表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
71/78

71、男爵夫人ムーブ


 私はこちらに背を向けてる青年に向かって、可能な限り太い声を上げた。

「慮外者、そこに直れ。我はグリム男爵夫人、クレマンティーヌ・ジェシー・グリムなるぞ」


 ぱっとふり返った青年が歯をむき出しにする。

「なんと無礼な女だ。俺はマッケンジー辺境伯の嫡男だぞ」

 ほうほう!


「痴れ者が。たとえ親が高位貴族だろうと、無位無官の子に何の価値があろうか。男爵夫人である我の方がよほど身分が高いことを知らぬとは、さてはお前、貴族の子弟をかたる偽物だな」


「こ、このやろう、不敬罪で叩き切ってやる」

 腰の剣に手をかけんとする格好だけは一人前。でも、そこに剣はないのでまわりからは笑いが漏れる。

 それでさらに逆上してるけど。


「間抜けにもほどがあるな。そもそも共も連れず他領をうろつく貴族の嫡男がどこにいる。それこそ、お前が偽物である証拠ではないか」

「うるさい、うるさい。俺はマッケンジー辺境伯の嫡男なんだぞ」


 なんか言動もいまいち幼いし、長男であっても跡取りに指名されるとは思えない。

 まして、こんな騒ぎを起こしちゃねぇ。

 それでもマッケンジーの血筋なら使いようがあるな、フフフッ。


「では、証拠はあるのか?」

「は?」

「お前の身分を証明するものだ」


 彼は自分の手の指を見、すでに何もないとわかってるはずの腰を見、胸元をぺたぺたと触って、開き直ったように声を張り上げた。

「俺が俺であることに何の(あかし)がいるものか!」


 一見カッコイイっぽいこと言ってるけど、なんて意識の低さだろう。

 比べるものがあると余計にそう思うよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