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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第142話:【威圧】便利過ぎ

 スケルトンを倒すために次の階層へ急いだが、先を急いで休憩を取らなかった探索者が念入りに掃除をしていったらしく、しばらくモンスターに出会うことが出来なかった。これはこの階層は全部掃除されていると考えてもいいかもしれない。


 次の階層までこれは出会えそうにないな……とうろうろしていると、デブスケルトンが正面からやってきてくれたのでやっとありつけたか、と思いきやドロップはなし。まあ、こういう時間帯もあるさ。


 そして、そのデブスケルトン一匹だけを残して次の階層へ行こうとすると、スケルトンを倒していた数パーティーがそのまま階層の境目で休憩をしていた。ご苦労様です。


「どうだった? 道中スケルトンいた? 」


 全部やってやったぜ、と言わんばかりに美味しいところは全部貰っていったぜと主張する様に少しカチンとくるが、落ち着いて対応をするし、わざと挑発させるようなことを吐いても無駄だろう。素直にありのままだけを伝えておく。


「一匹だけいましたね。後から来るパーティーがまた見つけるかもしれませんがとりあえずそれ以外は掃除できてましたよ」


 それだけ伝えると、さっさと次の階層に向かう。落ち着け……ここから先はまだモンスターの見込みがあるエリアだ。しっかり稼いで帰れるのを見込んでここまで来たのだから、ここから先は何としても稼いで帰るし、稼げなくても家から魔石を持ち出せば金にはなる。


 やはりスケルトンの階層の後は室温が上がり、暑い階層が続いていた。どうやらサラマンダーが居るのは間違いないらしい。


「またこのマップを歩くのね……水分を補給しておいてよかったと考えるべきなのでしょうね」


「そういう意味では、ここに入る前に休憩を始めたパーティーはそれなりに賢いことになるな。しっかり水分補給して体内水分量を保持したまま次の階層に行ける」


 っと、サラマンダーだ。流石にここまで深く入り込んでいるパーティーはそれほど多くないらしく、そこそこの数が残っている様子だ。これはまだまだ食べがいのあるモンスターがいるらしい。


 試しに威圧をかけてみると、サラマンダーも硬直して動かなくなったので、その間に彩花がサクッと倒して魔石に交換してくれた。


「まだ威圧の効果はあるらしいな。どこまで通じるのか楽しみになってきたな」


「何かのコラムで、探索者は一つの武器や手段に頼りきりにならないほうがいいと書いてあった気がするわよ? 威圧一辺倒はあまりよろしくないのではなくて? 」


 チクリ、と助言をくれる彩花。たしかに一理あるが、もともと自力で突破できるところをさらに楽しようとするための手段なので、頼りきりになるのとは少し違うと思う。


「まあ、威圧を使わないと倒せない訳じゃないから今の所は大丈夫だと思う。これがシャドウウルフや十一層以降のモンスターになってきたら話は変わってくるとは思うけど、今の所は大丈夫だと思うよ」


「それもそうね。できるだけ楽に倒していけるようにしましょう。今は数を稼ぐのが大事なのよね? 」


「実際は数をいくら倒すかじゃなくてどこまで奥へ進めるかが大事なんだが、他の探索者が奥へ行きやすいように道中のモンスターは可能な限り数を減らしていくのが常道……って探索者講習で習ったかな」


 そのへんの扱いやインスタンスダンジョンについてはダンジョン探索の基本として真っ先に習った部分なのでまだ覚えている。それぞれのパーティーで探索しながらも、奥へ直接向かえる人物をより押し込むためにきっちり湧きつぶしをして、出来るだけ元気な探索者を押し込むためにきっちり倒していくのが大事だ、と習った。


 複数パーティーが潜り込むことになっても、結局最終的にダンジョンコアを破壊するのは誰か一人。その間に複数パーティーの共同作業としてダンジョンの踏破を目指していくのだから、進捗に寄与する限りは探索者を名乗っていい、つまりモンスター退治をするだけでも充分仕事をしているということになるってことだ。


「ここではあんまり長居したくないけど、それでも道がどっちに行けばいいかわからない以上どこにいてもサラマンダーを倒していくしかないからな……きっちり倒して荷物をかき集めていくか」


「私たちより先に進んでる探索者は今頃どのあたりにいるのかしらね? 」


「どうだろう、放送があった段階ですぐに駆け寄って先に走っているだろうから、この階層か次の階層あたりで先を急いでいる可能性はあるけど、さすがに休憩はどこかで取るだろうし、追いつくことはないとしても近くまでは来てるかもね」


 ひたすら【威圧】で行動を止めながらサラマンダーをシンプルに狩りにまわる。一時間ほど回ったところで自分達より後から休憩を終えたパーティーが続いてきたので、一旦戦闘は少し休憩にして次の階層への行き道を探し始める。


