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あの時助けていただいた地蔵です ~お礼は俺専用ダンジョンでした~  作者: 大正


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第136話:休みは終わりぬ

 あっという間に夏休みが終わろうとしている。毎日四時間の勉強と、午後からの復習とたまのダンジョン通い、そして彩花とも顔を合わせて勉強アンドイチャイチャ。実に高校生らしい日々を過ごしていると言える。


 なんだかんだで週に一回ぐらいのペースで駅前ダンジョンにも通って、専用ダンジョンで稼いだ分の魔石も交換しているため、収入的にはそんなに困ることがなくなっているし、むしろ授業がない分だけ籠っていられるので食事にも困ることがなくひたすらオークを狩ることもできているし、その狩った分のオーク肉は食肉として確実に消費されている。


 十層でシャドウウルフ相手に戦いを挑んで自分を研鑽することも忘れてはいないが、シャドウウルフではお腹が膨れないので、オークを相手にしていることの方が多い。それに加えて【エネルギーボルト】を何枚重ねて覚えることでどこまでの強さが持てるのかを試すため、スケルトンのエリアをしっかり回って、スキルスクロールを回収して回ることも忘れない。


 ダンジョン学部に入ってダンジョンに入る回数が減っていくとしても、日々の食事と食費を稼ぐためにもダンジョンには潜るだろう。この先も専用ダンジョンは俺のお腹と生活費を満たすための場所として通い続けるのだろう。


 それはさておきレベルも上がって、更に学力のほうには問題が無くなってきているし、体力のほうはうまく微調整しながら過ごしているし、ダンジョンの中ならその微調整をするにはちょうどいい環境になっているのでしっかりと力加減を学べるようになっている。


 スキルレベルも細かくチェックしているが、エネルギーボルトはレベル8、威圧も上がってレベル5になった。威圧のレベルが上がったことで、最大威力の威圧でオークチーフも威圧で動かなくなってしまった。これでより簡単に食糧が手に入るようになった。肉塊を拾っては洗って細かく切って、いろんな食事に合わせるべく使っている。


「そろそろ夏休みも終わるわね」


 アカネが俺の予定表を見ながらそうつぶやく。


「そうだな。夏休みが明けたら模試の結果が返ってくるからどのぐらいの順位になってるかどうかと、後は自分の行きたい大学目的での順位が何位になっているか、そのあたりはわかるかな」


「やっぱり幹也はダンジョン学部に行くのよね? 」


「一応、その目標は変えないでいる。せっかくダンジョンに深くかかわれる立ち位置にいるし、それほど時間をかけずに強くなれるって都合のいい環境が揃ってる都合上、両方やりながらダンジョンについての知識を深めていけるってのを前面には押し出せないけど、都合よく解釈して自分のやりたいようにやっていければいいなあって思ってるところだ」


「ちゃんと考えてるのか考えてないのか怪しいところだけれど、進路としては定まってるようで何よりだわ。とりあえず友達が行くからとかそういう理由で何となく進路を決めるような人物じゃなくて道祖神としては助かるわ……まあ、そういうところから始まる道というのも確かにあるのだけれどね」


 そういうところから始まる人生もあるらしい。ただ俺はそこまで適当に生きられる資産的余裕もないので、国公立で行けなかったら素直に探索者になろうと考えている。もっとも、アカネと専用ダンジョンのおかげでその目論見は今の所うまくいきそうな話の流れになっているので一安心……するにはまだ早いか。もうちょっと頑張ってより確実な所まで組み上げていかないといけないな。


「とりあえずこのペースを崩さずに順調に進んでいけば目標になる所には行けるかなって。さすがによっぽどの事態……登校中に事故に遭うとか、試験当日に電車が止まるとか、そういう事態にでもならない限りは安心だとは思いたいが……もしかすると、というのはあるからな。ある日突然彩花のファンクラブやってた連中から刺されたり、歩道橋から突き飛ばされたり窓から落とされたり……そういうことをされても今のレベルなら案外耐えるかもしれないな。いざというときは自分の肉体強度の試験として考えておくか」


「そういう練習とかは要らないと思うわ。だから練習をするのもやめときなさいね」


 アカネに真顔で制止される。さすがにやらないってば。本当に。


「んー、まあ、なんとかするから長い目で見てくれ。あと半年ほどで人生がほぼ決まると言っても過言ではないんだし、ここからが一番大事な時期だ」


「それはそうなのだけれど、あなたがけっこうのんびりしているから本当に大丈夫なのか心配になってくるだけよ」


「そんなにのんびりしてるかな。他の受験生と比べたら、たしかに彩花みたいに夏期講習にも行かなかったし、隆介みたいに元の頭が良い奴ほど要領よく勉強できてるとは言い難いかもしれないが、レベルを上げた分物理的に勉強強度は上がってるはずだから、またどこかの模試やテストで結果を出すしかないと思うんだ。それが夏休み明けにちょうどありそうだからそこで成果のほどは見えるんじゃないかな」


