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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME14-5】真のクエストクリアはどっちだ!?

 

「桐山剣を捕まえたぞォォォオオオ!!!!」


「え!?」

「嘘!!?」

「おいマジかよ……?!」


 隠し通路を使ってお宝カードを奪おうとした桐山剣、しかしその裏をかいて既に穴の先で待ち伏せて鉄格子で封鎖させたのは服部のあんちゃん。

 リーダーの剣の捕獲にみのり、槍一郎、倭刀は驚愕の極地に陥った!


「あんとき俺の勝負を放棄したのは剣さんの脱出を止めるためだったんか、クソッ!!」


 剣が犯したミスが、メンバー全員の不安を駆り立てていく。本能でこれ以上宝を強奪する事は不可能と考えた倭刀は天守閣を抜けて、他のメンバーにこう告げた。


「先輩、みのりさん!! ここは一先ず撤退しましょうや、もうこれ以上の詮索は無理や!!!」

「何言ってるのよまだ剣くんが!! ――助けに行かないと!!」


「……いや目的が閉ざされて敵も多いし、迎え撃っても多勢に無勢だ。仕方ない、ハリアーのイカダに降りて引き上げよう!!」


「でも……!!」

「剣なら大丈夫だから! 急いで!!」


 みのりは最後まで抗うが、槍一郎の推察の通り敵の数が多く三人では突破は困難、ましてやレアカードは押収の始末。もはや長居は無用。

 敵の群衆振り切って、仲間は悔しさ滲ませツヨシ城を撤退。音無しのイカダに乗られて無念を運ぶ。城は遠きにありて……友の無事を祈るばかりなり。


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――さて所変わってツヨシ城。服部によって確保された剣は彼の豪腕に締められて向かうは城の地下牢、石垣で詰められた牢屋は隙間風に吹かれてやけに冷たい。


 服部はそんな牢屋の扉を開けて、ゴミでも捨てるかのようにドサッと剣を牢の中へと投げ捨てた。


「イテテ……もーちょい丁寧に扱えねぇのかアホ!!」


「何とでも言え剣ィ、お前はこの俺様に負けたんや。アホはお前の事だと思って返しておくぜぇ〜?」


 いつも負けてばかりの服部がとうとう剣を出し抜いた事によって有頂天。浮かれ浮かれて調子に乗る彼に剣は苦虫をガムの如しに噛み締めた。


「へへへへ……! 隠し通路を選んだのがお前の極運の尽き、穴に入ることから既に対策済みだったんだよ!!」


「ぢ〜ぐ〜じょぉぉおおお〜〜!!!!」


 悔しさ余って地団駄踏んでも後の祭り。剣は既に檻の中、更には辺り一面扉も壁もアメイジングカードに全く干渉しない鋼鉄板で覆われている。幾ら剣がブレスを装着しても無駄な抵抗なのだ。


「そういう事だ! せいぜいそこで侘しい飯食らって惨めになってな!! ギャハハハ☆」


 完全に勝ち誇った気でいる服部のあんちゃん。これには剣の癪に触りギャーギャー騒いで荒ぶった。


「テメェェェ!! こんなん納得出来るかこんちくしょう!!! 開けろー!! 出せーー!! もう一度勝負しろォォォ……………………、フフッ」


 ところがギッチョン、捕まって騒ぎ立てる所までは全て剣の()()()()()()()!!

 本性をさらけ出した剣はニヤッと皮肉にしたり笑い。


「あの単細胞め、優勢になった途端に調子に乗るんだから。あんちゃんよりも俺の方が数百倍クレバーなのを忘れやがって!」


 服部も居なくなってシーンと静まり返った地下牢の間、それを見計らって剣はここに来て初めて、懐に隠してたブレスを装着しカードをスキャンした!!


