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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第139話:校内模試

 二学期が始まってしばらくして、昨日と今日は校内模試だ。他の学習塾や企業の主催する模試ではなく、学校が主催して学校の授業の一環として行う模試形式の試験だ。なので学校外へ評価が持ち出されたりするわけではなく、共通テスト向けの確認の一環として行われる。


 わざわざ大事な授業コマを潰してまで行うので、その分しわ寄せが通常授業にも行くのだが、それでも行うということはそれだけ大事な行事として認識されているんだろう。


 夏休みの結果をきっちりこの時点で出しておくということでも、このタイミングで試験をしておくのは大事なのかもしれない。わざわざ模試の回数を増やしておく必要はなかったかもしれないな……まあ場数を踏むという意味ではこれも大事な回数としてしっかりカウントしていくことにしよう。場慣れしておくのは大事だしな。


 流石に学内テストなので、目標大学への合格点や合否判定は出ないが学内順位は出る。それだけでもまあ、今の自分の実力がわかりやすくなる範囲にはなるかな。


 ひたすらテストの空気に慣れて、問題を解いて、そして結果を受け取る。結果のほうはともかくとして、テストの空気に慣れていくのは大事だろう。本番までそう回数を稼げるものではないので、貴重なテストの空気感と実力を高めていこう。


 さて……昨日と今日でテストで丸二日授業が潰れたところだし、テスト対策に気分転換にオーク肉を集めに行くか。今日二、三時間オーク肉を集めるぐらいの余裕は残されているだろう。ここでオーク肉を取りに行って試験を落とすようでは、最初からそんな資格はなかったといえるのではないか。


 いつも通り威圧で無理やりモンスターの動きを止めながらオークエリアまで真っすぐ行く。威圧もしっかりレベルアップしたおかげで道中余計な時間を取られることもなく、素直にオーク肉だけを手に入れられるようになったのは便利であるとしか言いようがない。


 ついでにオークチーフにも会いに行くが、こちらも威圧で圧しきれるため気楽に戦えて肉も手に入る。今日は肉と一緒に山賊刀の二本目を手に入れたので、予備として残しておくかどうかは悩ましいところだが、換金できるものがまた一つ増えたということにしておけば通う回数も減らせる、ということになる。


 とりあえず重たい荷物を手に入れてしまったし、肉塊も手に入った。これだけ手に入ればよし、ということで早々と部屋に帰ってきた。


「お帰り。あら、大荷物。山賊刀が二本目、ということはオークチーフと戦ってきたの? 」


 アカネが俺の背中に背負われている二本目の山賊刀を見かねてそう漏らす。


「さすがにここまで大きい荷物をくれたのは予想外だったかな。マジックバッグみたいに、荷物をいくらでも持ち運べるようなスキルがあれば手荷物を気にせず戦えるんだろうけど、今の所それは贅沢みたいだからな。主目的である肉の入手も出来たことだし、今日はこれで良かったんだよ」


「まあ、そうね。で、武器はどうするの? 新しいほうを使っていって、古いほうを売るのか、それとも逆にするのか。刃も欠けてなくて綺麗な方を売りに出した方がお金にはなると思うんだけど」


「そこは悩みどころだけど、その気になればまた取りに行けるから、新しいほうを中古に出すのも充分ありなんだよね。今の所これと言ってかけたり硬い相手に立ち向かったりはしてないからな。欠けとかは確かに存在しないだろうけど、新しいほうを中古買い取りに出す方がお金にはなりそうなのは確か。ちょっと今のうちに行ってこようかな。ちょうど今暇だし」


「そう、気を付けて行ってくるのよ」


「ああ、帰りに何か買ってこようか? 大黒堂のおはぎでもいいぞ」


「じゃあまだお店が開いてたらそれを一つ……二つ。 なかったら一つでもいいわ。遅いしもう閉まっちゃってるかもしれないけど」


「わかった、あれば忘れず買ってくるよ」


 自転車に山賊刀を背負い、駅前の中古屋へ走り出す。行きの内に大黒堂へ寄り、閉まる前におはぎを三つ、仕入れておく。しっかり頭を使ってる分だけ糖分も必要だからな。たまには甘やかしてやらないと俺の脳みそもサボタージュを起こすかもしれない。その前に適切な栄養分と糖分とパスタを流し込んでやる必要があるのだ。


 おはぎを買って、偏らないようにかばんに入れた後で中古ショップへ行き、山賊刀を探索者証の確認と共に売却の手続きをする。


 しばらく鑑定をしてもらった結果、15万円という価格で買い取ってもらえることになった。随分ぼったくるような気がするが、山賊刀は三十分に一回湧くボスである都合上、それなりに世の中に数も出ているし、品質が安定しているので定番商品ではあるらしい。そこまで数が出ているとなると、俺から15万で買取って手入れしてそれなりの値段で売りに出して……と考えると納得できる範囲ではあるか。大人しくここは15万円を受け取ろう。現金が欲しければまた取りに行けばいいしな。


 現金を握りしめてそのまま家に帰る前に食材を買ってから帰る。パスタはともかく他の食材……米とか小麦粉とか、色々買い揃えておいたほうがいい。手元にお金もあることだし、せっかく身に付けた弁当作成スキルをここで発揮しておくのも悪くないだろう。


