【GAME16-5】新必殺!切札騎士剣武術・十三騎の陣!!
――――――――PLAY GAME――――――――
[オーブビッグゲーム 1stSTAGE]
☆アメイジング特殊ルールその④☆
【アメイジング・無双モード―AMAZING MUSOU MODE―】
・ジャンル:カードアクションゲーム
・プレイヤーレベル:45
概要
ゲームワールドがGWクエストや特殊なイベントの為に用意した大乱闘型アメイジング。
このモードではプレイヤーたった1名で1000人の敵を全滅させることがクリア目標とされている。
★主なルール★
①スタートは通常モードと同じく手札5枚、EG0の状態で行う。
ただし通常と違って半径3キロの広大な特殊なフィールドを使っているため、予めその簡易マップをブレスにインストールし、敵の人数や群がり方がマーキングされている。
②また応戦の途中から敵の襲撃によって脅かされる人々の救出や資金の強奪防止などゲーム後の功績に大きく影響されるイベントが取り組まれており、それを挑むか敵の殲滅を優先するかはプレイヤー次第。
◇このゲームでは1人1ルームでの個々の挑戦となる。1000人の敵の全滅した時間や功績に応じて好成績を記録した2名のプレイヤーが2ndSTAGE進出。途中でHPが0になったプレイヤーは失格。
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――オーブを掛けたビッグゲームに挑む10名のゲーム戦士、その挑戦者に迫る1000の雑兵・剣に槍に鉄砲玉。
その襲撃を知らしめんと、主催側のスピリットプレイヤー・ジャスティス様が挑戦者達に号令をかける。
『ゲーム戦士達よ怯むな! 攻撃は最大の防御なり!! 迅速に武器を構えて、斬って撃って立ち向かえ!! だが深追いをするでないぞ、時に冷静になりて戦況を見極め行動するのだ!!!』
今回のスピリットプレイヤーは、孤独にも幾千の敵に立ち向かうプレイヤー達の導き手。決して卑下せず、挑戦者達の検討を見守るのがジャスティス様の役割だそうだ。
そんな1000の敵を剣は中世の騎士、龍牙は闇に忍ぶ忍者と、アイデンティティに沿ったアバターで挑む。だがしかし、敵は既に武器を携えているが自分は初手から丸腰、早々に劣勢を感じる所だが……それは杞憂に終わる。
「ヘッ、敵さんよ。ただ武器をブンブン振り回してるだけじゃ大事な剣が泣くぜ?」
◎――――――――――――――――――◎
・エースのプレイヤースキル
【騎士剣 招来】発動!
デッキから《ファイティングブレード》
を呼び出し、そのまま装備します!!
◎――――――――――――――――――◎
ブレスに装填したカードデッキ、それが剣の鞘のようにスーッと引き抜けば発動エフェクト転じて桐山剣の《ファイティングブレード》が瞬時に彼の右手に携わった!
「剣ってのはよ、無駄な動きは要らねぇ。隙あらば勢い任せてかっ捌くだけよ!! ウォリァァァアアア!!!」
剣のPASは【ロングソード】、これは中世ヨーロッパにて活躍した騎士の代表的な武器の一つ。それも14〜15世紀に使われた刀身の細いタイプの剣の形をしたPASを最大限に引き出す為に、剣は特訓において西洋剣術を軸に戦いの質を上げてきたのだ。
長いリーチと威力の強さを持ってして、HPの低い雑兵軍団が一振り一閃で一気に10人も撃滅した!
「なるほど、打たれ弱いからバッタバッタ叩き斬れるって訳か! よーし!!」
この手応えに直ぐに調子に乗るのが剣の癖。効率良しかつ鮮やかに敵を斬る剣の乱舞に、我々も目を奪われそうになりますが、それを見守るみのり達仲間勢は多少不安に駆られる所。
「また剣くんってば調子に乗っちゃって!」
「それにしては随分と楽しそうに戦ってやんの剣さんってば! 俺も出来りゃ混ざりたいぜ!!」
「倭刀は少しは落ち着きなさい」
剣の戦いっぷりに応援しながらも半ば冷や冷やの仲間のリアクション。更に無言で傍観しながら剣を見守る槍一郎。
(――剣め、憎んでた旧友も居るってのに本気でゲームを楽しんでるな。彼に迷う道理が最早無くなった今なら、特訓で培ったあの技を魅せられるかも知れない)
彼の思惑は剣の可能性を示唆するものでありましたが、今回のビッグゲームで注目するのは彼だけではありません。――龍牙も違う意味でヤバかった!!
「ウラァァアアアアアア!!!!!」
殺意の影で覆われた漆黒の忍者アバター龍牙、既に忍刀武器、《シノビブレード》を装備した彼は、闘争本能の限りを尽くして敵を情け無用に斬り刻む。
峰打ちなんて温いことはしない。辻斬り、突き刺し、首切断……あぁ語るだけでもおぞましいこの惨殺!!
