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行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
50/78

50、羊皮紙


「では、これから少しずつ、一緒にこれを覚えていきましょうね」

 なかなかの長丁場になってきてたので、続きは明日と思ったのだけど。

「そんなの、いや、それの案を出したり自分もかかわってたから、もう、思えた、しまいました」


 えっ、英語みたいな二十六文字とかじゃないよ。五十音に0~9までの数字だよ? 

 あとはそこに濁音、撥音(はつおん)、伸ばすの記号がプラスされるわけだけど。こちらはサイモンが問題なく認識できたのでそのままだ。


「すごいな、サイモンは」

「ええ。うちの子は天才なのでは?」

「そ、そんなことはない、と思います」

 ちょっとうつむいて耳が赤くなってる。

 生意気盛りの子が照れてる姿って、なんか無性に可愛いわぁ。


「では、せっかくですから、もうひとがんばりしましょうか。サイモン、そのご本を貸してくださる?」

「はい」

「何をする気だ、クレマンティーヌ」


「この教本を、サイモン文字に訳すのです」

「サイモン文字!」

「え、え、オレ、いや僕の名前が付くの?」

「だって、サイモンと考えたサイモンのための文字ですもの。まあ、こうして見ると本当に格好いいわね。しかも、それが自分専用の文字だなんてうらやましいわ」

「……うん、僕も。なんか、すごく、カッコイイと思います」


 教本を広げて対照表と見比べながら、私が薄板に書き出そうとするとマックスからストップがかかる。

「待て待て、せっかくだから羊皮紙に書こう」


 とてもとても親バカです。

 草木紙が開発されてない今現在、羊皮紙はめちゃくちゃ高いです。

 契約書とか、証書とかに使うんだよね。



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