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蒼空の連合艦隊  作者: 909
第二次世界大戦~第一幕 対ソ戦~
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第二四話「日本軍の兵器開発 艦艇編 2」

-対ソ戦は今のところフィンランドでの陸・空戦が主であったが、いずれ海戦が起こる事は日本海軍は承知していた。幸い米海軍と異なりソ連軍は帝政ロシア時代の軍艦が未だ残存しているので長門などの主だった戦艦の脅威には成り得ない。だが、新史におけるソ連軍はただ一つだけ長門に対抗出来る力を持っていた。それは史実での未成艦「ソビエツキー・ソユーズ級戦艦」。超弩級戦艦を6隻以上運用する日本海軍に対抗出来るソ連唯一の新鋭戦艦。そのカタログスペックは最大装甲で495mmという超重装甲を持ち、大和並である。日本海軍は既に米国の秘密裏の援助でソ連が同艦級を就役させた事を察知しており、対策に追われていた。


「諸君、由々しき事態だ。情報部からの緊急電でソ連はソビエツキー・ソユーズ級を手に入れたことが判明した」


軍令部総長に就任した永野修身大将は開口一番にそう告げた。ソビエツキー・ソユーズはソ連の象徴として建造されていた超弩級戦艦。それが就役したのだ。長門を凌ぐという新世代に相応しい性能を誇る。問題は数だ。どの程度就役させたのか、が日本海軍の杞憂であった。


「なんですと?露助があれを……!」


山本五十六は唸った。ソビエツキー・ソユーズ級に対抗可能な艦はまだ稼動状態になく、

改装中の大和、建造中の武蔵と111号艦…いや甲斐が最有力だが、甲斐にしても最終艤装に時間を要し、完全な完成は後3ヶ月を要する。(111号は1942年末に進水した際に甲斐と命名され、大和型戦艦三番艦としての名誉を得た。その主砲は途中で51cm連装砲に変えられ、武蔵へのデータ収集艦の役割も得ている。なお防御方式は過度な集中防御ではなく日本が独自に研究した日本式全体防御となっている。(ドイツ軍のように`薄く広く`ではなく`厚くほどほどに`の思想でヴァイタルパートを拡大したので防御力は高い)

そして画期的なのが日本戦艦で初めて当初より多層水雷防御方式を導入した点で、日本海軍では今のところ最も防御力のある戦艦である。それが就役するまでの期間は大正年間の旧型艦で凌ぐしか無い。去年末に突然、大和型4番艦の112号の建造が認可された背景にはそういう事情があったのかと山本五十六は納得する。





「総長、ソビエツキー・ソユーズ級は何隻が確認されていますか?」

「うむ。既にソビエツキー・ソユーズからソビエツカヤ・ウクライナまでの就役は確認されている。ソビエツカヤ・ベロルーシヤやソビエツカヤ・ロシアについてはまだ調査中だとの事だが……強敵だ」

「こちらで夏までに就役済みの戦艦で殴り合いで勝てるのは大和と甲斐のみ……それで112号の建造が認可されたのですね?」

「そうだ。急遽だったから35000トン級金剛代艦を二隻オジャンにしたがな」


これはB65型大型巡洋艦のことで、旧式で開戦時には30年の艦齢を超えるであろう金剛型の代換艦として計画された超甲巡である。艦容は廉価版大和の様相を呈していて、大和を小型にした姿である。これは新型戦艦のタイプシップが大型重武装の大和型になり、予算が嵩んでいる日本海軍の苦肉の策で、旧式重巡の代価を兼ねて4隻が計画された。だが、ソビエツキー・ソユーズへの対抗で急遽大和型4番艦が計画されたので戦備計画で建造数を2隻に削減された。だが、その性能は後の米国「アラスカ級大型巡洋艦」より遙かに優秀であり、超甲巡は後々にその優秀性が認められ、空母に随伴可能かつ水雷戦隊の旗艦としても運用可能な万能艦として活躍することになる。(これは史実と違って対潜能力が備わっていたためと対空能力も有力であったため)


「そうですか。しかしこれで金剛・比叡に妙高や那智を一線から下げて領海警備艦隊に回せます」


-領海警備艦隊。これは日本海軍が新たに設立した後方支援艦隊の一つ。41年以降に大量建造がなされている海防艦を中心にした(船団護衛等のシーレーン防衛や沿岸警備を主任務とする小型戦闘艦。史実では、戦争後期に緊急量産された)本土防衛の一翼を担う部隊で、旧史の戦後で言えば海上保安庁の役割を担う部隊の一つである。旧式の戦艦や一等巡洋艦を領海警備艦隊に回すというのはこの時期は旧式艦の活用法として当たり前であった。


「これで本土の防衛も固いな」

「はい。しかしどうします?」

「対潜能力を強化、あるいは付与する改装を施そう。シーレーン防衛は命より大切だからな」


こうして日本海軍ではシーレーン防衛に力が入れられていく。対米戦に備え、空母と共に後方支援艦艇が急ぎ建造され続けているが、それらを護衛するには海防艦を主体とする護衛艦隊の充実は急務であり、日本海軍ではその研究が急がれていた。これらに参考されたのは`戦後`の自らの後進`海上自衛隊`の資料本であったという。







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