【GAME16-6】イベント発生!究極の選択!!
[ゲーム戦士・必殺技ピックアップ]
・桐山剣/エース
①【十三騎の陣/一騎の陣・直剣一閃】
切っ先を肩の上に添えて右脚を前に腰を降ろし構えて、剣道の『胴』の要領で突き出しに横一文字で敵を斬る刀殺法の1つ。
※十三騎の陣とはプレイヤーの最後の切り札【PAS】を温存する為に桐山剣が編み出した13の剣武術の名称。
――新必殺技『切札騎士剣武術・十三騎の陣』を完成させた桐山剣。その高揚がゲームの活気となりて意気揚々とブレード片手にぶった斬る。
「そら退けどけェェェ!! 切り札騎士の御通りでいッッ!!!」
振り上げ振り下ろす剣の一振りが、火花を散らして烈火の火種を呼ぶ《ファイティングブレード》。その長身の刃は細くも鋭利で、敵の弱点を見極め斬り裂く。何とも鮮やかなる騎士の勇士を見たり!
「少しは俺に傷でも付けてみやがれ雑魚がァァァアアア!!!!」
――対して忍野龍牙、かつては剣と身を共にした友の中。しかし今は魂やさぐれ苛立ち狂う狂戦士。
黒い刃に己の怨も怒りも掲げて敵の生き血を吸い尽くすは《シノビブレード》。渇望する漆黒の忍者、その邪念は敵を殲滅するまで収まりは付かないのでしょうか?
決闘の場だけでなく、剣と刀に立ち回り、それらが似ても似つかぬ光と影のゲーム戦士。二人の活躍は次なるゲームでの激突を予感させる。
だとしたら残り8名の挑戦者は添え物だと言うのですか!!? ねぇ司令室のジャスティス様!!
「な……ナンノコトカナ??」
……え? ひょっとして貴方、マジで8人は添えただけなんですか??
「ぬぬ……どうして語り役はそう察しが良いのだ? 二人だけ挑んでもゲームが成り立たないであろう苦肉の策だというのに!」
それを言っちゃ身も蓋も無いでしょう!? 皆に知られてないから良いにしても、他のプレイヤーの詳細も知らずに全カットなんて幾ら何でも……
「それほど彼らのスペックが桁違いである故……と言っても言い訳にしかならんが、私のオーブが二人の勇士に既に反応してるからだ。だが……次に繰り出すイベント次第では気まぐれに変わるかも知れんがな」
イベント、もしやジャスティス様が起動したあれでは――!?
「もう既に動き出している頃だ」
▶▶▶ NEXT▽
――代わって今度は桐山剣の勇躍のターン!
「よーし《太陽の騎士》に《シールダーナイト》! 慌てんでえぇから敵の動きを良く見て、疲れたところで攻撃だ!」
剣の2体の騎士ユニット、口には出さずジェスチャーで応答。軍勢の戦いには攻撃耐性や防御力の高いユニットが有効と考えた剣は《太陽の騎士》をアタッカーに、雑兵の被攻撃を盾持ちの《シールダーナイト》で受け止める形で戦力増強を図った。
――対して龍牙は一貫して《シノビブレード》のみで応戦し、ユニットもアクションカードも出さずにただ己の憂さを晴らすが為に敵をぶった斬る戦法。進展があった事と言えば、
『カスタム・ツールカード、【シノビブレード】!!』
先程の忍刀が使い果たして消滅した所で2枚目の《シノビブレード》をスキャン、更に進撃を進めるくらいであった。
そんな中でジャスティス様の起こしたイベントは何時起きるのでありましょうか……と言った側から、
『緊急事態! 緊急事態!!』
突如フィールドに鳴り響くレッドアラート、周囲に覆う不穏な赤いモヤ!
プレイヤー達は何事かと振るう武器を一旦収め、ブレスのマップを広げてイベントの詳細を書かれた文を黙読し、事の重大さを改めて認識するのであった。
「なになに……『フィールド各地にて敵軍勢による一般市民の襲撃・資金強奪を始めた! それを阻止をするか、敵の殲滅を先取るかはプレイヤーの決断によって決定すべし。なお決断次第では敵の進行状況や功績が大きく関わる為、慎重に行う事』――――マジか」
「チッ、めんどくせぇ……」
剣と龍牙、それぞれ個性に応じたリアクションで反応後に渋い顔。
――これぞジャスティス様が仕掛けた【正義】を示す分岐イベント。戦争に巻き込まれた一般市民、強奪目的に隠した街の資金、その他の二次被害をプレイヤー自身の決断で守り切るか否かで、ゲームの結末が決まる。
ゲームでの効率を考えるか、己の身の可愛さに偽善行為を行うのか、正義と名指した試練にしては同時に人の汚さ、本心も伺えるえげつなさ。
――――剣と龍牙は、どう選ぶ!?
「……仕方ねぇ。頼りっぱなしは嫌だけど、何にもしねぇのはもっと嫌や! ちょいと力を貸してくれ!!」
剣は手札の中で温存していたカード1枚を装填、カードスキャン!
『ユニットカード、【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】!!!』
『グォォォォオオオオオオオオオオッッ!!!』
緊急事態に躊躇は要らない、いざという時に招来された真っ赤なボディに光る騎士の鎧。――剣のエースカード・烈火の騎士竜、雄叫び轟き即参上!
◎――――――――――――――――――◎
〈ユニットカード〉
【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】EG:⑥
AP:500 DP:500 AS:10
属性 赤 ユニット/ドラゴン
・能力:[フライヤー]
①このカードがフィールドに出たとき、
自分フィールドのユニットと自分の武器の
APを300アップさせる。
◎――――――――――――――――――◎
騎士竜の召喚により自分の武器やユニットの攻撃力はAP300分パワーアップ。頼もしい味方に力溢れたか。
「良いか? お前ら3体で北西の位置、敵が狙おうとする資金を守る為に戦ってくれ。――俺は反対側北東、俺一人で皆を守らなきゃ」
戦力分断、独走戦法に買って出た剣。主の決断にユニットは皆戸惑ったが、剣の真剣な目付きに心動かされたか、ドラゴンと騎士ユニットが手を組んで剣と別々に行動することを決めた。
「俺のデッキはお利口さんばっかで良かったぜ! 急がなきゃ――!!」
振り向く暇を与えず敵の特攻振り切って、北東の方向・住宅街のエリアへ。――さて一方の龍牙は、
「……人とか金とか知ったことか。俺は俺のやり方で、始末するだけだ――!!」
殺意剥き出しでもキレる頭に何を考えたか龍牙、今再びカードを装填スキャンした。
『アクションカード、【隠密潜行の術】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【隠密潜行の術】EG:③
属性:黒 ジョブ『忍者』のみ使用可能
効果:プレイヤーはダメージを与えられるまで
[ステルス]の効果を得る。
◎――――――――――――――――――◎
忍者特有の黒い衣に隠れ蓑、それを覆って抜き足指し足忍び足と、敵陣かいくぐって音も無く疾走、目的地へ向かう。
そのルートは北西、人々の被害よりも資金を優先するか龍牙。やはり彼は非道な思考でしか回らないのか……?
――――いや、まだ決めつけるのは早い。
その決断の末路の先に【それぞれの正義】は見つかるのでしょうか?
丁度時間となりました処本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




