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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
2ndSTAGE―リアル&VR・2つの世界に揺らぐ魂!!―
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【GAME14-4】ツヨシ城合戦! 運命の隠し通路!!

――TIPS――

アメイジングでは決闘だけでなく、ダンジョンやエリアの攻略の為に趣が異なるデッキが必要となる。


攻略にはアイテム重視のデッキ、決闘にはバトル重視のデッキ。複数編成して、多種多様に使いこなせるようにしよう!!

 

 ――満月よりかは満たしていないが、それでも明るく闇夜を照らす十六夜の月。それを背にする白銀の城・ツヨシ城。そんな城を陥落させようと四人のゲーム戦士が立ち上がった!!


「庭園の家来がいる所は槍ちゃんが請け負って、倭刀は城の天守閣の中入って正攻法で攻略する。そんでみのりは槍ちゃんのフォロー。役割はそんなもんかな」

「それは分かったけど、剣くんはどうするの?」


「俺は隠し通路の穴から入り込む。倭刀と挟み撃ちにして宝をゲットするつもりだ」


「えぇ!? だってあの穴、剣くんが罠だって警戒してたじゃない!」

「敵の罠と知ってでも突破するつもりかい?」


 やはりと言うべきか、そりゃそうだと言うべきか。自分が言った事を考えを改めた事には、みのりも槍一郎も物申す。だが剣はこう言い切った。


「――あの穴は罠じゃねぇ。俺はそれを確かめるために時間を稼いだんだよ」

「そーら俺の思ったとおりじゃんか! 俺も剣さんと同じく手っ取り早い方が効率的だと思ったんすよ。ねぇ剣さん?」

「……まーな」


 等と横からしゃしゃり出る倭刀に渋々同調する剣。

 秋の夜長は午後6時の辺りで真っ暗闇。闇夜は忍び込む者には視覚も不自由で丁度よし。剣の思惑通り、攻めるなら今しかない。


「……どーやらお前さんら皆準備万端の様だし、早いとこ城に向かうぜ。俺っちが作ったイカダで池を渡って、そのまま城の石垣を登るんだ」


 どうやら怪盗ハリアーさんも離れて準備してたのはイカダの用意の為だったんですね。しかし城にイカダで潜入なんて、ハイテクなのか古風なのか分かりませんね!


「うるせぇ、突破口開くのにゃ時代も関係あるかい! さっさと行くぜ!!」


 ▶▶▶ NEXT▽


 ――抜き足差し足忍び足……と言ったってこれはイカダなんですから、(かい)という名の棒を漕いで水面を波打ちスーイスイ。

 城の周りを覆う漆黒の池、波が揺らいで跳ねる水の音のみが木霊する。


 そしてこのイカダが辿り着いた終点は、ツヨシ城の入口無しで忍び返しと呼ばれる石垣の壁。


「俺っちはこのイカダのまま待機する。アンタらが宝を持ち出してズラかる時と、万が一しくじった時にはこの丸太印のイカダごと飛びこんで脱出するんだ。逃げ道はちゃんと確保しておくから。四人とも無事で帰って来いよ!」


 怪盗とゲーム戦士が互いにサムズアップ、無事を誓いあったところで剣たちは攻略開始。石垣の溝を足場にロッククライミング。

 毎日現実世界のゲームジムでボルダリングで鍛えたこの身体、石垣登りもなんのその。女の子のみのりでさえもスルスルと簡単に登り切るこの逞しさ、実にお見事。


 はてさて、ツヨシ城側はどうなってるのでしょうか?



「えぇい憎き怪盗ハリアーめが……、相手が誰であろうともこのワシの大事なカードは1枚足りとも渡さんぞ!! 来るなら来ーーい!!!」


 大事なカードったって、他所から奪ったタカりのカードでしょう! それを否が応でも渡さんと宝の前で仁王立ちで構えるツヨシ殿。位は高いのに心は実にさもしい。


(ケッ、仕事とはいえ俺様はあんなカードにゃ興味無いがな。第一目標は剣の討伐のみ!! それのみに俺様の全精神を掛けるのだ!!)


