表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼空の連合艦隊  作者: 909
第二次世界大戦~第一幕 対ソ戦~
49/64

第四五話「ソ連軍の作戦を打ち砕け」

日本軍の困ったときの策です。

- ソ連はバグラチオン作戦によって実働兵力を全て投入していた。フィンランドを一気に踏み潰すというスターリンの怒号かどうかは不明だが、物量による攻勢は日本を初めとする連合を震撼させた。各国が物量攻撃に抗するべく選んだ道は対抗できる戦車をある程度充実させ、対地掃射機の数を揃えることであった。史実でソ連はJu 87 Gに手痛い損害を負っている事からドイツは早期の同機の採用と量産を推進し、日本も彗星の登場で旧態化していた九九式艦上爆撃機を転用し、対地掃射機としてでっち上げた。それが日本の掃射機として恐れられる九九式艦上爆撃機三型であった。名前こそ変わっていないが実態は完全に掃射専門機といっていいほど改造され、本来は対重爆用の40ミリ砲をこれまた無理矢理積んでいた事からベテランパイロットが選ばれて乗り組んでいた。ノウハウはドイツのハンス・ウルリッヒ・ルーデル大佐が教え込み、その威力はソ連軍を驚愕させた。何せ史実で猛威を奮った37ミリ砲より更に大口径砲が降り注ぐのだ。如何なソ連の戦車と言えど天蓋装甲をぶち抜かれ、撃破されるのみであった。制空権は精強な制空隊によって掌握されているのが連合軍の数少ない救いであり、掃射機が好きに暴れられるのも彼らの働きあってのことであった。


-フィンランド ソ連国境付近


「よし今日も狩りの時間だ!!盛大にやれ!!」


雪地らしい迷彩塗装がなされた、「九九式艦上爆撃機 三型」が降下し、機銃掃射を行う。このような掃射では如何に敵に有効打を与えるかが肝である。T-34などの天蓋装甲は20ミリには耐えられるが、その数倍の威力を誇る40ミリは無理である。史実でルーデルが行ったように、日本掃射機(旧艦爆)隊は戦車を炎上させていく。現在のところ日本の戦車はT-34には完全に対抗できるわけではない。三式を改良して騙し騙し使っているが、抜本的な性能差は埋めがたい。今、日本でそれらとまともに打ち合えるのはIS-2に対抗できる砲を持つ五式砲戦車「ホリ」のみ。改良も進んでおり、120ミリ砲搭載型も検討されているが、所詮砲戦車であり、戦力の中核とは成り得ない。中戦車の開発は今すぐどうにかなる訳では無いからこうして各国で掃射機が重宝されているのだ。彼らは弾の許す限りの猛攻で一気に数十両の戦車を大破・炎上させていく。







「日本はあんなのを投入してきたのか」

「俺らの戦車群には数では対抗できんし、ドイツはともかくも日本にとっては死活問題だ。だからああいう飛行機で場を凌いでるんだよ」

「なぜです?」

「戦前に比べて日本は発展したが、モータリゼーションは欧米より遥かに遅れている。新型戦車の開発はおいそれと進められない日本は航空技術で場を凌いで、モータリゼーションの発展を待ってるんだよ」


ソ連兵達は日本が航空機で場を凌ぎ、正面切った戦車戦を行わなくなった事をこう揶揄した。T-34の最新型とIS-2に震え上がった日本軍は戦車への対処法の主体を航空機による対処に切り替えた。それは四式中戦車待ちの日本軍の現状をよく表していた。



-モスクワ クレムリン


「同志ジューコフ、進行具合はどうかね」

「ハッ、同志スターリン閣下。ドイツ軍と日本軍の掃射機に手を焼いております」

「ほう。日本だと」

「はい。奴らは戦車で対応しきれないと踏んだらしく、航空機で対応する方法に切り替えたようです」

「うむ……こちらの空軍は何をしているのかね」

「練度の高い日本軍航空隊に手こずっておりまして、新型機の増産を求めます」

「手配しよう」


クレムリンではスターリンがゲオルギー・ジューコフ大将からの報告を受けていた。航空戦では零戦に対応できないこともなくなっていたが、戦技無双を誇る日本空軍航空隊の搭乗員はやはり脅威には違いない。新型機も確認されている。カウンターパートになる新鋭機の増産が必要だとジューコフ将軍はスターリンに説く。スターリンもノモンハン事件で功績を上げた彼のことはアレクサンドル・ヴァシレフスキー大将などと共に目をかけており、国民より英雄として讃えられていた。スターリンはノモンハン事件で弱体であることが判明した日本機甲戦力などは歯牙にもかけていないが、航空戦力は危険視していたので彼の進言をすんなりと受け入れた。日本軍の苦境はまだまだ続く。








-ヘルシンキ 航空基地


「参謀、九九式の改装は進んでいます。明日までに20機を三型へ改造して見せます」

「頼む。愛知飛行機には苦労させるが……これも戦争だかんな」


九九式艦爆の改装が進む様子を視察する遥。この日は戦闘機搭乗員としてのローテーションの非番で地上待機。愛機は雷電に加え、五式戦としているらしく、この時期より機体に塗装させている彼女のパーソナルマークである「百合と雷」が入る五式戦が置かれている。


「参謀、五式戦の乗り心地はどうです?」

「いい。飛燕系統の最終改造型だから扱いやすいしな」

「掃射任務に参加なされるので?」

「ああ。制空権は確保できてるからこれも任務だ。ソ連の例の作戦を打ち砕くには掃射が重要だからな。ところで一式陸攻は配備されるのか?」

「近々配備の見込みです」

「……はたして戦略爆撃がどのくらい効果を出すか。厭戦には使えんからな」


ソ連軍の兵站を叩くために航続距離の長い日本機で戦略爆撃を行う。全面的に再設計を行った一式陸攻がその任を担うというが……遥は一抹の不安を拭えなかった。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