 十五分ほど歩いたところで次の階層への道を発見し、水分を補給してから涼し気な階層に戻る。


「ふぅ、いつもより消耗した感じはするが、戦闘に無駄な体力を使わなかった分だけ楽っちゃ楽だったな」


「そうね、【威圧】のおかげで随分楽をさせてもらったのは確かね。それがどこまで通用するかまではまだ解んないんだっけ」


「そう。だからどこまで通用するか楽しみにもしてる。エネルギーボルトと威圧だけで次の階層が攻略出来たら便利だな、とは思ってるけどね」


 実際エネルギーボルトだけでブラックバットもビッグバットも制圧できるので、この階層までは問題は非常に少ないと言える。エネルギーボルトも同時に二本まで出せるようになったので、三匹までなら一人で相手にできるようになった、ともいえる。


「ビッグバットもブラッドバットもモンスターとしてはあまり強くないけど数はいるってイメージだから、あまり多く居ないことを祈るわ」


「先に行ってるパーティーがどれだけ倒してくれてるかと、このダンジョンのモンスターの多さによるかな。あんまり多いと帰りの荷物が大変なことになるから本当に十層で一旦離脱することになるかも」


 荷物の空きの残量を見て、後どのぐらい戦えるかを考えると、丸ごとモンスターを倒すつもりで次の階層に挑むなら、ここで折り返して戻るほうが賢い選択肢にはなるだろう。そこまで混んでないならまだありがたいところだが、この辺は探索用のバッグを買って、持ち帰れる量を増やすのか、それとも浅いところでも良いからとにかくバッグを満たして戻ってと、サイクルを上げる方向で行くのか……と考える所だろう。


 今後のことを考えると、十層付近でうろうろするならまだバッグの交換はしなくていい。そこより奥に行って魔石が確実に手に入るようになった場合、どうしていくかを考えるべきだな。


 とりあえず次の階層へ向かって……と、早速ブラッドバットらしき蝙蝠が飛びまわっているのが見えたので、威圧を使って地面にたたき落とす。空を飛んでいるブラッドバットに威圧をかけると、威圧のプレッシャーに負けて地面に落ちてくる、という話だったが、本当のようだ。


 威圧のレベルによってはブラッドバットとビッグバットで効き具合が違うため、ブラッドバットだけ落ちてきてビッグバットは平気で空を飛びまわっている、ということになっているらしいが、俺の威圧レベルだとどっちも等しく落ちてくるらしい。周辺の地面に飛びまわっていた蝙蝠たちがペタンペタンと落ちていくので、一匹ずつ丁寧に処理していく。魔石がどんどん溜まっていき、荷物が重くなっていく。


「ようやくまともな収入ってところか。もっといい感じでしっかり稼いで帰りたいな」


「そのための威圧……そのためのエネルギーボルト……段々楽させてもらってて悪い気がしてきたわ」


「そこはまあ、彼女ボーナスということで素直に受け取っておくといいよ。アカネ信者ボーナスでもいい」


「じゃあ、両方ってことで良いわよね。私も何か気に入ったスキルが出たときには覚えたいものね」


 威圧で次々に地面に落下してくる蝙蝠たちを丁寧に倒しつつ、道を開いていく。どうやら本筋はこっちではないようだが、それでもブラッドバットもビッグバットも行動範囲が広いので、数を減らしておくことは後続の探索者にとっては前に進む好条件になる。しっかりここで稼がせてもらって、ついでにしっかり先へ進んでもらおう。


 蝙蝠たちがポトンポトンと音を立てて落ちてくるので少しかわいそうになってきたものの、魔石を必ず落としてくれる美味しいモンスターであることに変わりはないため、心を無にしてかなりの数倒した後、グルグルと回ったところで次の階層への道が見えてきた。どうやらだいぶ遠回りをしてここまで来てしまったようだ。


「先を越されたわね。迷ってしまった分だけ損したかしら」


「まあ、その分収入はあったから良いかな。魔石ドロップ確定のところで存分に戦えたんだし、今日の収入はかなり大きいと考えていいはずだ」


「そうね……ダンジョンを攻略するのが目的なら確かに痛手だけど、最初から補助が目的ならこれでよかったのかも。お小遣いにもなるし言うことなしね」


「そんなわけで、十層まで行ったら戻れるかどうかを確認するのも必要だからな。とりあえずそこまでは頑張るとしよう」


 インスタンスダンジョンもノーマライズダンジョンも基本構造は同じはずなので、十層まで行けばワープポータルが用意されているはずだ。早めに駆け付けた俺達としては、他の探索者には申し訳ないとは思いつつ、ここまでで一旦リタイヤということにさせてもらおう。


 荷物を抱えて戻って、ついでに自宅の魔石箱の中身も取り出してまとめて換金だ。多少俺個人が稼いだ分が彩花の懐にも入ることにはなるが、まあ、その逆も今後はありうるかもしれないということで、細かいことは気にしないでおく。


 そのまま九層相当の階層に進み、マイコニドを探すが、見つからない。どうやらこっちと違って迷わずに先へ行けた人たちが軒並み倒してしまったようだ。これはこれで暇な時間が出来上がるが、まあインスタンスダンジョンだし、構造上仕方がないこと。諦めてそのまま進み、モンスターの居なさそうな方向へ進むと、スムーズに十層相当の石壁のダンジョンへたどり着いた。さて、ここまでかな。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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