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 配膳が終わり店は慌ただしく片付けへと移っていく。ギルドから依頼で来ていたメンバーは終わり次第解散となる。もちろん俺も帰るつもりで店の外へと足を向け…


「ちょっと後で話をするって言ったでしょう?」


 帰るつもりだたんだがコルネーアとの話があることをすっかりと忘れていた。気持ちはもう帰る方向へと向いていたので、若干がっかりとする。


「何よその顔、いやだって言うの?」

「えーと、ちょっと疲れたから話ながいのかなーと…」

「そう時間は取らせないわ」

「わかりました」


 俺は観念してコルネーアの話を聞くことになった。


 流石に食事の時間帯も過ぎたので外はほぼ真っ暗だ。一定間隔でぽつりぽつりとついている謎の明かりだけが頼りになる。ないだけはましというレベルで町の配置をある程度知ってないとそこらにぶつかりそうで怖い。もちろん俺には無理なのでコルネーアに手を引かれている。


「ここで話しましょうか」


 どうやら目的地に着いたらしい。外だと言うことはわかるが他はさっぱりわからないんだが…どこだここ。


「あのさ、あんた実はまだまだレシピ持っているでしょう?」


 相手がどんな顔をして話をしているかわからないというのは中々対応に困るものなのだと知った。今コルネーアは真剣な顔なのか、へらへらと笑っているのか、俺を睨みつけているのか…


「持っているというか、知っているというか? だけど材料がわからなかったりするものが多いのでなんとも」


 そうなのだ。元の世界で色々食べてきたものとかは知っている。だけどそれらをこの世界で再現されろと言われても、その材料となるものがわからない。今日昼間港で食べ歩いたときに食べた果物などは見た目と名前が全然違ったのがいい例だ。そのことからわかるように教えられるけど、理解してもらえるかどうかがわからないのだ。


「さっぱり意味が分からないわ…」

「えーと、じゃあコルネーアさんはなんでレシピを知りたいんですか?」

「ああ、ちゃんと話してなかったわね。実はね私もいつか自分の店を持ちたいと思っているの。だからシーメルで使われているメニュー以外の新しいものを求めているの。そしたらいきなり今日から新メニューでしょう?? このまま新しいものが増え続けたら店を持てるようになったころには新しいものを考えるのか難しくなりそうなの」


 そんなことはないと思うんだけどね…だって考え方は人それぞれなんだ、アイデアだって人によっては全然違うものが生み出せるものなんじゃないのか? むしろ俺たちの世界の食べ物を知らない方が良かったりとかも…そういえばあの子も将来自分の店を持ちたいとかいっていた。


「あの…コルネーアさん」

「教えてくれる気になった?」

「それはまだ何とも言えないんですけど、今度時間が長めにとれる日とかありませんか?」

「え? えーと明後日が休みだから時間はあるけど」

「俺が教えることは出来ないですけど、もう一人同じような夢を持った知り合いがいるんで、その子と一緒にレシピ考えて見ませんか?」


 俺じゃ無理だけど、この子ならやれそうな気がする。召喚リストの中にいる唯一のバイト先の俺の後輩。


「む…それって競合相手になってしまうわ」

「多分大丈夫です。明後日一緒に考えた物はコルネーアさんにあげるように言っておきますから。それで、今度その子が必要な時に一緒に考えてあげてください」

「本当に今回一緒に考えたやつは貰っていいのね??」

「はい」

「わかったわ。次は私がその子と一緒に考えてあげることを約束するわ。よし、帰るわね! また明後日に」


 コルネーアさんには悪いけど多分その時は来ない。その子にとってこの中の出来事はただの夢になってしまうから。しかも夢だから覚えていられるかどうかは本人次第となるだろう。


 …あ。コルネーアさんにが帰ってしまった…あたり間真っ暗で俺もしかして一人で帰らないといけないんじゃ。そうだこんな時こそ召喚魔法を使おう。何か明かりになりそうなものを…


「あった!」


 普通に店で使うための懐中電灯があった! よかったこれで帰れる~ 見慣れない町の夜は多少なりともまよいながら宿へと俺はなんとか帰っていった。

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