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蒼空の連合艦隊  作者: 909
第二次世界大戦~第一幕 対ソ戦~
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第四一話「三式中戦車の悲哀」

後継車が遅れる三式中戦車装備機甲部隊の悲哀です。

-四式中戦車「チト」は日本にとって難産であった。各種技術の成熟・量産態勢確立……そんな問題もあって、1944年中の量産は見送られた。しかし戦地では補助用の一色中戦車「チヘ」が完全に旧式化し、第一線任務には耐えられなくなっていた。そこで日本は急遽、戦地で考案された三式中戦車「チヌ」の延命策を制式採用。改型としてラインがその仕様に切り替えられ、本国や第三国を経由してフィンランドで使用された。その時の戦闘記録は以下の通り。



-戦車戦はドイツ重戦車大隊の奮戦でなんとか若干優位に持ち込み、ひとまずの小休止に入っていた。だが、ヘルキンキ防衛部隊の奮戦むなしく、戦線自体は押され気味であった。

そんな中でも日本担当方面を辛うじて支える`軍馬`がこの三式中戦車「チヌ」改である。性能はT-34-85には及ばないもの、打撃力は現地でドイツの「7.5 cm KwK 42」が、ドイツ製の高威力かつ高品質の砲弾を用いるために日本の五式75mm戦車砲に代わる形で搭載された事でパンサーと同等の威力を持つ。砲塔もそれまでとは大きく違った印象になり、一見すると旧砲塔車とは別車両に見える。兵士たちの願いが身を結んだ格好だが、装甲は現地改造の都合で若干の強化で留まっていた。



-ヘルキンキ とある陣地


「一式の部隊がT-34の最新型に出くわしたんだって?」

「ああ。可哀想なことに85mm戦車砲は撃ちまくられてほぼ壊滅、生き残ったのは数両だけだったそうだ。所詮チヘは偵察・斥候用に格下げされた旧世代の戦車だから、最新型相手は荷が重すぎた」


兵士たちは容赦ない攻撃で斥候・偵察用に使われるようになった一式中戦車「チヘ」が為す術無く壊滅させられた事にため息を漏らす。第一線部隊の主力である三式中戦車でさえ、そろそろきつくなって2度目のマイナーチェンジを施さないといけない時期にきているのに、旧式の一式中戦車ではまともな戦車戦はできない。特に噂のT-34の強化型相手では。


「それで?」

「改型が主力になるから余剰の初期型が斥候部隊の一式中戦車の代換で配備される事になった。チヌの改型は今のところ俺達が現地改造したタイプが30両。本土から送られた新造車が40両送られてきたのでなんとかそれで部隊は編成可能だ」

「間に合わせの兵器で戦うことになろうとは。新型がほしいぜ」

「無茶言うな。チトはそうとう欲張った要求性能だしたから難産で来年中の生産計画は白紙にされたそうだ」

「なにぃぃっ!!くそぉ」

「自動車関連技術が遅れてるウチらには仕方がない事だ。チヌが持てるようになっただけでも大きい進歩だ。あれがなければ今頃まだチハで戦ってる所だぞ」

「それはそうだが」

「チヌは良い戦車だ。だが、そろそろ後継が出てほしい」


戦車隊の兵士は口々に「チヌ」の後継者が現れてほしい事を漏らす。史実で最高で新砲塔チハしか装備できなかった外地戦車部隊の人間はチハより遥かに凄い後継を欲するも、叶わない願いに終わった。その因果は形を変えて三式中戦車の後継が予定より遅れるという形で新史でも結ばれていた。この日もチヌは新火砲と共に戦う。後継者が現れるその日まで。その日はまだ遥かに遠い先の事に戦車兵たちには思えた。



-日本  三菱


「ディーゼルエンジンなどが遅れている?」

「はい。火砲は順調ですが、どうしてもその他が……」

「軍も早くしてくれとせっついてきている。どうしたものか」


三菱ではチトの開発の遅れが深刻な問題となってきていた。それを解決できる秘策はまだ見つかっていない。このままでは三菱財閥の立つ瀬がない。三菱は起業以来の岐路に立たせられていた。はたして四式中戦車の運命は如何に?完成の暁には日本最高の戦車として君臨するであろう四式中戦車「チト」はようやく搭載される火砲がロールアウトしているに過ぎない。それを走らせる車体や走行装置などは満足の行くものができない。どうすればいいのだろうか。外国企業に助けを乞うのか?それとも独自開発に拘るのか……?


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