の激闘の裏ではユニットも奮闘したのだが、敵もさるもの知恵を振り絞ってユニットを退けたのだろう。これには戦場外の槍一郎すらも危惧した。
「マズイぞ……剣は不覚にも雑兵だけと戦ってると思って油断したんだろう。どうやら見当違いだったみたいだね」
「……それって、どういう事なの?」
同じく剣の心配をするみのりが槍一郎に説明を求めた。
「あの1000人の敵軍勢の中に軍隊長が居たんだ。平均点の頭を使って雑兵をまとめる幹部が!」
――そうなんです。実は大勢の雑兵を纏め上げる為に必要な上司、即ち軍隊長と言われるボスが宝庫エリアをメインに絞って活動してたのだった!
その事に気づかなかった剣は、己の判断が迂闊だったと悔やみながらも迷う暇なし。
「ちくしょう、こうなりゃヴァルキリーやユニットの弔い合戦や! 覚悟しやがれッ!!」
と悔しさ余って勇猛果敢に剣は宝庫エリアへ進もうとするが、
「待ってください!!」
何者かに声掛けられた剣は急ブレーキにその場に止まる。振り向けばその声の主は、剣に助けられた母子の二人。
「先程は命を助けて頂いて有難うございました。恩を返すには程足りないと思いますが、どうかこれを受け取ってください!」
「おにーちゃん、がんばって〜☆」
母親と手を繋いで幼心に剣を応援する子供。そして母親から渡されたのはなんと、ハイパーレアのアメイジングカード1枚であった!!
体を張って城下町エリアを制圧した剣は、思いがけない所で御礼の印に報酬が与えられた。因果応報・人に尽くした恩は幸となって返ってきたのだ。
「……ありがとうなボウズ。見てろよ、俺がお母ちゃんから貰ったカードで敵を全員やっつけたるかんな!!」
身体を降ろして子供の頭を撫でた後、気合十分再び戦場へ向かう剣。それを手を振り、健闘祈って勇士を見守るは母子と城下町の住民たち。
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宝庫エリアにて群がる深緑の迷彩服とヘルメットを被った雑兵風情、それよりも格段に目立って威張りたがっている赤い軍服を着た幹部は確かに居た!
「やぁやぁ遠からん者には音に聞け、近くば寄って目にも見よ! 我こそはこの1000の軍を引き連れし悪ーい敵軍勢の隊長・レジスターなり!!」
何かミリタリーな軍服着てる割には時代錯誤な名乗りですね〜。それにレジスターって、コンビニの会計じゃあるまいし、どうも締まりませんね!
「えぇい皆まで言うな! 我が軍に歯向かいし者は誰であろうと武力を蹴散らしてやるからして、命が惜しくば白旗でも何でも乞いて降参しろ!!」
雑兵のリーダーが相手とて、臆せず突き進むは桐山剣。そこで意地っ張りにも対抗して名乗りを上げた!
「――シャッフル・オールスターズ、切り札騎士やってる剣だけどぉ! 降参しろったぁこっちの言う事!! 今から俺の腕前を魅せて、返り討ちにしたるんで宜しくぅ!!!」
強情余ってヤンキーな名乗り出。切り札騎士の右手に携えし《ファイティングブレード》構えれば、猪突猛進突き進む男の花道!
「ふ、ガムシャラ気質が剣背負って向かってくるわ。――返り討ちにしてやるとはまたまたこっちの言う事! いでよ、守護の巨人よ!!」
レジスター隊長の号砲にも似た詠唱一声唱えれば、たちまち地面の振動激しく揺れてあちらこちらに散らばった瓦礫が、剣の眼前において一点に集中合流した!!
――これぞフィールドの宝庫に眠りし守護巨人の登場だ!!
☆――――――――――――――――――☆
・ユニットネーム:ガーディアンゴーレム
・HP:2000 ・属性:緑
・ジョブ:『ストーン/ゴーレム』
[スキル]
・【大地の正拳】
広範囲で緑属性500ダメージを与える。
☆――――――――――――――――――☆
「……これがこの宝庫に眠っていたユニットって訳かい!!」
「その通りだ。我らはそのユニットを手に入れる為に邪魔なユニットを全霊掛けて排除した! この時点でも300の軍がいる中でゴーレムも相手にどう戦うか、とくと拝見といこうか!!」
「面白ぇ……行くぜッッ!!!」
上体を前に屈んで先手必勝、攻撃を仕掛ける剣。
しかし敵のお得意な人海戦術が切り札騎士の行く手を阻む。その行路で立ち往生しながらも、剣は温存した手札のカードを使って応戦する。
「全体、攻撃止めッッ!!」
「――!?」
するとどうだ、レジスター隊長の号令掛かって敵軍勢の猛攻が止まり、一気に剣との間合いを取った。その刹那、
『ゴォォォオオオオオオオオッッ』
地響きが轟きそうなゴーレムのバストーンの叫びと共に、瓦礫で集積された鉄拳が地面目掛けて振り落とされた!!
ドォォオオオオオオン!!!!
「う、く、ぁぁぁああああ!!!!」
〔エース HP700→200〕
大地波打つゴーレムのアースクエイク。その振動の巨漢たるや剣とてその身体を翻す。長い戦いで傷も覆ってHPも半分以下だった剣はこの攻撃で更に半減させられた。
「フッ、思い知ったか我が軍に抵抗する愚か者が」
「くっ……動け、ねぇ……!!」
ゴーレムの攻撃が予想を上回る痛手となった剣、意地で立ち上がろうにも全身に力が入らない。
「善も悪もないこの戦場で、人情に現を抜かして城下町の救出に最優先したようだが……甘ったるいわ!! このゲームという戦場において優しさなど必要ない!! 強者は力だけを奮い、弱者は強さに怯えひれ伏せば良いのだ!!!」
――そんな強者の豪語は、ゲームが終わらぬうちはただの傲り。彼の言動に物申したくなった剣は反射的に思い身体を立ち起こす。
「――お前の言うその『強者』ってのは……自分の力に自惚れ、弱者をいたぶる事しか考えねぇ小物と変わんねぇと思うぜ……」
「……何だと?」
「俺の持論なんだが、ゲーム戦士にとって本当の強さってのは、弱さを知る事。そしてそれを知って尚の事、強い者に臆せず弱者を守り通す信念にある!!! ――それを守り抜いた成果が、これだッッ!!!!」
剣の手元、手札1枚引き出したのはなんと母子から受け取ったハイパーレアの新カード! それを反撃に選んだという事は、住民達の逆襲を意味するのか。 カード装填・スキャン――!!
『カスタム・ツールカード、【ボルテック・セイバー】!!!』
天の雨雲に突き刺す稲光、時過ぎて鳴り響く雷鳴と共に目の前の地面に突き刺さった青竜刀と思わしき電流迸る剣。
それを剣が引き抜いて、敵軍勢に威嚇させる二刀流の構え。
「――――さぁ来い。相手になるぜ……!!!」
右に《ボルテック・セイバー》、左に《ファイティングブレード》。二つの剣交わる時、アメイジング・無双モードの終止符を打つ!!
決着はまた次回に持ち越し本日のゲーム、これまでッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