『ツールカード――――』



 ▶▶▶ NEXT▽


 そんな剣の企みもいざ知らず、城の天守閣の上では服部が捕物に成功したこと、そしてお宝カードの保守も達成したことにより家来総員大拍手を持って、伊火様4人を盛大に称賛していた。


「――護衛チーム『伊火様』、ツヨシ殿の命により無事カードの保守及び侵入者の確保に成功致しました!!」


「うむ、実にお見事でかしたぞ! あっぱれ☆」


 命より大事なお宝カードを死守した事により、殿も家来も三太夫も酒も無いのにフーラフラ、宴会ムードで何ともお気楽連中ですな〜。


「おぉそうじゃ、ワシのカードを守ってくれた功労者のお前たちには褒美をやらねばな。ほれ、カードと賞金を受け取るがいい!!」


 すると伊火様四人組同時にプレイギアの着信が届いた。


 ◇――――――――――――――――――◇

 ・GWクエスト『雷鳴ツヨシ城のボディーガード募集中!!』CLEAR(クリア)!!

 ・ハットリは報酬 300000円 獲得!! 

 ・アメイジングカード最新パック 10枚 獲得!!

 ◇――――――――――――――――――◇


 これが同じ報酬で()()()、という事は……?


「服部の兄貴! 俺にも30万入ってまっせ!!」

「私もである……! こんなに大金を貰ったのは初めてなのである――!!」

「このお金であたしはホストクラブへ」

「「「それは是非とも止めろ」」」


 働いて報いた30万×4の大金。これには服部の目にも涙、ギリギリの生活に慣れてた分奉仕の喜びを知るのだった。


「……さて、ワシからの依頼はここで終わりだ。短い期間だったがお前たちのボディガードはここまでじゃ。大変感謝しとるよ」

「え、一日で終わり?? それじゃカードの引き続きの護衛はどうするんで?」


「せっかくじゃから、侵入者が入り込んだ隠し通路にカードを隠そうと思っとる。敵の目を欺くにも丁度良いしな!!」


 敵が去って気が緩んだかツヨシ殿。だが壁に耳あり()()()()()()()()()()……じゃなかった、障子に目あり。隠し通路の手口に何時しか仕掛けられた無線マイクがある事も知らず。


「――お陰でリベンジの手間が省けたぜ♪」



 ▶▶▶ NEXT▽


 一方で城から遠く離れた山奥では……?


「そうかい……それでアンタらの友達がミスって捕まっちまったって訳か。城が喧しいんでまさかとは思ったが……」


 脱出口を作ってくれた怪盗ハリアーがみのり達三人の顔の暗さを伺うに状況を察した。


「今でも信じられないわ……、剣くんがあんな不用心なミスをするなんて」

「ホントに。剣らしくなかったよ」

「だから俺は隠し通路は止めとけって言ったんだ。なのに剣さんってば俺の警告も振り切って――」



「あれ、お前そんな事言ってたっけか? 倭刀ちゃんよ」



 その声聞いて振り向いて、皆がびっくらこいたその面は読者の皆様のご想像に任せるとして!



 仲間の振り向く先には、桐山剣(アイツ)がいた!!!



「剣くん!!! 無事だったんだ!!」

「な、何でや!? だって確かに剣さんが捕まったのをこの目で……」


「俺だってアホ面構えて城に攻め込んだ訳じゃねぇさ。牢屋に放り込まれて、警備薄の所で自力で逃げ出したんだ! こいつを使ってな!!」


 剣が見せたのは妙な形をした()()のようであった。これこそが決め手のカードで剣の切り札、その詳細がこれだ――!


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【ロックブレイク・キー】EG:④

 属性:無

 効果:①プレイヤーまたはユニット一体

 の装備を解除する。

 ②(ダンジョンモードのみ発動する)

 ロックの掛かった扉・壁を解錠させる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「レミの調合術印、カードが干渉しない扉をも開けてしまう魔法のカギだ!!」

