【GAME16-4】ビッグゲーム開始!アメイジング無双モード!!
[ゲーム戦士・プレイヤーステータス]
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:ゲイル(天野槍一郎) ♂
・プレイヤーレベル:32
・ジョブ:『パラディン』
・PAS:【ストームランサー】
[プレイヤーステータス]
・アクション:S・シューティング:A
・ロールプレイ:A・タクティクス:S
・スピード:SS・ブレイン:A
・ハート:B・ミュージック:B
・ラック:B
[プレイヤースキル]
・【クイックシュート】・【心の眼】・【神風の御加護】・【隼二連攻撃】
[エンブレム]
・【『グラディ◯スⅢ』殿堂入り】
・【『アウト◯ン』殿堂入り】
・【サイバーターボシティ・最速新記録最多保持者】
☆――――――――――――――――――☆
――ゲームワールド・オンラインのイベントゲーム。二人目のスピリットプレイヤー・ジャスティスが指揮するオーブ争奪ビッグゲームの開催の為に、管理機関組織のWGCは、それはもう躍起のヤンキー直線に必死に準備を進んでいました。
その行く手には更新に必要なデータのアップロード、或いはデバッグ(プログラムの手直し)作業等などで時間はあっという間に明け暮れる。
口では『はい、直ぐ作業を終わらせます! エナドリ冷やしといて!』……いやエナドリは分かりませんけども。プロゲーマーじゃないんですから。
等と言っておきながらも、予期せぬエラーの連続で管理員達のスケジュールもプレッシャーも圧縮の極地に至って心身ボロボロ。中々事は進みませんでした。
――しかし、何事も諦めなければ為せば成るもの。優秀なWGCの役員の活動のお陰で、開催前日でようやくゲームの準備が整った!
▶▶▶ NEXT▽
時が経つのは我々が思う以上に早いもの。『光陰矢の如し』と申しますが、たった数行でビッグゲーム開催当日に持ち込むのがこの小説の凄い所。
という訳で変わって舞台は『アドベンチャー・フォレスト』、ゲーム戦士が集う集会所から激戦のプロローグが始まるのであります。
「ついにこの日が来ちまったなぁ……オーブ争奪ビッグゲーム! 張り詰めた空気ってのがピリッと伝わってくるぜ」
本日のメインキーパーソン、桐山剣も颯爽と登場。今回はオールスターズで出場は彼のみだが、オーブ獲得も掛かっている為にみのりら他6人のメンバー全員が、応援に駆け付けた。
「剣、緊張するのは良いが今はあまり力は入れ込むな。いざとなった時の為に心は常に平然に、だ」
「分かってるって。その為にずっと槍ちゃんや皆と特訓してきたんや。それまで楽しくやってみるよ!」
ビッグゲームまでに剣は仲間の助力も借りて鍛錬の限りを尽くした。槍一郎との離別、過去の断ち切りも乗り越えて剣は己だけの力を発揮するためにPASの強化を重点に取り組んできた。
全ては彼とのけじめと、オーブを獲得するために……
「ククク……運に引っ張り出されて、また会ったみてぇだな、剣ぃ?」
「…………!!」
噂をすれば何とやら。戦いの匂いに誘われて現れた忍者姿の黒装束アバター。忍野龍牙、ここに参上。
「へぇ、アンタが龍牙さんってんですかい。俺達の剣さんが大変お世話になったようで……」
「アンタみたいなデリカシーの無い忍者なんか剣くんにボコボコにされれば良いのよ! い〜だ!!」
「黙れ。凡人と貧乳なんざ端っから眼中に無い。喧しいからさっさと退け」
「「ムカッッ!!」」
レミと倭刀を苛立たせ、それを尻目に剣に急接近する龍牙。武器は持たずとも凄まじい殺気は剣や我々共々に圧倒させる。
「……随分賑やかな仲間を作ったもんだな剣。仲良しごっこもここまで来たら眩しくて腹立ってくるぜ」
「旧友からの評価、痛み入って受け止めとくぜ龍牙」
圧には圧を、平然な顔をして退かない剣は龍牙に皮肉たっぷりな煽りで返す。
「……フン、ちったぁマシな魂で挑む気あって安心したよ。せいぜいゲームで生き残る事を祈ってるぜ、その後で存分にお前を潰す」
「さぁ、そう簡単に潰せっかなぁ〜?」