 冷凍食品と米と冷凍野菜、冷蔵野菜とそれぞれ買い揃え、さっきの売却代金で支払いを終えると自転車のカゴにどっちゃりと食品を乗せてゆっくり自宅へ帰る。


「帰ったぞう。後、おはぎ間に合ったよ」


「やったー、おはぎだー」


 アカネにおはぎを一つ備えて、手を合わせてお供え。残り二つにはラップをかけて冷蔵庫に置いておき、明日の朝と帰ってきてからでまた一つずつお供えしよう。


 さて、アカネにお供えしたところで早速俺も一口。甘すぎないもち米としっかり甘くしたあんこの対比が口の中でそれぞれ感じられて美味しい。おはぎと言えば大黒堂、地元の人気はしっかりとつかんでいるようで、今日ももしかしたら買えなかったかもしれないところだ。時間ギリギリで買えなかったかもしれない所を考えると、運がよかったと言える。


 しっかりと頭に糖分が回っていく感覚を覚えると、この糖分でもうひと頑張り勉強をしようとする気持ちにもなってくる。が、とりあえず今日は飯にしよう。買いたての材料を使って今日は……豚肉じゃがといくか。肉塊から切り出した豚肉を使ってジャガイモと玉ねぎと人参。緑を添えられればより美味しく出来ただろうが、そこまで考えて買ってこなかったので……長ネギをちょっとだけ使って色合いにするか。


 全食材を食べやすい大きさに切ると、豚肉を油で色が変わるまで炒める。そこまで終わるとジャガイモと人参と加えて脂が回るまで炒めると、酒と水を入れて煮立たせ、みりん、砂糖、和風だしを足して混ぜ、弱火でコトコト煮込む。


 最後にしょうゆを加えて長ネギを足すと、ネギが柔らかくなるまでしばらく煮込んで完成だ。明日の朝や弁当にも応用できるレシピだ。むしろ積極的に弁当に入れていこう。明日の昼飯はこれでいいな。これでゆっくり眠れる。


 今のうちに明日用の米を炊いて、今日の分はあげて食べる分は食べて残りはラップにくるんで冷蔵庫。明日の朝向けだな。どっちにしろ昼の分には足りない。昼は昼の分として炊いておいて、ちょっと変則的にはなるがしっかり炊飯しておこう。


 さて、手間暇がそれなりにかかった美味しい肉じゃがを頂くとするか。


「いただきます」


「ゴチになります」


 何もしてない道祖神がまず先に神力を吸収し、青白い光と共に御飯の出来具合を観察し、味わい、そして神力を得る。


 味わい終わったアカネからグッと親指を立てられると、今日のご飯は美味しい部類に入るのだということを確認して、それから俺も味わい始める。これで俺の今日の夕飯もいつも通りおさがりを食べることになる。


 おさがりさんとはそもそも、「供えられたものに神仏の力が宿った食べ物やお菓子」等を指すはずだが、我が家の場合は神力として吸収された残りカスを味わうのが基本になっているため、神仏の力が宿っているというのは間違いということになる。


 まあ、実際のところは俺もアカネも美味しくご飯が食べられるならそれでいいよな? ということで普通に食事している。神様の力で云々という意味では、ダンジョンという広大な敷地とそこに湧くモンスター、そしてモンスターから出るドロップ品である今日の主食である肉じゃがの肉もそうではあるが、こういう形でループしているので問題はない。


 早速肉じゃがを食べるが……うん、オーク肉が良い感じに引き締まってて美味しい。ジャガイモも崩れる所まで行かずに形をしっかり保った段階で芯まで熱が通っていてゴリゴリという感触はない。人参も箸がしっかり通る所まで煮こまれており、これ以上言うことはない。そして、買いたてのネギのシャキシャキ感が何とも言えない。普段は玉ねぎを使うところを彩りを優先して長ネギを使ったが、これはこれで中々いいもんだな。ネギのまだ溶けきっていない内部のトロトロの水分に甘味を感じてとてもいい。


 おっと……食い切ってしまわないうちに明日の弁当の分をより分けてしまおう。明日の弁当はこれの汁をしっかり吸ってより味しみになった肉じゃがが食べられると思うと今から楽しみだ。


 さて、取り分けた残りの肉じゃがはもう全部食べきってもいいんですね! と言わんばかりに俺の胃袋が脈動を始めている。これは久々のヒット作だ。肉が良いのかもしれないが、良い出汁以外にも褒められる点がいくつかあるので、一つ一つ語る気はないが総合得点はかなり高めであると言えよう。


 さて、食事が終わって風呂に入って、今日も気分よくベッドにダイブ。すると彩花からの着信が来ていた。


「お出来のほうはどうでしたか」


 校内模試のことかな。とりあえず返信しておこう。


「緊張せずに出来たから悪い点は取ってないと思う。他の奴がどれだけ勉強したかで決まるなら、平均点は高いかもね」


 返信すると、たまたまスマホのすぐ近くにいたのかすぐに返事が返ってきた。


「じゃあ、私もTOP10入りを目指して頑張れるってことよね? 次からはライバルで行きましょう」


 彩花からのライバル宣言が布告された。せっかくなので応じることにする。


「まあ、ほどほどに頼むよ」

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
2本目の山賊刀が出た場合は彩花の装備にするんだと思ってました。
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