【GAME15-6】調合VS合体!切り札は親友の為に!!
――TIPS――
アメイジングカード能力【コンバイン】
・ツールカード或いはユニットカードが[コンバイン]能力を持ち、尚かつフィールドに出ている場合にカウンター・レスポンスのタイミングで発動出来る。[コンバイン]能力を持つカード同士で合体し、別のカードに変化させる。合体したカードは【コンバインカード】として扱う。
・またコンバインカードがフィールドに出ている場合、同じくカウンター・レスポンスのタイミングで合体素材カードを分離する事も出来る。
――カードバトルゲーム『アメイジング』に不可能は無し!!
進化・融合、更には合体までしてしまうカードの摩訶不思議、カードイラストが映し出すその超次元の世界は、混沌カオスの如く不調和の背景で成り立つのでありましょうか?
さてここからが本題。サザンクロスのコンブじゃなかった、幹部の『イプシロンのジーナ』が繰り出したコンバインカード《テトライドキャノン》とは如何なる威力を放つのか!?
「ふーんだ! そんな戦隊ものっぽい大砲であたしと穂香ちゃんのユニットを退けられると思ってんの〜!?」
巨大ユニット引っ提げて大いに威張っちゃってるレミと、優勢であろうとも謙虚にかつ警戒を緩まず構える穂香。各々のリアクション伺うも、白けた顔でイプシロンのジーナ。
「幾らでも吠えてなさい小娘! 我がイプシロンの誇る最終兵器の恐ろしさに怯える前にね!! 《テトライドキャノン》発射ッッ!!!」
ついに放たれた発射コール、巨大な砲口からビームかレーザーか、何が出るやら気になるも恐ろしい最終兵器。すると……
――PONG!!
キャノン砲から放たれたのは、色とりどりのブロック。
「「……はい???」」
構えていることすらバカバカしい程に呆気に取られたレミ&穂香、スローペースで放たれるブロックを余裕で交わす二人とそのユニット。
「これは、テトリスのテトリミノ(ブロック)ですね」
「バッカみたい!! こんなもんに倒されるくらいならテトリス辞めてるわよ!」
◎――――――――――――――――――◎
〈コンバインカード〉
【テトライドキャノン】
・コンバイン素材:『テトラユニットα』
+『テトラユニットβ』+『テトラユニットγ』
・属性:赤/青/黄 DP:1500 PP:30
・能力:7種類のテトリミノを一直線
フィールド終点まで発射させる。
◎――――――――――――――――――◎
最終兵器と言う割には少しテキストが引っかかりますね……
(フフフ……バカなのはアンタ達の方よ。このテトリミノの恐ろしさは積み重なって発揮されるものなのよ!!)
冷淡な顔の奥でジーナの心は大いに笑う。彼女の真意が定かならば、確かにレミの後ろ側のコントロールタワーにずらーっとテトリミノが連なっている。その事を後ろを振り向いた穂香が気付いた!
「レミさん! テトリミノが……!!」
「えっ……?!」
二人の背後に一直線連なったテトリミノが光に帯びている事に気づいたが、時既に遅かった!!
「シングル達成! 『テトライドバースト』!!」
――ズドォォォオオオオン!!!!
「「きゃぁぁあああああ!!!!!」」
〔リーフ HP2000→1500〕
〔レーミィ HP1000→500〕
7色のテトリミノが全体を光で包み、凄まじい爆風を呼び起こした! シングル即ち一列揃えただけでこの威力、だとすれば二列・三列・テトリスと来たらばどうなるのか、戦慄が走るこの恐ろしさ。
「ハハハハハ! 見たかこの《テトライドキャノン》の科学力!! 知能の無い者が武力を振るおうとも、そんなもの悪すらも劣るのよ!!!」
敵ながら一理ある主張も、やられた側にすれば過多な嫌味。苦ったらしい虫を噛み潰してレミと穂香は立ち上がる。
「テトリスをこんな兵器に使うだなんて、ホンっとに腹立つわねあのケバ女!!」
「ならばあの兵器を破壊すれば良いのです!!」
反撃に移したのは穂香、手札を引いてカードスキャン!
『アクションカード、【デストロイレーザー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【デストロイレーザー】EG:⑤
属性:黒
・効果:フィールド上の相手の
カード1枚を破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
「これで《テトライドキャノン》を破壊します!!」
シンプルかつ強力なるカード除去破壊レーザーが穂香の杖で先端から放たれる。しかし……
「無駄よ、《テトライドキャノン》合体解除!!」
カウンター・レスポンスのように時が一瞬止まったと思いきや、一体のキャノン砲からα・β・γのパーツ武器に分離し合体解除された! ゲッター◯ボも真っ青だ。
《テトライドキャノン》に対象を決めていた《デストロイレーザー》は分解解除され別のカードに変わった事で対象不適正と見なされ、打ち損となってしまった。
「これで驚異は去った。もう一度合体!!」
破壊カードの発動不発を確認し、もう1度3つのパーツを合体させて《テトライドキャノン》を完成させた。
「なんて事……これじゃ破壊もバウンスも効かないわ!!」
「え〜ッ!? じゃどうやればあの大砲を壊せるのよ!!」
と不安を煽って二人が言い合ってる間にも、
「隙ありッッ!!!!」
――ドスッ!!!
