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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第4章

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185/303

183.続・自己紹介します!!



「次はおっさん達の自己紹介をお願いします!!」


珍獣達に戸惑っているのか、困惑した表情のおっさん達に自己紹介を促せば、リーダーっぽい白熊のおっさんが口を開いた。


「まぁ自己紹介は必要だな」


そう言って珍獣達と私を見ると、凛々しい表情で話し出す。


「俺はオーズ・ブランク。48歳。人族と獣人の混血だ。生まれも育ちもルマンド王国で、25年前に冒険者になった。一応“焔の鳥”のリーダーをやらせてもらっている」


成る程。白熊のおっさん…オーズさんは混血だったのか。

マッチョ系スイーツ男子で純情乙女なイケオジ。モテそうだな。


「あー…次は俺だな」とオーズさんの簡単な自己紹介が終わるとM字ハゲのおっさんが喋りだす。


「俺の名はヒューズ・パーソン。人族だ。オーズとは同い年で小せぇ時からの仲…所謂幼馴染ってやつだよ。だもんで、同じ時期に冒険者登録した。“焔の鳥”では後衛だな」


成る程。幼馴染で40年以上の付き合いか。M字ハゲのおっさんはもうちょっと年がいってるものだと思ったがオーズさんと同い年だったとは…。


次は…と黒髪無精髭のおっさんを見れば、鋭い目付きでこちらを見ていた。この人がこのパーティーで一番怖いんだよね。


「……俺ぁアフィラート・ノーズ。魔族だ」


魔族だったぁ!! 魔族クセ強っ そして女癖悪そう!!


「年は138。こん中じゃ一番上だな。このパーティーじゃあ後衛をやってる。後は解体と料理も担当してんぞ」


アフィラートさん、ルーベンスさんの知り合いとかじゃないよね?


「最後俺な。ベンジャミン・ベック。29。こん中じゃ一番若ぇな。竜人と人族の混血で竜人の血の方が強ぇかな。前衛で盾役張ってるぜぇ」


まさかの20代!? 微妙な老け具合が…。




というわけで自己紹介もやり終えたのだが、オーズさん、ヒューズさん、アフィラートさん、ベンジャミンね。うん。絶対忘れる。もう忘れかけてるもの。


「さて、自己紹介も終わったのでいよいよ森の奥へと入って行きますよ。皆さんはぐれずに付いてきて下さいね」


観光ガイドのように案内し始めれば、「付いてきて下さいねじゃねぇよ。何でお前だけ魔獣に乗って移動してんだよ」とベンジャミンに文句を言われたので、「私は案内人で貴方達は冒険者としてここに居ます。だからです!!」と言い切ってやった。


因みに私が乗っているのはサンショー兄さんだ。ティラー姉さんはゴツゴツしていて乗り心地も悪そうだし、乗るとしたら頭の上しか乗る場所がないからなのだが、ティラー姉さんは悔しそうにサンショー兄さんを睨み付けている。


文句も出なくなったようだし、案内人としての仕事をまっとうするとしますか。



◇◇◇



ヤコウ鳥は森の奥の方に生息しているという。

その生息地に向かって進んでいると、ティラー姉さんやサンショー兄さんが立ち止まる時がある。

そんな時はその一帯に希少な薬草が生えているようなのだ。


ほらまた、サンショー兄さんの足が止まった。


「サンショーさんが止まったという事は薬草がある筈だな」


そう言ってオーズさんが辺りを見回している。他のおっさん達も警戒しながらはぐれないように薬草を探している様は冒険者という感じがする。大分珍獣達にも慣れてきたようだしいい傾向だ。


「警戒は怠るなよ」


等と指示を飛ばすオーズさんが格好良い。

私はというと、サンショー兄さんの背中の上で水分補給をしながら皆の様子を窺っているのだ。


主にアフィラートさんとベンジャミンが薬草を採取していき、他が警戒しているようで、冒険者ってこんな感じなのかぁと感心していればベンジャミンの後方の木々が不自然に揺れている事に気付いた。


刹那、ヒューズさんが何かをその方向へと投げたのだ。

ギャッという声が上がり、木々の間から飛び出て来たのは2メートルはあろうかという鹿…? 鹿にしては禍々しい角と、隆々とした筋肉に顔が引きつる。


しかし飛び出てきた鹿は足をもつれさせて転がると、もがくように身体をばたつかせて暫く後、動かなくなったのだ。その首には小さなナイフが突き刺さっていた。


「“ケリュー”か…」

「“ケリュー”にしてはデケェが…アフィラートっ頼む!」


オーズさんが何やら鹿の名前を呟くと、ヒューズさんが動かなくなった鹿に近寄って行って首に突き刺さっているナイフを抜いた。コポリとそこから血が溢れ、つい目をそらしてしまう。


「こりゃ大物だな」


呼ばれたアフィラートさんが鹿の所へ移動し、腰にぶら下げていた何本ものナイフの中から大きめの物を取り出すと手慣れたように解体し始めた。

その間ベンジャミンは薬草の採取を止めてオーズさん達と共に辺りを警戒している。

ヒューズさんはアフィラートさんの周りに砂金のようなキラキラ光る粉を撒いていた。


解体ショーから目をそらしつつ、「何を撒いてるんですか?」と聞けば、「臭い消しだ」とヒューズさんから返ってくる。

何でも血の臭いで他の動物が集まってくるから解体する時は臭い消しを周りに撒くのだとか。

この臭い消しは特殊な植物から出来ているそうで、撒くだけで強力な脱臭効果があるらしい。



こうして冒険者らしい出来事に遭遇しながら、私達は森の奥へと進んでいったのだ。

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