意外な事に殺気に満ちてはいるが、剣を見るや否や龍牙自らが一歩引いて宣戦の意を唱えてこの場を去り、目の前のゲートへと入っていった。
『男子、三日会わざれば刮目して見よ』。以前と比べてPASの波動が強い事を察した龍牙は、今歯向かうべきでは無いと見てゲームで始末する事を企んだのであった。
「……やはり殺気はあれども判断は至って冷静ですね」
穂香は龍牙と相対した時の印象と一致したような素振りで評した。
「……剣くん、今は気にしちゃダメだよ」
「大丈夫、みのりが直してくれたんや。そんなんで取り乱したりするもんか」
喧嘩カウンセリングで一皮剥けた絆を見せつける剣とみのり。そんな彼の眼前には先程龍牙が飛び込んだビッグゲームへと誘うゲートが聳え立つ。
開始まで残り10分、まもなく剣もゲートへと飛び込む前に豪樹が発破をかけた。
「よーし! ほな出発前の儀式言ったろか!! 剣、背中出せや」
「――よっしゃ、強めのやつ頼んまっせ!!」
剣は四つん這いになって背中を向けると、豪樹はそこにタオルを被せて平手を掲げて狙い定める姿勢に入る。
これは背中に一発渾身の張り手をぶつける事によって、その衝撃で緊張を解したり気合を入れる意味で取り組んだエールの一つ。これをオールスターズ内では【出陣の儀】と言われております。
「ほな行くでぇ……せーーのッッ!!!」
――――バンッッッ!!!!
「〜〜〜!!! …………しゃあッッ、じゃ行ってくらぁ!!!!!」
痛撃転じて気合充填! 剣の渾身の雄叫びが号砲となりて我が身をゲートへと寄せ突き進んでいく!!
「剣くん、頑張って〜〜!!!」
みのりの声援を親指一本立ててガッチリと受け止めた剣、烈火の魂を最大限に引き出した切り札騎士にもはや未練の文字は要らない。
いざいかんオーブ争奪ビッグゲームに向かって! ゲート・オープン!!
▶▶▶ NOW LORDING...▽
――代わってここは、背景と空間の概念を無くした漆黒の間。
ゲームが開始されるまではただ一人、この空間でその時を待つしかない。
桐山剣もその一人。出場した残りの9名も各々ゲートに飛び込んで漆黒の間でゲーム開始を待つ。
その時、暗がりの空間からポツンとホログラフィ体のアバターがプレイヤー達の前に現れた。
そのアバターこそ戦士の装備に煌めく大剣、やってきましたスピリットプレイヤー・ジャスティス!!
『――よくぞ参られた、正義の魂を掲げしゲーム戦士達よ。私は【義】というオーブを携えしスピリットプレイヤーの一人、ジャスティスなり! 諸君は、私がこのオーブを手にするに相応しき者として寄り優られた栄光ある戦士である!!』
(そりゃ、どーも……)
堅苦しい挨拶は苦手な剣は顔でかしこまって心で受け流す。だがそれに気づかないジャスティス様では無かった。
『しかし私の挨拶を堅苦しいと思っている輩も残念ながら居るようだが……』
(ドキッ!!?)
ほら言わんこっちゃない。剣の悪い癖は鍛錬じゃ治らなかったようで。
『それはともかく、この場はゲームにおいて諸君の魂を確かめる試練の場である。私のオーブを手に入れたいのなら証明せねばならぬぞ! 私の心を唸らせる為の正義の魂を!!』
「正義……!??」
その刹那であった。漆黒の間の闇が徐々に色彩を取り戻し、辺りは数秒も経たないうちに中世ヨーロッパの風情立ち並ぶ繁華街のフィールドへと展開された!!
『――さぁ始めよう。ゲーム戦士の正義を示す戦乱無双、アメイジング無双モード・開始ィィイイイ!!!!』
歴戦の戦士の魂の叫びたる号砲、これが開戦の合図となりてたちまち起こる剣戟の響き、鉄砲玉の如し身を投げてグーッと群がる敵軍勢。その数ざっと数えて1000人!!
その群れに対し桐山剣、孤高の騎士がカードを取り出し例の如くブレスに装填・カードスキャン。十八番の《ファイティングブレード》引っ提げて、燃える烈火のゲーム魂!
「よっしゃ、行くぜッッ!!!!」
己の腕っぷしに剣を握りしめて、果たして未知なる決闘・アメイジング無双モードを制する事が出来るか切り札騎士!! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