 実際、夏期講習なんかでたとえ塾内部だけだったとしても成績の良し悪しを判断できる回数が増やせるだけ彩花や隆介、他の受験生のほうが自分の実力を確かめることができるのは間違いないだろう。その回数が少ないだけ、焦る気持ちもわかるが、回数をこなした方が確実に点が上がる、という類のものでもないわけで。


「まあ、夏休み明けで皆がどのぐらい頑張ってきてるかだな。俺自身もよく気を引き締めていかないとな」


「引き締めてる態度に見えないから注意を送ってるんだけど……まあいいわ。彩花だけ合格してあなたは浪人したり一年間ダンジョンに籠ってレベルを上げながら再受験、なんてことが無いようにだけは注意しないとダメよ」


 アカネにビシッと指で差されて厳重注意を受ける。まあ、彩花とは頻繁に情報交換してるし、数学の解法を教えてもらったりもしているし、その分彩花には世話をかけているが、その分俺から教えられるものやなんかはお互いに学び合ってはいるので、塾に通ってる分だけ彩花のほうが一歩も二歩も進む可能性はあるな。


 レベル差がある程度あるとはいえ、学びの回数は圧倒的に彩花のほうが多いわけだし、この夏休みで追い抜かれている可能性はあるよな。学力でもレベルでも今はまだ俺のほうが先を行っているからといって、この夏休みの充分な勉強期間で巻き返される可能性はあるってことだな。男子ではないが、三日合わざれば刮目してみるべし、というところだろう。


 そう思うとおちおちダンジョン潜ってのんびり遊んでる暇はないな。ちょっと本屋行って他所の大学のダンジョン学部に当たる学科の赤本を探して……いや、本屋行くよりもネットで探す方がありか? この手の本は中古で出回ってると一番いいからな。


 とりあえず近くの中古ショップに寄って、赤本探しをしてから本屋に向かおう。俺が部屋に溜めこんでいる赤本も、いずれ中古ショップに流れて行ってそこから次の受験生に買われていくんだろうな。古いものだといつごろの赤本が世の中に出回っているんだろうな。


 ただ、直近五年分ぐらいの赤本であれば参考になる、という話なのであまり古い赤本に出会っても困る、というところだろう。そこそこの古さで手持ちに来てくれればいいな……と。


 中古ショップを三軒ほどはしごしたが狙いの大学と学部の赤本は無し。次はネットで探すか。ネットで探してそれでもなければ、新品を買いに本屋へ行く。地方が違うから売ってるかどうかわからないが、こっちも数件はしごして、それでなかったらネットで新品だな。


 調べた結果、中古の赤本はなかったが新品が出回っていたので本屋で購入。本屋にあって良かった。ネット注文だと速達扱いにしたとしても二日三日かかるからな。その間に勉強できる範囲を考えると勿体ない。


 早速家に帰って赤本の内容の勉強開始だ。彩花に負けないようにしっかりと勉強していこう。どこまで勉強すれば良いかわからない、というところではあるが、少なくとも今ここの問題を解いておいて身に付かない、ということにはならないだろう。


 もしも一般学力の面以外で試験問題が出る……例えばダンジョンの知識について問われることになったとしても、過去問からそれらを知ることもできるはずだからな。


 ダンジョンについての知識が必要という話になった場合は、赤本の過去問からそれらが拾い上げられるかどうかはまた別の話。


 確実に点数を稼げる疑似問題はしっかり解けるようにしておいて、その上で学部特有の問題になりそうなところを改めて学習していくのが大事だな。


 家について早速赤本を開き、机に向かって学習を始める。


「帰ってきてすぐ勉強を始めるなんてずいぶん熱心ね。まぁ、他の学生も同じぐらいの勉強量はこなしてるだろうから、後は学習効率の問題よね」


「そっちのほうはレベルアップによる集中力と学習力の向上とでも言うのかな、順調にこなせるようになってるのは間違いないからな。もしかしたら、今までが悪すぎて今がちょうど普通ぐらいなんじゃないか、何て考えることもあるが、それだと学年2位まで点数を上げられた理由に説明がつかないからな。そこは自己研鑽と勉強努力のお陰だと信じることにする。その先、これからの勉強についてはどうなるかわからない、ってのが今のところの感想だからな。せいぜい手抜かりのないようにしていくさ」


「本当に勉強熱心になっているのね。元々やればできる子、なんて褒めるつもりはないけど、人間その気になるだけのやる気と適切な方向性、それと理解力があれば大抵のことは何とかなるものよ。だからもう少し頑張んなさい。抱き締めてあげることはできないけど、ずっと応援していてあげるわ」


「神様からの応援とはずいぶん張り込んだな。その期待にちゃんと答えられるようにせいぜい頑張るとしますかね……」


 机に向かって勉強に集中する。この問題他の大学の入試でも出てたな。解けるようになっておけば得する問題だろうし、確実に点数が取れる問題は確保しておこう。

作者からのお願い


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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

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