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蒼空の連合艦隊  作者: 909
第二次世界大戦~第一幕 対ソ戦~
28/64

第二五話「菅野デストロイヤー、現る」

雷電と撃墜王の登場です。

-遥は対ソ連戦闘機とのキルレシオは日本側に分があると1943年の日誌に記していた。

この時点の日本空軍はそれまでの主力である「鍾馗」と「零戦」に加えて当時最新鋭の局地戦闘機「雷電一一型」が正式採用されていたからだ。この雷電は史実で言う後期型の設計を手直しする形で再設計が行われており、エンジンも火星ではなく、次期主力戦闘機用のハ42が流用されている。武装は制式採用されたばかりのMK 103 機関砲を四門装備すし、炸薬を改良した事で獲得した破格の攻撃力はIl-2をも撃墜可能、さらに史実よりパワーに余裕がある発動機を積み、イギリスや中国の援助でハイオクガソリンを使用でき、整備力や工業力も史実よりずっと良好なために初期型であるこの時点で640キロの高速を発揮可能という三菱咽び泣きな高性能(雷電が本来持っていた潜在的性能)を発揮。もちろん防弾は考慮済みだ。



-格納庫


「いやあ雷電二一型の設計図渡しただけでこんなに良くするとは……堀越二郎は本気だったようだな」

「参謀、もしかして雷電を良くしたのは……」

「直接的には堀越二郎技師だが、間接的原因は私だ。幸い元いた旧史の二一世紀じゃ三面図のような図面は一般人……小学生でも買えるような本にも載っていたし、ちょっとした専門書には弱点や戦歴が記されていたからな。後者の最新版を買った帰りに`やって来た`から喜んでいいのか」


遥は転移直前に学校の近くの本屋で『第二次大戦~最新機』の特集ムック本を買っていた。

それが最後に旧史で買った本であり、持ち込んだ資料の中で今のところまだ未使用のところが多い。現在の本の各メーカーは彼女が転属直前に渡したこのムック本を回覧版の要領で取っ換え引っ換え回して開発中の機体の改善の参考にしていた。現在は雷電の開発が終わった三菱から川西へ回され、紫電改及び陣風の参考にされている。次は「震電」、「東海」を製作中の九州飛行機に回される予定との事。







「今回は私も出よう。専用に確保しといた雷電のテストにちょうどいい」


遥はこの時期には部隊の士気高揚のためも兼ねて搭乗員の訓練を正式に受けていた。課程を無事終えると自らの特権を最大限活用。最新鋭機を専用機として確保するように根回ししていたのだ。


「雷電はベテランには`扱いにくい`かも知れんがいい戦闘機だ。赤松もいいと褒めていたしな」

「へえ……あの赤松少尉が?」


`赤松`とは撃墜王の一人「赤松貞明」の事。史実ではこの雷電でヘルキャットと渡り合った日本軍きっての豪傑である。彼女は転属後に一度本土に戻ったが、その時に配備間もない雷電を見学するときに雷電が先行配備された343航空隊を訪れており、そこに属している彼と面識が出来たのである。彼は雷電を「いい戦闘機」と褒め、その火力を絶賛していた。古豪と名高い彼が絶賛するので343航空隊の連中の一分若手は雷電への搭乗訓練を受けていた。


「そうだ。だからあの部隊の若手共は乗りたがっていた。…そうだ、ところで今日、新人が配属されてきたと聞くが、いったい誰だ?」

「ハッ。菅野直少尉であります」

「おぉぅ……あいつかよ、菅野デストロイヤー……ついに来たか」


遥はその名に思わず`ブフォ`と吹き出しそうになった。菅野直は史実での後期日本海軍航空隊きっての撃墜王で、`最後の撃墜王`とも言われる。通称はブルドックであり、敢闘精神旺盛な若手のホープである。その菅野がまさかこのフィンランドの地に配属されてくるとは。


「まあいい。奴は私の分隊にいれとけ。なにか飛行機壊しそうだからな」

「伝えときます」


遥は一抹の不安を抱えつつも雷電を駆ってこの日の空戦に臨んだ。その不安は見事に的中した。



「私たちの任務はあくまで敵の撃退だからな」

「了解」


零戦・鍾馗・雷電の混成部隊はソ連のIl-2を撃退すべく行動を開始する。最も有力な火力を持つ雷電が

先陣を切るが、その中の一機の零戦が突貫し、Il-2に激突するような勢いで接近する。


「くたばりやがれぃ!」


その零戦は翼を打撃武器のように用いてIl-2の尾翼にぶつけて撃墜する。このような凄まじいことを敢行するのは一人しかいない。


「戦果、Il-2一機撃墜!!」


無電でそう報告する搭乗員は紛れもなくその彼だ。


「貴様、もしかして菅野か!?」

「そうです。菅野直であります。参謀殿、何か?」

「あ、いや……そのなんだ……初陣でやることかこれ?」


そう言われて唖然とする遥。これが菅野直かと思わず唖然とさせられる。史実ではB-24をこの方法で撃墜し、基地に帰還する時搭乗していた輸送機の操縦桿を自ら握り、墜落すれすれのスタント飛行によって敵の奇襲から逃れるなどの逸話を持つ男。新史での初陣はその逸話に恥じない破天荒なものであった。























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