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凪いだ池

昔あるところにとても澄んだ水をたたえる小さな池がありました。

その池は、里からは非常に険しい道を半日以上も登らなければいけず、とても通いやすいとはいえない立地にひっそり知る人ぞ知るというような池でした。

そこに毎日のように通う若者がいました。

その若者は、凪いだ水面に映る自分の姿に話しかけに来ていました。

水に映る己の姿を友のようにきょうだいのように恋人のように思っていました。

いつも水に映る歪んだ姿に若者が一方的に語りかけるだけですが、その日はすこし様子が違いました。

水に映る若者がほんのりほほえんだと思うと、地上の若者へ手を差し出したのです。

まるで手を握り合おうというように。あるいは抱き合おうというように。

若者は池に身を乗り出して水面に顔をつけんばかりにして、なにかをこたえようとしました。

その瞬間、水中から身の丈三丈はあろうかという巨大魚が現れて、若者をぱくりとまる飲みして、すぐに昏い水底に潜っていってしまいました。尾が水面を叩くときにぱしゃりと小さな音がしただけで、巨大魚が水底に消えると水紋もすぐにおさまりました。

あとには、なにもなかったような凪いだ湖面が鏡のようにあるだけでした。

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