思いがけない出会い
学務を終えた後、AU会館のトレーニングルームで一汗流し終えたアイナとエイミーが女性用更衣室に向かった時の事だ。
「さーて、一汗流し終えた事だし…、寮に戻って夕食たらふく喰うぞ~!」
アイナはドアノブを無造作に掴もうとした次の瞬間…。
「待って、アイナ。」
「!…。」
エイミーはアイナを制止した。
「どんなに急いでても、ドアを開ける前は必ずノックしなきゃね。」
「あっ…、そうだった。」
エイミーはアイナにドアを開ける前にノックするよう伝えた。アイナはドアを数回ノックした後、ドアを開けると、アカデミーで見覚えのある女性がいた。
「!!…あ…、あなた達…。」
「!…タ…、タチアナ先生~!」
アイナとエイミーはティーンアカデミーの教員であるタチアナがトレーニングルームにいる事に驚いた。タチアナはティーンアカデミーの学徒達が利用している事に動揺した。
「あの…、タチアナ先生は…、ここは初めてでしょうか…?」
エイミーはタチアナにトレーニングルームの利用が初めてかどうかを尋ねた。
「ええ…。」
「そうですか…。良かったら、私達がご案内致します。」
「うん、うちらに任せて下さい。(夕食はお預けになっちゃったけどまあいいか…。)」
「ありがとう。エイミー、アイナ。」
アイナとエイミーはタチアナをトレーニングルームに案内する事にした。
トレーニングルームには相変わらず屈強の男性AU達が汗を飛び散らせながら鍛錬をしていた。
(…何か野蛮そうね…。ドワーフの類かしら…。とにかくエルフのわたしには堪えられそうもないわ…。)
アイナとエイミーにトレーニングルームに案内されたタチアナはエルフだけあって野蛮にも似た雰囲気に拒絶反応を示した。
「タチアナ先生…、ねえ…、大丈夫ですか?」
エイミーは失神しかけたタチアナに呼びかけた。
「!…はっ…、ええ…、大丈夫よ…。(何か入る場所間違えてしまったみたいね…。)」
「あ、そうそう…。タチアナ先生に紹介したい人がいます。」
アイナはタチアナに紹介したい者がいる事を伝えると、メフレックスがやって来た。
「だ…、団長…。」
タチアナは鉄騎士団団長メフレックスが直々にやって来た事に驚いた。
「こんばんは、あなたが初回の利用の者ね。わたしは鉄騎士団団長にて白き女傑隊長のメフレックスよ。」
「団長、直接は初めまして。私は鉄騎士団直営ティーンアカデミー教員のエルフ、『タチアナ』と申します。今日からトレーニングルームを利用致しますので、改めて宜しくお願い致します。」
メフレックスとタチアナは自己紹介をした。
「では、早速準備運動に入ります。エイミー、アイナ、あなた達も一緒に。」
「はい。」
「うん。(タチアナ先生…、大丈夫かな…?)」
鍛錬に入る前に一行は準備運動をした。これからタチアナの初鍛錬が始まろうとしていた。




