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二人の娘

昔々、固い契りを結んだ二人の娘がいました。二人は夫婦めおとがするように暮らしていましたが、村のなかにはそれをよく思わないものたちがいました。

寄り合いで村人たちは話し合って、二人を引き離すことにしました。

村の決め事によく反抗する気の強いほうの娘は捕らえて縄でぐるぐるに縛り、おそろしい山賊の里に引きずっていって、そこに捨てました。

おとなしい方の娘は、なかなかきれいな顔立ちをしていましたから、無理やり遠くの村に嫁がせることにしました。おとなしい方の娘は泣きませんでした。嫁いだ初夜、娘は夫に「おめでたい席ですから」と言って酒をどんどん飲ませました。

夫は、花嫁が存外おとなしく乗り気なように見えたので、舞いあがって酒を飲みすぎてしまいました。そしてまだなにもしないうちに、ひっくり返って大の字でぐうぐう寝てしまいました。

娘はぺろりと舌を出すと、そっと抜け出して夜を駆けました。彼女の連れ合いが捨てられたという山賊の里を目指しました。


三日、駆けに駆け通して、やっと山賊の里にたどり着くことができました。そこで、娘は呆気にとられました。

もしかしたら、山賊にめちゃくちゃにされているかもしれないと心配していた連れ合いは、山賊にまじってどんちゃん騒ぎをしていたのです。連れ合いはガハガハと大口を開けて笑っていました。

「どういうこと!」

逃げてきた娘が怒り半分混乱半分で問いただすと、大柄でおそろしい面をした山賊が困った顔をしてやさしく教えてくれました。

「おれたちはたしかに人里を襲う。人里は嫌いだ。でも、やつらに捨てられたやつは嫌いじゃない。元はおれたちもそうしてここに捨てられたからだ」

話しているうちに、年老いているけれど背すじがシャンと伸びた威厳のある老婆が出てきました。すると、山賊たちもすっと姿勢を正します。

「ここは、はぐれものの里なんだよ。こいつらも元は捨て子さね。まったく胸くその悪いことに、村の連中は自分の手を汚したくなくて私らに押しつけやがる。なに、連中の思う通りにしてやる必要はない。あんたたち二人が夫婦として暮らすのを連中が気に入らないなら、私たちはあんたたちが夫婦として暮らすのを応援してやろう。奴らへの嫌がらせになるし、そのほうが胸がすくからね」

老婆はおごそかに告げるとニヤリと皮肉っぽく笑いました。


そういうわけで、二人の娘たちは山賊の村で夫婦としてしあわせに暮らしました。

山賊たちに戦い方を教えてもらい、ときどきは略奪に参加したということです。襲われたなかには、娘たちを引き離そうとした例の村もあったとかなかったとか。


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