 何て野心を抱きながら服部のあんちゃんが配置したのは天守閣内部のアスレチックエリア。正攻法で進む者を阻む。


「A太、B次郎、C奈! 庭園はしっかり守っておけよ、妨害の限りを尽くして一匹たりとも天守閣と()にはいれさせるな!!」


『『『了解で、服部さん!!』』』


 海賊、浮浪武士、花魁と月夜でも目立ちすぎるアバターは伊火様の子分トリオ。それに城の家来兵士も数十人従えた防陣を、作事の高い塀の上で傍観する四人。



「……良いか? 倭刀は天守閣、槍一郎とみのりは庭園、俺は隠し通路の穴のトライアタック。目標は――アメイジングカード一直線!!」


 剣の指鳴らし、3回鳴らしてスタートの合図。――1、2、3!!


「GO!!!!」


 ――さぁシャッフルオールスターズ四人衆、三手に分かれて今ツヨシ城攻略が始まった!!


 先に先手を打ったのは駿足の槍一郎、遅れてみのり! 疾風のように庭園駆ける二人に眩い証明のスポットライトが照らし出される。それを手始めに周囲の証明が四方八方に張り巡らせてツヨシ城もエマージェンシー、緊急体制に入った!!


「みのりちゃん急いでッッ!!」

「分かってる!!」


「居たぞ逃がすなァァァアア!!!」


 全力疾走、遮二無二に突っ走る槍一郎とみのり。それを追っかける家来&伊火様子分トリオ。未だ待機している剣と倭刀が各々の突破口に忍び込むまで最大限に敵の距離を離す。


「よし行くぜッッ!!」

「いっちょやったらぁ!!」


 剣と倭刀、二つの刃のセカンドブースターが遅れて発進! 倭刀は天守閣に突入、剣はマップで確認した隠し通路の落とし穴へ身を呈してダイブする。



「ひぇえ! 本格的じゃねぇか、乳酸地獄ってヤツか!?」


 眼前に立ちはだかるは上腕、二の腕、指先グリップの三段地獄アスレチック。倭刀は天守閣のアスレチックエリア攻略の為に、用意周到にセッティングした滑り止めグローブと炭酸マグネシウムをアイテムに使い、万全対策で攻めに出る。――しかし。


「お出でなすったなネズミめ!!!!」


 アスレチックの上段、鉄骨の上から見下ろす番長は服部のあんちゃん!


「やろ〜!! アスレチックの上から来るなんざ汚えぞ!!!」

「勝負に汚いもハウスダストもあるものか!! こっから先はこの服部様が相手だ!!」

「やれんもんならやってみろぃ!! ぶった斬ってやらぁ!!!」


 ――倭刀と服部が互いの刃に相交じる時、剣は既に手足を這いつくばって城内の柱の上をスパイダークライム状態。

 そして槍一郎は家来兵士と槍を片手に一触即発・修羅の殺陣、更にみのりは不運にも伊火様子分トリオに追われる始末!



「待てェェェェ! 前に服部様をビンタした仕返ししてやる〜!!」

「ハァハァ待つのだ姫君よ、話し合って我とデートを」

「あんなビッ◯なんかよりあたしの方が100倍綺麗よ!!」

「「ビッ◯はお前だろC奈」」


「やぁああ!! あの三人にだけ捕まるのは絶対イヤ!!!」


 みのりがここまで拒否反応を起こすとは相当嫌なんでしょうな。火事場の底力で韋駄天走りを見せるみのりは、走りながらカードをスキャンさせた!


