先生との再会
アーニャがアイナ達に加入して一月が経った。エイミー、アーニャは勿論、アイナも日々の鍛錬に見合ってより引き締まった身体になっていった。
学務を終えて三人でトレーニングルームに来た時、意外な光景を目にした。何と、あの日からアカデミーに来ていないタチアナがメフレックスの指導の元で最軽量の赤ダンで鍛錬していたのだった。
「!…タチアナ先生!」
「!…。(あなた達…。話は後でね…。)」
アイナはタチアナに声をかけたが、鍛錬中だったタチアナは鍛錬に集中した。
メフレックスの指示で休憩しているタチアナにアイナは声をかけた。
「タチアナ先生、どうしてここで身体鍛えてるんですか?」
アイナはタチアナに理由を尋ねた。
「団長の指示の元でリハビリをしているの。再び教壇に立つまで数か月はかかるわ。」
タチアナはリハビリで教壇に立つには数か月かかると話した。
「さあ、いつも通り準備運動してタチアナ先生と一緒に身体鍛えましょう。」
「うん。」
エイミーの呼びかけでアイナとアーニャは彼女と共に準備運動してタチアナと一緒に鍛錬に勤しんだ。
アイナ達が整理運動を済ませた後、メフレックスは口を開いた。
「エイミー、アイナ、アーニャ、これからも先生のリハビリに付き合ってあげなさい。」
「はい。」
「うん。」
三人は快諾した。
「みなさん…、ごめんなさい…。わたしが酒に手を出してしまったばかりに…。みなさんにご迷惑を…。」
タチアナは三人に詫びた。
「タチアナ、鉄騎士団の役人であるあなたの過ちは団長のわたしの過ちでもあるの。だから…、わたしも詫びるわ。」
メフレックスも連座した。
「メ…、メフレックス姐ちゃんまで…。いいんすよ。うち、気にしてないんで…。」
「私なら大丈夫です。自ら学問に勤しむのも学徒の本分ですから。」
「私も気にしていませんよ。自分が為すべき事は自らを鍛える事と決めてますから。」
三人は気にしていないと述べた。
「…ありがとうございます…。わたし…、一日でも早く…、教壇に戻れるように…、頑張ります…。」
自分を赦してくれた三人にタチアナは涙を流して感謝し、そして一日でも早く教壇に戻れるよう努めると誓った。
こうしてタチアナのリハビリが本格的にスタートすると同時にアカデミーではごく一部の学徒達が狂喜するアカデミー最大の行事が行われようとしていた。




