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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ  作者: トール
第3章

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116. 助けて~!! ドラ○もーん!!


ドラゴン全個体を移動してしまってからさらに2日が過ぎた。

ドラゴンに関してはショコラとマカロンも移動させてしまっていたようで、あの後ウチに帰って来たショコラ達に理由を聞かれ呆れられてしまった。「さすがミヤビ様」と皮肉を言われてしまう始末だ。


珍獣達の村はほぼ完成しており、今は家具を作っているらしい。浄水場と下水処理場も完成間近とのこと。

農場は……もうすぐ実が成りそうだ。多分明日は収穫祭になるんじゃないだろうか。


しかし、ロードはこの4日間帰って来なかったなぁ。

呪いの指輪に目を落としながら考える。そろそろロードのご飯が恋しいと。


「みーちゃん! 今日も浄水場の方に行ってくるから、浮島の候補を整理しといてね」


そんな事をトモコに言われて1時間が経つ。

続々と神々から浮島の住人候補が届いているが、皆が皆難有りの人間ばかりなのはどうなのだろうかと、リビングの机の上に置いてあるタブレットを遠巻きに見た。


このタブレット、神々が私にどうやって候補を伝えようか困っているとランタンさんに聞いたので創ってみたものだ。

神力さえ込めれば普通のタブレットのように写真や動画も撮れ、メール等も送れる上に、どういうわけか遠くにあるものでも願えば撮影が出来るという魔法のタブレットである。

ただし、結界などで阻まれた場合は撮影出来ない。


このタブレットを神々用に創り、候補者のデータを送ってもらう事になったのだが、送ってくる候補者の人生がまぁ酷いのだ。

例えば、珍しい髪の色をした候補は、子供の頃から周りに煙たがられ村八分にされて生きてきた。とか、竜人と獣人の間に生まれた子供が、どちらにも馴染めずホームレス。など、心が荒みそうな人生を歩んできた者ばかりが候補に上がっている。

かと言って、すれているかといえばそうではなく、心清らかに成長していたりするのだが、そんな煙たがられ育った子が本当に心清らかなのかよ。と思う私の方が心が荒んでいるのだろう。


候補者は子供が多いように感じるので、早々に浮島に移動させてしまった方がいい気がするが、面倒は誰が見るのかなどの問題もあるのだ。

ならば大人も数が揃ってから一気に移動させようかと、先程ヴェリウスと相談していた。


それまでは各自、加護を与えるなり神域に迎えるなり、なんなりで保護してやってほしい。


と、候補者ほぼ全員を受け入れる事にした私だったが、この後どうすればいいのかがわからなくなっている。


浮島にはすぐに生活できる家もあるし、必要な物は揃っていると思う。けれど、好きな家を選んで住めと放置していいものか?

仕事や学校はどうするんだ? という事にもなる。人間何もする事なく生活していけるとなるとダメになるものだ。私のように。


各家に畑でも作らせたらいいの? それとも学校に通わせたらいいの? それなら教師はどうするんだ? お店とかないと食品も服も何も買えないよね……。等々、問題を挙げだしたらキリがないのだ。


頼りになるヴェリウスもトモコも今は居ない上、最近は村に掛かりきりで忙しそうだし、珍獣達も自分達の事で手一杯。こんな話で手を煩わすわけにもいかないだろう。


誰か相談相手が欲しい。出来ればそういった問題をすぐに解決出来る頭の良い人が…………


いた!! あの人しかいない。あの人ならこういう問題のスペシャリストといえるではないか!!



◇◇◇



と、いうわけで早速やって参りました。ルマンド王国。


こちらは王宮の中心部。

ルーベンスさんこと、宰相閣下様の執務室の前なのです。


やはり、護衛騎士が立っておりますが、今の私は透明人間。騎士の横を通りすぎて、扉も幽霊のようにすり抜けますよ。


おっと、ルーベンスさん。おじ様の渋い色気を無駄に撒き散らしながら机に向かってお仕事中です。


眉間にシワが寄っていますね~。何か問題でもあったのでしょうか?

しかしこちらも問題だらけ。難易度でいえばこっちの方が優しいと思うので、ちょっとお手伝い頂けたらなぁ~って思ってます。

とりあえず、眉間のシワが取れるまでソファに座って見学していようと思います。


よっこいしょ。


「ん…?」


おおっ ソファの軋み音に反応してこっちを見ている!! バレたか!?


「……気のせいか?」


首を傾げて、疲れているのだろうか……と、目と目の間をつまんで揉んでいる様が何ともエロいですね。

再び書類に目を通し始めたので、私はお茶でもしましょうかね~。


「…………いや、いくらなんでもそれは気付くが?」


え? 何ですか?


「いきなりティーセットが現れて、カップが浮けば何かがいる事位察せられるだろう」

「ああ! ティーセットを透明にしてなかった!!」

「……その声は…この間の」


書類を置き、立ち上がったルーベンスさんは、ゆっくりと私の前へ移動してきたのだ。

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