『ツールカード、【スマートフラッシュボム】!!』


 みのりが召喚で取り出したるはコンパクトな発信器のような五つの機械。これを天守閣の壁際にピタッと貼り付けながら追いかけっこは続く。


 ――騎士の潜入、槍の乱舞、刀の一騎打ちに姫の大逃走。それぞれの展開が交差するこの城で新たな動きを見せようとしていた!



『アクションカード、【スロームーブ】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <アクション・カード>

【スロームーブ】EG:②

 属性:黒


 ・効果:相手のプレイヤーのステータス

『速度』を3段階下げる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「うぁッ……!? 足が、重い……!!」


 B次郎の放った呪いのようなアクションカード、【スロームーブ】は相手の足の速さを即減させる恐ろしい妖術だ。

 これにより動きが鈍ったみのりはとうとう子分トリオに捕まった。



「「「つっかまえたぁぁぁぁ★★★」」」

「イヤァアァ離してーーーーー!!!!」


 必死で藻掻き叫ぶみのり、そんな彼女の耳元イヤホンから鶴の一声が掛かった!


『みのり、聞こえてるか? 今宝の手前まで近づいたぜ。ここで一発バァンとやっちゃえ!!』


(剣くん……!!)


 今にも事案が起きそうなピンチのみのり、しかし彼女の城に仕掛けた五つの装置が逆転を呼び起こす!!


「これでもくらえーーーーーッッ!!!!!」


 みのりがブレスのタップで作動させた、次の瞬間!!



 ――――FLAAAAAASH(ピカーーーー)!!!!!


「「「うぉおおぉおお!?!?」」」


 眼が潰れそうな位眩い光が城の外部、内部へと包む!



 ◎――――――――――――――――――◎

 <ツールカード>

【スマートフラッシュボム】EG:④

 属性:黄


 ・効果:5つの装置を至る箇所にセットし、

 ブレスの作動ボタンにて閃光を浴びさせる。

 50%の確率で『ブラインド』状態になる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「な、何だこの光は……何も見えん!!」


 城内で宝を守るツヨシ殿も目を眩ます程の閃光が辺りを包む。そんな時、隠し通路にて既に待機していた剣がサングラスを掛けて飛び込み、ツヨシの眩んだ隙を突いて瞬時に宝のカードを奪い取った!


 ――そして光が止んだ時には……後の祭り。



「はっ!!? 大変じゃ、ワシのカードが!!! 何者かに盗まれたァァァアア!!!!」


 それを聞いた服部がピクッと反応して、競り合い中の決闘を中断させてこう言った。


「……へへへへ、やっぱりあの通路を使ったか剣め。もう逃げられんぞ!!」

 と服部は倭刀の妨害を破棄して、天守閣の外へと駆ける。


「……なんだぁ? 何か知らんがいやーな予感がするぜ……」


 そんな事はいざ知らず、手に入れたレアカードを奪い取った剣は高揚の有頂天、ハイになって通路を駆け降りる。


「イヤッホォォォオオ!! マンマと引っ掛かってくれたぜあのバカ殿!! ハリアーさんが聞いたら驚くぜ〜☆」


 降り終われば今度は登る、穴の向こうは十六夜のお月様。


「へへっ! 月も俺の勝利を祝ってらぁな!!」


 剣が向かい登ったその矢先、演技祝で突き進んだ月には()()()。これによって剣の脱出口は完全に閉鎖された。


 ガシャァアアアン!! ドサァ――!


 その反動で穴から落ちかけた剣、その同様とした彼の目先には……服部のあんちゃんの立ち往生……!!



「見事に引っ掛かってくれたのはお前の方だったなぁ剣ぃぃぃぃ……!! これで俺様の勝ちだアアアアアアア!!!!!」


 完全勝利は我にあり、と我をも忘れて腹をよじらせ抱腹絶倒の服部のあんちゃん。まさか……?! 本当に剣は負けてしまったのか!!?


 だがしかし、この話はここで終わりじゃない。次回より真の真相によって全てが明かされます!! 一先ずは本日のゲーム、これまでッッ!!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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