表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
56/78

56、骨抜き


 貴族に序列があるように、一口に平民と言っても格差はある。

 グリム男爵領にスラムはないけど、下町には漁業を生業(なりわい)としてる者が多く、海運や造船に携わってる者は山の手に住むといった具合だ。


 男爵夫人である私だって、漁師たちのとってきた魚や、その奥方が集めてきた貝や海藻をありがたくいただくし、彼らだとて自分たちの街が栄えていくことを誇らしく思ってる。

 ただ、まったく引け目がないとも言えなくて……


 そもそもの話、船乗りや運送に携わる者、船大工たちはグリムの旦那の直接の部下で、漁師たちはもう少しゆるやかな囲いの中でかかわっている感じだった。

 それがグリムの旦那がお貴族様になって、次々新しい方針を打ち出し、またそれが当たってるので、その部下たちはどんどん豊かになる。

 高収入をのぞめるレース編みの技術を有してるのもその奥方たちだしね。


 もちろん領主として全体を見れば、これじゃいかんということで、漁師たちの方にも(てこ)入れをして、干物やオイル漬けなどの加工品を作らせ金を稼げるようにしたわけだ。


 それでもあと一押し足りないと思ったマックスの依頼で、奥サマは「何か考えて」ます。

 頭の中で、もわもわ~っとまだしっかり形にならないうちに、シャール・ミンが脇に控えてるのどうなのかね?


 いや、基本的に貴婦人が外をうろつくことはないし、人にしろ場所にしろ特に当てがあるわけでもないから、結局シャールに頼むんだけどさ。

 準備万端、筆記用の薄板と木炭も用意されてるし。


「このサイズの毛抜きのような物を用意できないかしら? 干物を作る時に、小骨をすべて取り除いて食べやすくすれば、さらに高く売れると思うの。数はとりあえず、海産物の加工に携わっている人の半分に行き渡るくらいでいいかしらね」

(なべ)(かま)柄杓(ひしゃく)など調理器具を専門に打つ鍛冶師がおりますので、そこに発注いたしましょう」

「言うまでもないことかもしれないけれど、この合わせ目の所はぴったり合うようにお願いしたいわ」

「承知いたしました」


 シャールは私が落書きした薄板を大事そうに抱え、新たな薄板を私の前にセットする。

 む~、まだなんか出るだろうって?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