飛ぶ矢の如くIの字をしたテトリミノが穂香の《オーク・インカネーション》の身体を貫き、そのまま破壊された。
「どう足掻いても無駄なこと、この《テトライドキャノン》に死角は無い! 死にたくなければ黙ってコントロールタワーを明け渡すのね、アハハハハ!!!」
ここまで言われてはシャッフルの名が廃る。レミと穂香は臆せず戦う事を止めない。だがしかし突破口を掴めぬままではどうしようも無いのが現状。
(カード効果で破壊しても解除で交わされるなら、特攻覚悟で大砲にダメージを与えるしかない。……でも、そうしたらレミさんが――!)
振り向けば穂香よりも不安で顔が青ざめたレミの姿。仲間の危険を顧みず戦うなど穂香にはどうしても出来ない。ユニットも失った状態で超えれば良いのか、そう思いかけた時。
「ピィィイイーーーーーッッ!!!!!」
ハイトーンに甲高く鳴き叫んだのは、穂香の最後のユニット《ブルーバード》であった。
「《ブルーバード》さん……? ――ハッ!」
穂香はこの時、一年前に獲得した《ブルーバード》を巡った経路を再び思い出した。
――そもそもこの青い鳥は、元々はみのりがカードパックで当てたものであった。
剣とみのりの提案によって穂香に手渡そうとしたのだが、一時は倭刀とのトラブルでシャークトレードの的になりかけた事や、穂香の父との共謀で引き起こした戦争の罪滅ぼしに手放した事もあった。※『極限遊戯戦記』第4章参照
しかし剣や仲間との呼びかけもあって晴れて《ブルーバード》は穂香の元に。貰い物の幸せの青い鳥は、まさしく仲間たちの絆を紡いだ幸福の一枚であったのだ。
そして今再び《ブルーバード》によって、穂香は幸せだけでなく勇気をもたらす事になった!!
(……そうだわ、《ブルーバード》も元は剣さんやみのりちゃんから譲り受けたもの。今もこうして私の為に力となって戦っている! 遠慮なんかしたって仲間への好意を不意にするだけじゃない!! ――今ならレミさんに、はっきり言える自身がある……!!!)
決意を固めた輝く穂香の緑の眼、その矛先は不安で押し潰されそうなレミに向けられた!
「レミさ、いや…………レミちゃん!!!!」
「…………へ!???」
自分に対して礼儀正しかった穂香が、自分の事をちゃん呼ばわりした事に驚き、レミはきょとんと眼を丸くした。
「今の状況で私一人で頑張っても勝ち目はありません!! ここはレミちゃんの【アメイジング調合術】で作ったカードが必要なんです!!!
――お願いします、私にレミちゃんの力を貸してくださいッッ!!!!!」
これを聞いたレミ、気抜けも余ってオロオロとし始めた。
「え、でも……今の状況で作れるカードなんて……」
慌てて採取した素材カードを取り出すも手元が狂ってカードが数枚地面に落とす始末。それを拾おうとしたレミは何を思ったかその手を止めた。
(《マーブルポップの実》……?)
それはパズルファクトリーに向かう際に二人でゲットした素材カード。更に連体で落としていた《身代わり草》と《精魂のソーマ》の素材も同時に一見したレミは、突然頭の中のブラックボックス思考が動き出す。
そして、我々には予想だにもしない結論を叩き出した!!
「―――閃いたッッ!!! 穂香ちゃん大丈夫だよ、あのテトリス大砲に勝てるカートが作れる!!!!」
「本当ですか!?」
「このレミちゃんにまっかせなさーい!!!!!」
不安一転、勝機を確信!! 《調合の壷》を出したレミと、その眼前には仁王立ちでレミを守ろうとする穂香の先陣が建てられた!
「レミちゃんは調合だけに専念してください! 私の誇りにかけてもこの戦線は守ります!!」
「頼んだよ穂香ちゃん!!」
レミは《マーブルポップの実》×3、《身代わり草》×3、《精魂のソーマ》をみんな調合の壺に打ち込んで、レッツ・フォーミュレーション!!
『SHAKE、SHAKE♪』
「ぬ゛ぅぅううおおおおりゃああああああ〜〜〜!!!!!!」
レミ、渾身のカクテル風シェイキング!! 縦振り横振り交互に掻き回し、思わず調合の壺も……
『Oh、Yeah……☆♡』
誤解を招くようなため息は止めてください。その様見て当然敵も黙って見ている訳では無かった!
「何か知らないけど卑猥なんだよ!! 吹っ飛ばしてやるわ!!!」
抗議と一緒に《テトライドキャノン》の激を飛ばすが、
「そんな事させません!!!」
穂香の《マジェスティック》から解き放たれる魔力弾でテトリミノを弾き飛ばす、一進一退の攻防の中で待ちわびていたものが出来上がった!
『OK!! COMPLETION!!』
「出来たよ穂香ちゃん!! 受け取って!!!」
レミは直ぐ様出来たてホヤホヤのカードを壺から取り出し、トランプ投げの要領で穂香の右手にビシィっと授けられた!!
「レミちゃんの真心のこもった調合カード、受けてみなさい!!!」
満を持して、切り札カードスキャン!!!
『アクションカード……【レインボーディビジョン】!!』
そのカード能力は……?
「――――なっ……?!! あの巨乳魔法使いが……7人に増えてる!?!?」
「「「「「「「巨乳は余計ですッッ!!!!!!!」」」」」」」
なんということか!!? 白波五人男ならぬ巨乳七人女……いや失礼。
穂香が7色のカラーリングで分けられながら、七人のアバターに分裂した!! 一体この展開がどんな逆転劇を魅せてくれるのでありましょうか? 決着の時は次回のお楽しみに。本日のゲーム、これまでッッ!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