「「「ひぃぃぃいいいい!!!」」」
この殺伐した空気に耐えきれなくなった雑兵は恐れ慄き逃げ出すも、
――――斬ッッ!!!
背中からバッサリ、血も涙もない修羅と化した龍牙。
「どうした……そのテイドカ!?」
ゲーム開始前から苛立っていた龍牙はゲームにおいて感情を爆発させて、その憂さを何の罪もないNPCプレイヤーにぶつけている。その時の竜牙の心に秘めたPASは、半ば暴走し始めていた。
「クソ雑魚ドモが……もっと俺をタノシマセロォォォオオ!!!!!」
半凶の狂気をもたらし雄叫びをあげるは血に飢えた獣のよう。竜牙は一体何を求め戦いに挑むのだろうか……?
▶▶▶ NEXT▽
――さて、再び場面は桐山剣の奮闘に戻ります。
「くっそぉ〜、アイツら倒しても倒しても群がってくらぁ! 一人じゃ流石にキツイぜ」
寄せ来る大波の如く群がる敵の軍勢、それをたった一人で立ち向かうにも多勢に無勢なのか。あんだけ調子上げて戦ってきた剣も苦悶の表情伺えた。
そこで剣、蓄えた手札とEGを消費してカードスキャン!
『ユニットカード、【フォートレスナイト】【スピードナイト】【フローラルフェンサー】!!』
繰り出したるは剣のユニットカード、防御にスピード、バランス型と揃いに揃った騎士軍団。己の個性を活かした配下を味方に戦力増強を図った。
だがしかし、プレイヤーと違ってユニットは耐力が余り持たないのがデメリット。敵の人海戦術を持ってしても足止め程度にしかならない。
(やっぱ騎士デッキじゃ持たねぇか……軽型ユニットがダメならやっぱり自分から攻めなきゃ。かと言ってガムシャラに向かったらいつ俺のHPが尽きるか分からん。何か良い作戦はねぇかな――?)
何しろ序盤から一気に数百名もの数で攻め寄られた故に、対処がとてもではないが間に合わないこの状況に桐山剣、孤軍奮闘。と劣勢になる剣はここぞと言う時に、ある事を思い出した。
「――せや、こうなりゃ一か八か。ここぞという時に編み出した新必殺技、繰り出してみるか――!!」
思い立ったが即行動、敵の軍勢から一旦距離を置いて《ファイティングブレード》を左肩に切っ先を担ぎながら構えの体制に入った。
「あっ、剣くんが……」
モニター越しに伝わる剣の構えで見せる気迫、それがみのり達にも感じ取って槍一郎は叫んだ。
「思う存分やってやれ!! 切り札騎士の剣武術を!!!」
その鼓舞に応えたか、剣の眼がギラッと輝いて一直線に突っ込む雑兵達の動きを見切った!!
「切札騎士剣武術、【一騎の陣】ッッ!!!!」
――――SLAAAAAASH!!!!
敵の列に突き刺す一突一閃、断末魔残して倒れる雑兵達。9人連続撃破! これには同胞たちの驚きも隠せなかった!
「えっ、何? 今? マジ!? 何が起きたの??」
「カードも使ってへんし、PASの発動でもない……」
「槍くん、あれって一体……?」
この新必殺技の詳細を知っているのは槍一郎ただ一人であった!
「あれはプレイヤースキルでもPASでもない、剣自身が編み出した剣武術だ!! 剣はいざという時だけにPASの使用を温存させる為に、自分の持てる力を極限に使いこなす技を13種も考えた!
――それが『切札騎士剣武術』、【十三騎の陣】だ!!!」
ついに剣が騎士の魂に目覚め、剣武術に特化したファイティングスタイルを確率させてしまった!!
本人は実践でやるのは初であったため、実際に使いこなした快感に酔いしれていた。
(これがPASに頼らない俺の剣武術の力か……特訓がようやく報われたって感じがするぜ。――――最ッッ高!!!)
新技編み出し再びやる気を取り戻す剣、切り札騎士の誇りにかけての剣陣無双、達成はなるか!?
――そしてスピリットプレイヤー・ジャスティス様のいる司令室では、各ルームにおけるゲームの新たな動きを見せようとしていた……!
「……己の力を試す者、己の渇望欲求を満たす為に戦う者。それぞれの意思の強さは十分理解したぞ。だが……本番はこれからだ。
――心の奥底に眠る真の正義を私に見せてくれ……!!」
半透明のウィンドウモニターで映し出されたゲーム管理システムを起動させたジャスティス様。
その指先には【イベント起動】と書かれたリンクが、タップによって発動されるのでありました!
――――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




