マットの決心
次の休日、アイナとアーニャはAU会館のトレーニングルームでメフレックスの元で特訓をしていた。彼女の近くではタチアナも別メニューで鍛錬をしていた。タチアナは現在アルコール依存症のリハビリにより休勤中だ。暫くしてエイミーが一人の男性を連れて来た。
「皆さん、もう一人連れて来ました。」
「タチアナ先生!それからアイナにアーニャも!」
「おっ、マットじゃないか!レスティーンスクール以来あまり会わなかったね。」
「なあ、マット…、何であんたもここに来てんの?」
マットが来たのだ。アーニャは久しぶりに挨拶し、同じニュートラル科のアイナは何故トレーニングルームに来ているのか気になった。
「僕…、ニュートラル科級長、いや、学徒組合幹部代表として、鉄騎士団との交流を深めるという事を地でやろうと考えてたんだ。それで同じ代表のエイミーに聞いてみて、ここなら鉄騎士団長と交流出来るって聞いたから…。勿論ただ交流するだけじゃないよ。ここで交流するからには身体を鍛えるいい機会だからね。」
マットは鉄騎士団との交流を実践する為と述べた。
「良いお心がけね。わたしは鉄騎士団長メフレックス。ブリジット族のマットだったわね。ブリジット族の男性はわたし達ブリジット族の女性に比べて筋肉が付きにくい分、知性が結構高いの。身体を鍛える事で新たな発見があるかもしれないわ。」
メフレックスはマットに挨拶をし、最も軽量の赤ダン一式を彼に渡した。
「この赤ダンで左右15回ずつカールをします。但し、反動はつけません。」
「はい。」
メフレックスはマットに指示を出し、マットは指示通りにカールを難なくこなした。
(!…なっ…、いきなり造作もなくこなしてる…。うちが最初火傷したトレーニングを…。)
マットが造作もなくカールをこなす様に、最初はこなすのが難しかったアイナは内心驚いた。こうしてマットが新たに仲間に加わったのだった。




