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血染めの覇道  作者: 舞って!ふじわらしのぶ騎士!
王道 キン星山編 第一章 輝け!キン星山!
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第七十一話 嵐を呼ぶ二回戦ッ‼の巻

次回は二月六日アルよー‼アチョーッ‼

 

 フラの舞は両足に力を込めて、光太郎を持ち上げたまま天井まで飛び上がった。

 はるか地上には慌てふためく羽合庵の姿があった。


 「行くぞ、キン星バスター投げッ‼」


 その時、光太郎は”キン星バスター投げ”から逃げ出そうと身体を左右に振る。

 しかし既にフラの舞によって首と背中を極められている為に動きそのものを封じられていた。

 丹田に力を込めるが最後の抵抗さえ許されない。


 (ここでキン星バスター投げが出て来るとは恐れ入ったぜ(※作者も)。あの技は絶大なスモーデビルの力を封じる為に作り出された伝説の奥義だ。今の甘ちゃん力士に耐えられるわけがねえよな。さて、今のキン星山はどうするかね?)


 土俵の外から吉野谷牛太郎は光太郎とフラの舞の姿を観察していた。

 光太郎は何とかフラの舞の首を外そうとするが現時点では筋力勝負では光太郎には些か分が悪かった。    

 首を外すことを諦めた光太郎は不安定そうなフラの舞の足場を崩そうと身体を左右に動かそうとするがやはり無駄な抵抗に終わった。


 「若、落ち着いてください。僕の計算ではフラの舞の技は未完成です。ここで粘って抵抗を続ければ逃げ出す機会は訪れるはずです」


 美伊東君は拳を固く握りしめて必死のエールを送る。

 光太郎は美伊東君のエールに込められた真意を探ろうと足掻き続ける。

 

 首絞めの部分はフラの舞の頭と肩でしっかりと固定されいてるので動かすことは出来ない。

 

 身体は両腿を掴まれて、胴を前に向かって曲げられている為に力を込める事さえままならないという状況だった。


 (このまま地面に落とされることになれば、おいどんの身体はバラバラになってしまうでごわす)


 光太郎は首から脱出しようと首に力を入れるがフラの舞はビクともしなかった。


 「甘いな、キン星山。この”キン星バスター投げ”において頭部の封じ技が他の部分と比べて力のかかり具合が弱いという事は研究済みだ。俺は父”ワイキキの浜”の汚名を晴らす為にこの欠点を命がけで克服したのだ。食らえ、大噴火パワーッ‼」


 フラの舞が気合を入れると褐色の肉体から黄金の光が放たれる。

 フラの舞の上半身の筋肉が膨張し、見る見るうちにスーパードクター鎬紅葉のようなバランスの悪い肉体に変わる。


 ギギギギ…ッ‼


 ゼ〇ラチームの”THE万力”もかくやという圧倒的な筋力でフラの舞はキン星バスター投げの威力を底上げした。

 

 もはや悲鳴を上げて助けを求める事も出来ない。


 光太郎は落下までに首の関節技を外そうと全力で抵抗した。


 「若ッ‼よく考えてくださいッ‼フラの舞のやっている事は蛇足ですッ‼僕の考えが正しければ”キン星バスター投げ”という技にそれほどの力は必要としないはずだ‼」


 光太郎は美伊東君の言葉を聞いた後に思いがけない事実に気がつく。

 技が終わりの工程に近づくほどに前に体重がかかり、一つのオブジェと化したフラの舞と光太郎の身体のバランスが崩れかけているのだ。


 (この…ガキがッ‼余計な事をッ‼)

 

 フラの舞は落下を速めようと下に向かって力を入れる。


 「へッ、見ちゃいられねえな…ッ‼」


 観戦する一方だった吉野谷牛太郎は地面にウィスキー瓶を置くと土俵の中に入って行った。


 (このまま二人が着地すれば、もろともに再起不能になる可能性がある。だがそういう結末は望んじゃいねえ。俺たちはあくまで実力でキン星山をぶっ殺したいんだ‼)


 吉野谷牛太郎は土俵の落下地点に先回りしてヘッドスライディングを決める。

 そして巨体を反転させてフラの舞と光太郎の身体を受け止めた。

 普通の力士ならば骨折をしてもおかしくはない状況だった。

 しかし表の顔はスペイン相撲界の旗手、もう一つの顔はスモーデビルセブンの吉野谷牛太郎はこの程度ではビクともしない。

 フラの舞、光太郎を傷つけないように受け止めた。


 「外野がッ‼余計な真似をしてくれたな…ッ‼」


 フラの舞は起き上がるなり吉野谷牛太郎を怒鳴りつけた。

 必殺技の反動で痛めてしまったのだろうか為か左腕を押さえている。

 