「……あ! ひょっとして私が剣くんに貸したカード!?」


 その通り! 剣はみのりがレミから貰ったカードの中にこのカギカードがある事を知っていた。そして今回の窮地を脱する為にどうしてもそのカードが必要だったのである。


「それと、今回の作戦でアイデア出したのもみのりなんだぜ?」

「私が?」


「お前が言うたやん、『俺が捕まれば服部は退散する』って! 案の定アイツはまんまと乗せられて軽く脱出できたって訳! 今回はホントに助かったぜみのり〜!!」


「え……えへへ〜、剣くんに褒められるなんて照れちゃうな♡」 

 不本意であった為に戸惑っていたが、親友を助けられて照れるみのり。読んでる我々までもが朗らか☆


「やれやれ、剣にはいつも冷や冷やさせてくれるよ」

「ホントでさぁ! 俺も踊らされた感じでどっか引っ掛かるぜ」

 槍一郎も倭刀も各々の口ではあぁ言ってますが、それなりに剣を信頼してる口なんですよ。


「……さて、そろそろラウンド2と参りますかハリスさんよ!」

「はっ!? 剣さんよ、まだあの城へ行くんかいな!!?」



「当たり前だろ。今度は()()に宝を持って帰るからさ!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――翌日。現実世界・ギャラクシー。

 今日も今日とでゲームジムにてエアーバイクを漕ぎながらトレーニング中の桐山剣を発見。


 そこへふんぞり返って我が物顔で迫る粋がり上手のガードマンが乱入。そうです、アイツが服部のあんちゃんです。


「いよぉ〜剣ぃぃぃ、元気でやってっかぁ?」

「……おぅ服部のあんちゃん、ヤケに上機嫌やんか」


「あたりめぇよ! 俺様はお前に勝ったんやからな!! 可哀想になぁ欲しかったハイパーレアカードの宝をゲット出来んで。さぞ悔しかったろうな!!!」


 警備員が嫌味とは悪趣味が付いちゃった様ですが、笑ってられるのも今のうち。剣、見せてやりなさいな!



「…………あ、ハイパーレアカードの宝ってこれの事?」



 孔雀の羽の様に広げたキンキラに輝くアメイジングカード、ハイパーレア印のこの束が眼に入らぬかぁ〜!!


「な!??!!?」


「悪ぃなあんちゃん、アンタらが退場してから俺らもう一度ツヨシ城に行ってよ、バカ殿が隠した()()()()にあったカード、ちゃんと頂いてったぜ!! これが証拠だ」


 ◇――――――――――――――――――◇

 ・GWクエスト『雷鳴ツヨシ城の財宝を奪い取れ!!』CLEAR(クリア)!!

 ・エースは報酬アメイジングカード(ハイパーレア) 10枚 獲得!!

 ◇――――――――――――――――――◇


 証明は剣のプレイギアに残したウィンドウの略歴から。恐らく今頃はツヨシ殿は泣きを見て、怪盗ハリスはバカ殿の鼻を明かしてざまぁみろと罵倒してる頃だろう。


 ……となると、結果的には()()()()()って事かな?


「き…………」


「俺を捕まえて気が緩んだのが失敗だったなあんちゃん。これで逃したらもうその手は食わないって頭に入れとけよ!」


「き………………」


「今度は俺がアンタに返す番だ。――ゲーム楽しかったぜ、()()()()()さんよ!!!」



「キサマァァァアアァァァアアァァァアアアアアアアアッッッ!!!!!!!」



 ――追いつ追われつライバルの数は多けれど、相手して楽しい腐れ縁。

 服部の祈願が叶うのはいつの日か、剣の遊び相手から脱出するのもいつの日か。それはまだまだ遠い話。


 いざいかん伊火様・服部・男道! 本日は【GAME14/シャッフル難攻不落城】にて、失礼をば致しますッッ!!



「また何時でも遊んでやるぜ服部のあんちゃ〜〜ん!!!」


 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽

▶▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


次の主役は、レミと穂香の一風変わったガールズコンビ!!

まさか!? ゲーム・ウォーリアー恒例 百合展開再び!!?


この小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や「☆評価」、感想等を何卒お願い致します!!


作者のkazuは何気に受けた恩を誠意を持って返す方なので、やって損は無いですよ!!(結構マジです)

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