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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME15-3】コントロールタワー・占領を阻止せよ!!

――TIPS――

今回のゲームにおける『ワードパネル』は特例として、各エリア及び地域の箇所にアメイジングカードやアイテムが落ちているときがある。


その際は光るエフェクト、宝箱等でカードの場所を記しているので探索する際はそれを目印に探してみよう。


ただし時たまお宝カードと見せかけたブービートラップも存在する為、予め用心はしておこう!!

 

 ――パズル工場地帯『パズルファクトリー』。

 このエリアの核とも言われるデータ集積装置・コントロールタワーのセキュリティロックを解除すべく、パスワードとして使われる文字の書かれた10個のワードパネルを探すため、透明マントの隠密モードで探索する穂香。


 穂香が1個目のワードパネルを手にしたその時、何者か彼女の存在に気付いたような掛け声にビクッと全身が逆立った。


「………………」


 穂香は気配を完全に消すために息を殺す。そしてサザンクロスのしたっぱか誰か見られていないか辺りを見回す……が、それらしき様子も姿も無い。

 気のせいか、とほっと胸を撫でおろしたのも束の間また声が聞こえてきた。


「聞こえてないのか? 君だよ、パネルと手だけ映ってる透明人間!」


(――――あっ)


 ――この時、穂香は探索に夢中になって凡ミスを犯していたのだ。


 というのも、カスタムツールカード《スケルトンベール》によって透明で居られるのはベールの内部に羽織る時。つまりてるてる坊主のように全身ベールに覆われていないと透明人間は成立しない。


 ところが、穂香はパネルを取ろうとした時にベールの中から抜き出すように手を伸ばした為に()()()が相手に見えて、持ち上げた事で手とパネルが浮いているように見えた……とそういう訳。分かったかな?


『しまった……』と冷や汗をベールの中で垂らす穂香。すると、


「ワタクシハ『マスターハンド』、チョットコウジョウデパネルノオトシモノヲ……(裏声)」


 いやいやいやいや無理あるよ! そんな女々しくか細いマスターハンドじゃスマ◯ラでも成り立たないよ!!


「何をアホな事やってるんだ、私は『サザンクロス』とか言う不届き者の仲間じゃない。このパズルファクトリーの全体責任管理者の“ルービン”という者だ。ちょっと近くまで来て、君の顔を見せてくれないか?」


 敵の仲間じゃないと知った穂香は警戒を解いて改めて辺りを見渡す。さっきから穂香を呼ぶ声の元は、彼女の後ろに設置された地下シェルターの格子越しに顔を出した髭を生やした男。パズルファクトリー責任者でありNPCのルービンであった。


 穂香は早速シェルターの窓まで近寄って、フードを脱ぐ感覚で覆ったベールを顔だけ脱いでルービンに見せた。


「おぉ、やっぱりプレイヤーの方だったか! 良くここまで乗り込んできてくれたね、感謝するよ」


「私は『リーフ』と申します。貴方がこのパズル工場の管理者ですね?」

 穂香はゲームワールドでのハンドルネームで名乗り、改めて敵ではない印象を確信させた。


「どうしてこのエリアがこんな事に……?」

「うむ、全ては『サザンクロス』の襲撃でな。何やらこの工場のコントロールタワーを狙っている様なんだ」


()()()()()? コントロールタワーに何か危険な物でも隠してると言うんですか?」


「あのタワーの中にはパズルゲームに集積された全データを司る【エネルギープログラム集合体】がある。このエリアだけじゃなく他のエリアでもこれは統括されているが、明らかに『サザンクロス』はこれを悪用して何かを企んでいると私は睨んでいる」


 ――えー、ちょっとここで解説しましょう。


 以前【GAME9】において槍一郎が『サイバーターボ・シティ』でのサザンクロスと暴走族の共謀レースを挑んだ際に、レース場にイレギュラーな障害物を入れ込んで妨害させたことがありましたが……

 それはエリアのコントロールタワーの中に既に入り込んで、したっぱ共がそのエネルギープログラム集合体をいじり尽くした故に起きたものである。


 このように【エネルギープログラム集合体】とはゲームワールドのエリア内ゲームの管理を維持する為の()の役割を果たす。

 もしこれに汚い手で触ったり何かを埋め込まれたりしたならば、最悪の場合ゲームはおろか、エリアの維持すらままならなくなり()()する恐れがあるのだ。あぁ恐ろしい……


「そしてこのエリアも標的にされて、私らを含んだNPCの従業員や巻き込まれたプレイヤー達も皆この地下シェルターに監獄されたんだ」

「なんていうことを……そこまでして彼らは何をしようと言うのですか……」


 ゲームワールド管理組織のWGCですら真意に辿り着けないという不気味な組織『サザンクロス』。しかし自らの意思を埋め込んだAIとして行動するこの世界のNPCは、人間以上に頭が切れていた。ルービンもその一人。


「だが私は最前線を守り切るために、コントロールタワーのセキュリティを悟られないためにこのエリアの周囲にパスワードとなるワードパネルを10個ばら撒いたのだ! リーフ君の持ってるパネルがそれなのだよ」


 パズルファクトリーで起きた事、ルービンが終始話した真実を繋ぎ合わせ、穂香は行動すべき事を纏め上げた。


「……つまり私がやるべき事は、残り9つのパネルを敵の手に渡る前に回収して欲しいって事で、宜しいでしょうか?」


「その通り! 念の為にパネルの場所を位置するマーキングデータがあるから、それを手掛かりに探して欲しい」


 ルービンは穂香のプレイギアのマップに9つのパネルの位置を表すマーキングデータをインストールさせた。これなら収拾も比較的楽に出来る。

 ……すると、シェルターの向こうからカッカッと足音が近づく音が聞こえてきた。


「……ハッ、見張りが来たようだ。とにかくパネルを頼んだよリーフ君!」

「分かりました。ルービンさんも気を付けて……!」


 穂香は再び《スケルトンベール》で顔を隠してシェルターの元から離れた。そしてこの事をレミに報告すべく穂香はプレイギアで連絡する。


 ――――ピッ


『……もしもし、穂香ちゃん?』


「あっ、レミさん。実はさっき囚われてたパズルファクトリーの管理人さんに会いまして、今パネルの位置を教えてもらったんで後からレミさんも合流して――」


『ゴメン、穂香ちゃん。多分なんだけどその手助け、出来ないかもしれない…………』

「――!? どういう事ですかそれは……?」



 そのレミのいるコントロールパネルでは、何故か《スケルトンベール》を剥がされたレミと、数十人ものサザンクロスのしたっぱ達が彼女を取り囲んでいた――!!!




「あたし、サザンクロスに見つかっちゃったのォォォオオオ!!!!!」



 せっかく味方にサポートされて、今回のゲームも順風満帆かと思いきやまさかの急展開!! 何でそうなったァァァァァァ!!?


 ハリーアップ・大森穂香! 狼に睨まれた親友を救いだせ!! 本日のゲーム、これまでッッ!!


 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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