 吉野谷牛太郎は気を失っている光太郎を羽合庵に返した。

 そしてニヒルな笑みを浮かべながらウイスキー瓶を手に取る。


 「言うねえ、ハワイ最強の力士の兄ちゃんは‼せっかく正々堂々とリベンジする機会を作ってやろうかと思ったのによ」


 吉野谷牛太郎はウィスキー瓶を空けて口をつける。


 (味は悪くは無えが、テキーラほどじゃねえ。今のキン星山とフラの舞みてえなもんだな)


 そしてアルコール度数の高いウィスキーと口内に溜まった血の味を同時に楽しむ。

 スモー大元帥の指示が無ければ今頃はきっと光太郎とフラの舞を血祭りに上げていたことだろう。

 吉野谷牛太郎は脅しとばかりにバイザーを上げて、フラの舞を睨んだ。


 「リベンジだと?その必要はないな。なぜならば今大会の二回戦の相手は俺とそこのキン星山が戦う事になるからだ」


 だがフラの舞はあくまで己の方が格上という姿勢を崩さない。

 吉野谷牛太郎が何かを言い出す前に、光太郎の世話を英樹親方に頼んだ羽合庵が二人の間に現れた。

 そして、吉野谷牛太郎に向かって頭を下げる。


 「吉野谷牛太郎。この度は我が弟子、海星光太郎の窮地を救ってくれてありがとう。感謝の言葉も無い」


 「おいおい。気にするなよ、羽合庵。俺も無償でこいつらの潰し合いを止めたわけじゃない。本大会出場者のパワーマックスの相撲が見たかっただけだぜ?」


 吉野谷牛太郎はあくまで正体を隠し続け、お道化た様子を見せる。

 そして羽合庵も吉野谷牛太郎がスモーデビルではないかという疑念を抱きながら紳士的に接していた。


 やや遅れてフラの舞が羽合庵の前に立つ。

 若き王者の不遜な態度は相変わらずだったが、その足取りに勢いが失われていた。


 (やはりキン星バスター投げは禁断の奥義。フラの舞ほどの実力者でも両刃の刃となってしまうのか…)


 羽合庵はフラの舞が無事で会った事に安堵する。

 キン星山の奥義”キン星バスター投げ”は比類なき威力を誇る技だったが、仕掛ける側も同様のリスクを背負う禁断の技だった。

 羽合庵は先代キン星山、海星雷電から”キン星バスター投げ”を伝授された後に故郷の先輩力士”ワイキキの浜”と共に研究したが結局は見つから無かったのだ。


 「余裕だな羽合庵。お前の未熟な弟子が倒れる事になれば、次はお前の番ということになるぞ?」


 フラの舞は呼吸を荒くしながら羽合庵に人差し指を突きつける。

 対して羽合庵は目を閉じて首を振った。


 「フラの舞よ。やはりワイキキの浜の言う通りだった。お前には相撲の力士としての自覚がまるで足りない。今度の試合でお前はその事を思い知らされるだろう。我が弟子、キン星山によってな」


 「ふざけるな‼あんな四流力士に俺が負けるわけがないだろう‼スモーオリンピックの出場権など知ったことか‼羽合庵、ここで俺と戦えッ‼」


 フラの舞は怒り狂い、羽合庵の目と鼻の先まで詰め寄った。


 吉野谷牛太郎は二人の姿を肴にウィスキーを飲む。


 その時、無人となったはずの観客席から一人の男が立ち上がった。

 頭の上で結った見事な三つ編みを風に靡かせて一気に土俵まで飛び降りる。

 

 その姿は雲を供に天から舞い降りる龍ッ‼

 

 片手には日清のカップラーメン(※醬油味)‼

 

 そう、この男こそは‼


 「アイヤーッ‼その勝負、このスモーオリンピック中国代表のラーメン山に預からせてもらおうか‼」


 国際スモーオリンピック大会中国代表ラーメン山だった‼

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― 新着の感想 ―
[良い点] 吹っ切れた印象です。楽しんで執筆されているのが目に浮かぶようです。もはやキン○○ンまんまですが、ストーリーの流れも表現も爆発しています! 早く来週のジャ○プが読みたい!みたいな気分です。 …
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