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行け行け!クレマンティーヌ  作者: 御重スミヲ
47/78

47、格好いい男


「さて、結論ですが」

 とたんに緊張して居住まいを正す親子。


「その前に、サイモンに訊きたいことがあるのだけれど」

「なに? なんですか」


「サイモンが街中で同じような年頃の子たちと遊んでいた時、背の小さい子や、力の弱い子、足の遅い子はいなかった?」

 彼の目をいろいろな感情が過ぎったけど、こればかりはどうしようもないことなのでいまは無視する。


「いた、いました」

「彼らのことをあなたは馬鹿にしたりした?」

「そんなことしないよ! あ、しません。ルールをちょっと変えれば、ちゃんといっしょに遊べるんだ、のだから」

「そう。あなたが、あなたのお父様と同じように格好いい男でうれしいわ」


「……そう、かな」

「そうか」

 まあ、照れ方まで一緒なんて可愛いわぁ。


「サイモン、これはあくまで私の見解ですが、あなたはあなたのお友達が背が低かったり、腕力に乏しかったり、走るのが苦手なように、文字を文字として認識するのが苦手なのだと思います」

「……よく、わからない」

「ああ、どういうことなんだ。クレマンティーヌ」


「原因は、はっきりしないのです。サイモンの場合は先ほど実験した通り、絵であればそれが何を表しているのか理解できます。とても簡素で、もう文字と言ってよいようなものでも。このようにあらわれ方は千差万別ですが、読み書きを習っていないという理由ではなく、文字を読みにくい、書きにくいという人が一定数いることは確かです。本当に不思議なのですけれど」


 ショックを受けて当然のことだと思う。

 でも、私はサイモンにこのことをわるいように受け止めてほしくない。



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